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乳幼児に多い「川崎病」診断がついたら迅速に治療を【家族の心配・不安に応えるQ&A】

川崎病 家族の不安に応えるQ&A

目次

Q.乳幼児期に多い「川崎病」とは?

治療しないと心筋梗塞の恐れ

熊本赤十字病院こども医療センター小児科部長  平井 克樹さん
熊本赤十字病院こども医療センター小児科部長
平井 克樹さん

熊本赤十字病院こども医療センター小児科部長 平井 克樹さんに聞きました。

川崎病は日本人の川崎富作医師が1960年代に発表した論文をきっかけに、今では世界で知られている病気です。基本的には、「発熱」「両眼の充血」「口唇や舌が赤い」「発疹」「四肢末端の浮腫や紅斑(こうはん)」「頸部(けいぶ)リンパ節腫脹(しゅちょう)」の六つの症状のうち、五つ以上そろうことで診断がつきます。比較的分かりやすい症状ですが、五つが同時にそろわないような場合は判断が非常に難しくなります。診断の補助として血液検査、心電図検査、心臓超音波検査などを行います。

治療しない場合、冠動脈という心臓の周りを走る左右の血管に冠動脈病変という血管の拡大や瘤(こぶ)が約20~30%で生じます。その結果、冠動脈病変に血栓という血の塊ができ、血管を詰まらせて心筋梗塞を起こす可能性が高くなります。そのような怖い病気なので、診断がついたら迅速に治療します。

急性期は飲み薬と点滴で治療

治療の基本はアスピリン(飲み薬)と免疫グロブリン(点滴)の二つになります。免疫グロブリンの投与1回で治癒する人は約80%です。1回で治らない場合、免疫グロブリン、ステロイド、免疫抑制剤、生物学的製剤、血漿(けっしょう)交換療法などさまざまな治療法を組み合わせて冠動脈病変ができないようにします。

急性期の治療後は、外来で定期的な検査(心臓超音波検査など)を行います。

治療法の進歩により、今では冠動脈病変を生じるのは2〜3%程度になっていますが、残念ながらゼロではありません。診断が重要な病気ですので、六つの症状のうち二つ以上ある場合は、かかりつけの小児科医に早めに相談しましょう。

六つの症状のうち五つ以上そろうことで診断。診断がついたら迅速な治療が必要です

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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