最後は「中の人」の魅力【荒木直美の婚活コラム「婚喝百景」65】

2024年6月27日

メタバース婚活で見えてくること

　最近増えてきた婚活イベントがメタバース婚活です。仮想空間で開催される婚活パーテイーで自分のアバターを介してお見合いするというもの。

職業や年収、見た目以外で自分を見てほしいという人におすすめのツールです。よく使われる婚活サービスであるマッチングアプリや婚活イベントでは、写真や自己紹介で最初のチェックが入りますが、メタバースはそういった具体的なスぺックを後回しにして価値観が合うかどうかなど、内面や性格の一致から相手探しができるのです。

つまり、相手の外見や肩書に左右されない内面重視の婚活というわけです。家に居ながらにして、パジャマで布団の上でスマホ片手にできるので若者を中心にニーズが高まっています。

さらに、仮想空間の婚活現場には私のような婚活サポーターもアバターを介して参加するので、婚活が初めてという人も安心。

しかし、薄々感づいてる方もいるとは思いますが、最大の難関は、仮想世界を出てから‼マッチングした相手と顔を合わせないわけにはいきません。

次の展開として「中の人」と会う、リアルなご対面が待っているのです。正直、本当の自分を見て相手がどんな反応するのか怖いという理由で対面を躊躇する人もいますが、私からのアドバイスは「内面で惹かれあったことを信じて勇気を出そう。見た目でNGが出たらそこまでの相手だし、そんな異性はそもそも相手にしないでいい」と伝えます。

前向きに腹が決まれば、対面時の服装についての準備が始まります。もちろんパジャマじゃダメだし(笑)ひげもそって、清潔感あるお見合いにふさわしいデートファッションを準備してもらいます。

ここで、実際にメタバース婚活でマッチングしたカップルが初めて対面した時の様子をご紹介すると、顔を合わせた際には正直、お互い少し違和感があったようです。

女性のほうが男性の顔と体形を見て若干動揺した様子でしたが、女性に感想を聞くと、「自分が思っていた感じとは違っていたけれど、逆に、自分が今まで選んでいたタイプと違うからこそ、この後の展開が楽しみ」と男性に対する興味が高まったようでした。

こんな風に最終的にはリアルな対面が待ち受けているのがメタバース婚活なので、最初にアバターを選ぶ時も少しでも自分の顔や体形が似ているアバターを送り込むことが大事になります。

そうすることで、蓋を開けたら「思っていたのと違う」という展開を避けることはできます。過去のメタバース婚活では、マッチングしたカップルから結婚カップルも誕生しています。

条件から入るのではなく「中の人」の魅力で決める。これこそある意味誰もが求める人間の本質で結婚相手を選ぶ「真の婚活」なのかもしれません。