【道路マニアの僕が国道57号への愛を叫ぶ⑤ 【熊大生のイマドキヒマドキ?番外編】
道路が好きなKumarismのメンバー・Fuyaが、国道57号についてマニアックな視点で語ります! 道路に関心がある方も、そうでない方も、どうぞお付き合いください!
Fuya
大分出身、熊本が大好きすぎる文学部1年男子。この前、宇土の肥後長浜駅から熊大まで歩いてみた。8時間かかった。
菊陽・大津バイパスを調査!
国道57号は、大分市から熊本県を通って長崎市に向かう国道です。
この連載では、熊本県内区間の終点である三角港から、阿蘇方面に向けて、57号を順に紹介しています。
今回は、前回取り上げた東バイパスから続く、「菊陽(きくよう)バイパス」と、「大津(おおづ)バイパス」について取り上げます!
前回の記事はコチラhttps://spice.kumanichi.com/human-culture/imadoki/124253/
開発が進む菊陽バイパス沿線
熊本市と菊陽町の境から程近い弓削(ゆげ)交差点から、菊陽バイパスの区間が始まります。
菊陽町は、大規模な住宅団地「光の森」の開発や、半導体工場の立地などで発展が進んでいます。
さらに、台湾の半導体大手「TSMC」の子会社の工場進出も決まり、ますます開発が進むことが予想されます。
バイパス沿線でも、近年、郊外型店舗の進出が相次いだり、住宅が増えたりと、町の発展を感じることができます。
道路も時代背景を映している!?
今回も国交省九州地方整備局熊本河川国道事務所に取材しました。
上の写真の左側を見ると、片側2車線の車道の脇に、植樹帯を挟んで側道が設けられているのが分かります。
車道の脇の植樹帯、側道などをまとめて「環境施設帯」といいます。
菊陽バイパスが完成したのは、今から30年ほど前の1992(平成4)年のことで、道路の設計は1975(昭和50)年の都市計画で決められたそう。
当時は高度経済成長期の公害問題を受け、環境に関する制度が見直された時期にあたります。
こうした時代背景の影響もあり、道路周辺における生活環境に配慮するためという目的で、環境施設帯が設けられているのだそうです。
開通当時の面影が残る場所
(建設省九州地方建設局熊本工事事務所『一般国道57号 菊陽バイパス 開通』パンフレット)
熊本河川国道事務所で、開通当時のパンフレットを入手することができました!
平成初期なので、現在の国土交通省ではなく「建設省」と書かれています。よく見ると、事務所の名前も「熊本工事事務所」となっています。時代を感じますね(僕はこの頃はまだ生まれていませんが…)。
(建設省九州地方建設局熊本工事事務所『一般国道57号 菊陽バイパス 開通』パンフレット)
このパンフレットに、沿線の様子が写る写真が載っています。
奥が熊本市街方面です。宅地の開発が進んでいる場所も見受けられますが、現在ほど建物は多くなく、田畑が多いことが分かります。
現在では開発が進み、田畑がみられない地区も増えてきました。
しかし現在でも、バイパスから田畑を見ることができる場所が残っています。それが、隣の大津町との境に程近い、原水(はらみず)という地区です。
この区間だけは、開通当時と変わらず、のどかな風景が広がっていました。
遠くまで見渡すこともでき、熊本平野の広さを実感することもできる区間でもあります。
これから進化する!大津バイパス
のどかな区間を過ぎると、国道57号は大津町の市街地に入ります。また、町境の少し手前から、道路名が「大津バイパス」に変わります
この区間は、沿線に大型スーパーや郊外型店舗が軒を連ね、にぎやかな通りになっています。
実はこの大津バイパス、近い将来、沿線の風景が大きく変わります。電線が地中化される予定だからです。
電線が地上からなくなるだけでそんなに変わるの?と思うかもしれませんが、これが結構大きな変化をもたらすのです。
下の2枚の写真は、八代市内の国道3号の様子で、電線地中化前後に撮られたものになります。
見比べると、地中化後のほうが、すっきりとした印象になるのが分かると思います。
写真:国土交通省 九州地方整備局 熊本河川国道事務所 提供
また、電線地中化と同時に、信号機や歩道のリニューアルも行われるので、まるで新しい道のようなきれいさになるのです!
ちなみに、電線地中化の目的は、街並みの美化という点のほかに、災害対策という側面もあります。地震や台風の際に切れた電線や倒れた電柱が道路をふさぐことがなくなり、災害時でも円滑な交通を確保することができるようになるそうです。
国道57号は阿蘇へ、そして大分へ
大津町の市街地を抜けると、57号はいよいよ山道に入っていきます。そして、阿蘇やその先の大分県を目指してどんどん登っていくのです。
ということで、次回はいよいよ阿蘇へ、と思ったのですが…ここで一旦寄り道をしてみようと思います。]
「一体どういうこと?」と思われるかもしれませんが、その答えは次回の記事までお楽しみに!
P.S.ヒントを出すなら、「熊大生にも身近な道路」!