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096k(オクロック)熊本歌劇団 Web限定インタビュー

菅井 育美さん Sugai Ikumi

目次

劇団員の素顔

菅井 育美さん Sugai Ikumi

舞台「前田慶次 かぶき旅〜肥後の虎・加藤清正〜編」と「前田慶次 かぶき旅〜鬼島津の女剣士・夕月〜編」で主人公・前田慶次役

菅井 育美さん Sugai Ikumi

「ここで新しい自分に出会えた」

福島県出身で、東京で役者として活動し、2020年に096k熊本歌劇団へ入団。初めて熊本に足を踏み入れました。「芝居だけでなく殺陣、アクション、ダンス、歌など新しいことにチャレンジできると思って入団を決めました」と振り返ります。

もう一つ、入団を後押しした気持ちがあります。それは「災害で苦しい思いをした熊本の人たちの役に立ちたい」という気持ちです。「私は高校生の頃に東日本大震災を経験しました。しかし、当時の私には苦しんでいる人のために何かをする力がなく、悔しくて。熊本も地震や水害など大きな災害が発生していて、福島と似ているところがあると感じています。096kに入団すれば、熊本で人の役に立つことをできるかもしれないと思いました」

活動開始から3年がたち、自身の成長を実感しているそう。「昔は嫌いだったダンスを楽しいと思えるようになりました。新しい自分に出会えたことがうれしくて、やりがいも感じています」と話します。

菅井さんが演じるのは、「前田慶次 かぶき旅」の主人公・前田慶次です。当初は「たくさんの方が知っているキャラクターなので演じることに大きなプレッシャーを感じていた」そう。そんな中、096kを運営するコアミックスはマンガ出版社なので、「前田慶次 かぶき旅」の原作者からアドバイスしてもらえる環境があり、次第にキャラクターのイメージと演技を合致させられるようになったそう。「その頃からあまり悩むのではなく、私だったらどうするかを考えよう、と思うようになり、プレッシャーよりも楽しさを感じながら演じられるようになりました。舞台上では誰よりも楽しまなければならないキャラクターなので、全てのことにワクワクしたり、少年のように目を輝かせたり、とにかく楽しみながら演じています」と、晴れやかな表情で教えてくれました。

菅井さんが演じるのは、「前田慶次 かぶき旅」の主人公・前田慶次

日々、稽古に励む菅井さん。リフレッシュ方法を聞いてみると、「乗馬です。高森町の『ブルーグラス』さんに1年ほど通っています。稽古の一環なのですが、すごくリフレッシュできる時間になっています」とにっこり。高森町の景色もお気に入りで「朝にメンバーと稽古場の近くを散歩するのですが、3年も住んでいるのに、今も景色の美しさに感動します」。好きな食べ物はうどん、トマト、漬物。「トマトは熊本の特産。稽古場の近所には大好きな『徳丸漬物』さんもあります。熊本は食べ物の面でも、縁のある土地なのかなと思います(笑)」と、高森町での暮らしを満喫中。

最後に、今後の目標を教えてもらいました。「096kとしては、熊本市中心街でオープン準備が進んでいる『096k座』を、熊本を代表する観光スポットの一つにしていきたいです。個人としては、県内外でもっと芝居の活動を増やし、096kや熊本の魅力も知ってもらえる機会をたくさん作っていきたいと考えています」


片山 紗雪さん Katayama Sayuki

舞台「前田慶次 かぶき旅〜肥後の虎・加藤清正〜編」で加藤清正役、「前田慶次 かぶき旅〜鬼島津の女剣士・夕月〜編」で夕月役

片山 紗雪さん Katayama Sayuki

「熊本のシンボルの一つになりたい」

片山さんは熊本県出身。入団前は俳優として活動し、3年前に海外留学を予定するもコロナ禍で実現できませんでした。多くの人が不安を抱える中、「エンターテインメントの力で世の中を明るくできないかと考えていた時、096kのオーディションを見つけ、飛び込んでみました」と話します。

芝居やミュージカルの経験はあったもののダンス、殺陣、アクションは未経験。「いろいろなことに挑戦でき、仲間たちと一緒に作品を作り上げていけることが本当に楽しい」と片山さん。舞台から観客の笑顔や涙を見る度に、「私たちの思いが伝わったと実感できて、やりがいを感じます」と笑顔。

片山さんが「前田慶次 かぶき旅〜肥後の虎・加藤清正〜編」で演じるのは、熊本県民にとっては親しみのある加藤清正です。「マンガの中の清正と、熊本の方が知っている史実に基づいた清正とを織り交ぜながら、オリジナルのキャラクターというのを考えて作っていきました。その過程で清正のことを調べていくうちに、すばらしい心の持ち主だったことが分かりました。民と一緒になって夢を追いかけていたということを伝えられるように演じています」。

