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カバーソング大流行の今 時代の感性で生まれ変わる名曲【円盤で時間旅行120回 嶋田宣明】

イラスト・松田アツコ

最近よく耳にするのが、今のミュージシャンたちが演奏する昭和の名曲のカバー。テレビ番組やSNS、動画サイトなどで若い人に紹介され、楽曲の持つクオリティーの高さや時代を反映した歌詞の世界が注目を集め、ブームとなっています。レコードブームもその一つ。レコードという”昭和”なスタイルのメディアを使い、昔の曲を自分たちの感性で蘇(よみがえ)らせる手法は、今やトレンドに敏感な若いミュージシャンにとって、カッコイイ音楽スタイルとして定着しています。

胸を熱くするようなカバーがある一方で、ただのカラオケのようにしか聴こえないものもあります。何がその違いの根本にあるのか。カバーは、本来の楽曲の持つ良さを今の時代の感性で蘇らせたり創造したりしていくこと。過去の名曲に若い作家たちが新しい命を吹き込むことで、現代の音楽にしか反応できなかった世代にも伝承できているのです。アレンジに対するチャレンジも大切ですが、やり過ぎると元の曲をなぞりながら聴いている人たちには受け入れてもらえません。ただ上手なだけのカラオケのようなカバーでは、耳に心地よい役割だけで終わってしまう気がするのです。

今回ご紹介するカバー曲は、山下達郎の「いつか晴れた日に」をオトナモードという高橋啓太のソロプロジェクトがカバーしたバージョン。山下達郎のエモーショナルな歌唱に比べ、松本隆の歌詞による雨の日の内証的な感性が際立っていて、この曲の新たな一面を感じさせる名曲になっています。その違いはぜひ番組で。

※今回紹介したレコードは4月25日(火)放送のFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(16時~18時55分)で放送する予定です。

しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。東京のデザイン会社でコピーライターとして社会人デビュー。帰熊後、広告代理店でコピーライター&プランナーとして活躍。現在はFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~18時55分)、同「ミッドナイトコモエスタ」(水曜・0時~1時=全国コミュニティFM番組)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(月曜・21時~21時55分)の選曲家、パーソナリティーを務め、幅広い年齢層に昭和の曲を届けている。

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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この記事を書いた人

しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。FM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~)、同「ミッドナイトコモエスタ」(水曜・0時~)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(月曜・21時~)の選曲家、パーソナリティ。

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