マイコプラズマ肺炎【家族の不安に応えるQ&A】
目次
Q.マイコプラズマ肺炎が増えていると聞きますが、どんな病気ですか。
特徴的な長く続く乾いた咳
「マイコプラズマ肺炎」は「マイコプラズマ・ニューモニエ」という細菌による感染症です。今年、8年ぶりの流行が報告されており、冬にかけて増加するので、今後も感染者増が予測されています。
潜伏期間が2~3週間と長く、発症すると発熱、喉の痛み、咳(せき)、関節痛など一般的な風邪症状が見られます。頑固な乾いた咳が長く続くのが特徴で、数週間から長い場合は数カ月、喘息(ぜんそく)のような咳症状が続くことがあり、肺炎になっていることが分かりにくい場合があります。また、細菌が免疫系を過剰に刺激してアレルギーのような反応で症状が長引くケースがあることも知られています。
小児では下痢、嘔吐(おうと)、中耳炎、結膜炎、皮膚炎、口内炎など全身の炎症も合併します。
多くは自然に治るが1~2割が肺炎に
喉の奥から痰(たん)を採取し抗原検査によって診断します。主に肺(気管支)で増える細菌なので、気管支から痰をしっかり吐き出さないと陽性が出にくく、診断に苦労する場合もあります。
感染しても大部分は自然に治りますが、1~2割程度が肺炎になり、その場合は抗生剤で治療します。アレルギー反応が疑われる場合にはステロイドを使用する場合もあります。
一方で、咳が長引いて診断がつきにくい上、家族全員が感染することも多く、厄介な感染症です。咳などで飛散しやすく(飛沫感染)、汚染されたおもちゃやタオルなどでも感染(接触感染)するとされています。感染予防の基本である体調管理、咳エチケット、手洗い、うがいが重要です。しっかりと感染対策をして、この冬を乗り切りましょう。