とはいえ、清正を演じることは、誰もが知っている存在なので、大変なプレッシャーだったと振り返ります。転機となったのは、清正の墓がある本妙寺の住職の言葉。「舞台を見ていただいた後に、『まさに清正公はこのような感じの人だったと思います』とおっしゃっていただき、すごく安心しました」。

そして「前田慶次 かぶき旅〜鬼島津の女剣士・夕月〜編」では夕月を演じます。「清正編のキャラクターはほとんどが男性ですが、夕月編は女性がフィーチャーされます。それにより、前田慶次をはじめキャラクターたちの印象が清正編に比べ変わってくると思いますので、その辺りも見どころです」と教えてくれました。

ほぼ毎日、夜遅くまで自主練に取り組むなど、忙しい日々を送っている片山さん。リフレッシュの方法を聞くと、高森町のお気に入りの場所で元気を充電しているそう。「『月廻り温泉』はすごく癒やされますね。それと、お肉が大好きなので、あか牛専門店『やま康』のあか牛丼もお気に入りです。それから、『徳丸漬物』の“つるのこ芋”を使ったアイスクリームも好き」と、元気の素が次々と。また、稽古の一環として取り組んでいる乗馬や、趣味の読書や映画鑑賞もリフレッシュにつながっているそう。

「前田慶次 かぶき旅〜鬼島津の女剣士・夕月〜編」では夕月を演じます

今後の目標を尋ねると「県外、海外の観光客にもたくさん見に来てもらえる歌劇団にしたい。熊本に恩返しをするとともに、熊本のシンボルの一つになることを目指します。そして私自身、この096k熊本歌劇団というところで何かを成し遂げたいという気持ちがあります。一つ一つの役に真摯に取り組み、見る人を魅了する俳優になり、幅広い役を演じていきたいです」と真っすぐなまなざしで答えてくれました。


TETOさん テト

舞台「前田慶次 かぶき旅〜肥後の虎・加藤清正〜編」で前田慶次役など、「前田慶次 かぶき旅〜鬼島津の女剣士・夕月〜編」で東郷重位役

TETOさん テト

「観客の笑顔がやりがいに」

幼い頃から歌うことが好きで、学生時代は合気道、空手、ダンスに励んだそう。「アクションと歌、ダンスを組み合わせたパフォーマンスをしたくて出身地・福岡県で活動していましたが、なかなか巡り合えませんでした」。そんな時に知ったのが096k。「やりたいことの全てがここにある!と思い入団しました」と当時を振り返ります。

やりがいを感じるのは、「観客の笑顔や感動した表情を見た時です。私は舞台で“役の人生を歩んでいる”と思いながら演じています。人の人生はとても重たいものだからこそ、自分なりにその人物像を丁寧に捉えながら演じることを大切にしていて、そのことが観客に伝わったと感じた時に、舞台をやっていて本当に良かったと思い、やりがいも感じます」。

公演中や稽古中に他メンバーの演技を見ることも大事にしているそう。「入団するまでは芝居の経験があまりなかったので、人の演技を見るといろいろな発見があって楽しい。私自身の成長にもつながっています」と目を輝かせます。

「前田慶次 かぶき旅〜肥後の虎・加藤清正〜編」では、主人公・前田慶次を演じています。「実は、前田慶次というキャラクターは私にとって“救い”といえる存在です。稽古でつらいことがあっても、前田慶次を演じると、そのキャラクターの明るさや何事も気にしない心持ちが私の心を引っ張ってくれて、心がすごく明るく晴れやかになります。そういうキャラクターの魅力を意識しながら演じるように心掛けています」と、役への思いを話してくれました。

そんなTETOさんのリフレッシュ方法は、バイクで阿蘇をツーリングすること。「すごく印象に残っているのが、走っている時に見た、夕日に照らされた根子岳。その美しさに感動しました」。それから大好物のプリンを食べることも元気の源。「市販のものではなく、手作り感のあるプリンが好き」とにっこり。

「前田慶次 かぶき旅〜肥後の虎・加藤清正〜編」では、主人公・前田慶次を演じています

最後に、今後の目標を聞いてみました。「096kの公演を熊本のたくさんの人に見ていただくことです。それから全国のさまざまなところでも公演をして、熊本の魅力も発信していきたい。県外から熊本へ人が集まるきっかけになるような劇団を目指しています」。

そしてもう一つ、TETOさんには大きな夢があります。「海外で活動することです。名前をアルファベットにしているのも、そのため。今年7月に、フランスで開催されたジャパン・エキスポのステージに立ち、初めて海外でのパフォーマンスを経験させていただきました。その時に実感したのは、日本の文化や私たちの熱い心が、世界の人たちに伝わったということです。その経験から、“世界に日本の文化をもっと発信していきたい!”という気持ちがより強くなったので、ぜひ挑戦したいと思います」

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

菅井 育美さん Sugai Ikumi

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この記事を書いた人

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