時代を超えてよみがえる 昭和のダンスミュージック【円盤で時間旅行127回 嶋田宣明】

毎朝楽しみにしている番組の一つにNHKの朝ドラ「ブギウギ」があります。リアルタイムではありませんが、私がブギウギというリズムを知ったのはラジオから流れてきた笠置シズ子の「東京ブギウギ」だったと思います。韻を踏んだ歌詞とその陽気なリズムは、その時すでに昔の音楽ではあったものの、全く古臭さを感じなかったのを覚えています。

30年ほど前、今で言う“和モノ”にダンスミュージック的な新しさを感じていた私は、「東京ブギウギ」のレコードを探したことがありました。1948（昭和23）年の発売当初のレコードは「SP盤」と呼ばれる蓄音機用の音源。再生機器もないので半ば諦め気味でしたが、普通のレコードとして再発売されたものを手にすることができました。マスター音源が残っていなかったのかSP盤から起こしたと推測され、プチプチ、シャーシャーとノイズが入るひどい音でしたが、私はその音に新鮮さを感じ和モノのDJイベントなどでかける機会が増えていったのです。

今回紹介するレコードは朝ドラ「ブギウギ」の主題歌『ハッピー☆ブギ』（中納良恵・さかいゆう・趣里）。うれしいことにシングルは7インチアナログ盤でも発売され、B面に趣里が歌う「東京ブギウギ」が収録されています。もし、大晦日のNHK紅白歌合戦で伊藤蘭と趣里の母娘共演が実現するとしたら、とても楽しみです。

※今回紹介したレコードは12月19日（火）放送のFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」（16時～18時55分）で放送する予定です。

しまだ・のぶあき／1951年生まれ、熊本市出身。東京のデザイン会社でコピーライターとして社会人デビュー。帰熊後、広告代理店でコピーライター＆プランナーとして活躍。現在はFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」（火曜・16時～18時55分）、同「ミッドナイトコモエスタ」（水曜・0時～1時＝全国コミュニティFM番組）、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」（月曜・21時～21時55分）の選曲家、パーソナリティーを務め、幅広い年齢層に昭和の曲を届けている。