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「地域の兄貴」的な取り組みが力に【村上美香のヒトコトつれづれ】

益城町にあるすてきな古民家カフェ「sala」
益城町にあるすてきな古民家カフェ「sala」

益城町の櫛島(くしじま)地区にすてきな古民家カフェがあります。スコーンやタルトとともにゆっくりとお茶を楽しめるお店「sala」です。熊本地震から8年後の益城町を取材する中で出合ったお店で、話を聞くと特別な取り組みをされていました。

まずは建物。古い木と新しい木を組み合わせて一本の柱として使われています。持ち主の古荘さんによると明治後期に建てられた家は、地震被害で全壊判定を受け、一度は公費解体の道を選んだけれど「やはり残したい」という思いで解体を中止。6年かけて修復し、国の有形文化財になる見込みだそう。

また、古荘さんは、建物だけでなく町に元々あったお祭りや、なくなってしまった地区のイベントを復活させ、さらに楽しい催しにする仕掛け人でもあります。例えば、櫛島地区のお花見。熊本地震があった4月に人を集め、炊き出し訓練として避難食を作り「せっかく作ったから、そら飲まなんたい」と「お花見避難訓練」として復活したり、地区に昔からある小さなプールの掃除をして、その後にプールサイドに灯りをともす「水灯り」イベントを仕掛け、100人以上集まったことも。真面目な訓練だけでなく、主催者も参加者も楽しい ! と思う催しを心がけているそうです。

熊本地震から8年。復興に必要なものは「住んでいる土地を好きになり、人を好きになり、死なない備えをすること」という古荘さんの「地域の兄貴」的な取り組みが地域をつないでいく大きな力になると実感しました。

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

益城町にあるすてきな古民家カフェ「sala」

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この記事を書いた人

1971年、熊本市生まれ。第一高、熊本大文学部卒。94年に熊本県民テレビ(KKT)にアナウンサーとして入社。夕方の人気番組「テレビタミン」を21年間担当した。2018年春、同番組を引き継ぎ、KKTも退社。「ヒトコト社」代表。

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