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【394号】カルチャールーム 第55回 – 円盤で時間旅行 嶋田宣明

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食欲の秋、“アテ歌謡”で飲んで食べて歌って

最近では秋とは名ばかりで、10月ごろまでは暑い日が続き、いったんしまった扇風機が出たり引っ込んだりの日が続きましたが、ようやく温風ヒーターに、その座を譲ることができました。

さて、秋と言えばスポーツや読書、それに“芸術の秋”などと言いますが、普段は芸術派のアカデミックな暮らしを目指している(笑)私も、この時期はもっぱら“食欲の秋”(秋だけではないような気もしますが…)。日々、おいしいものとダイエットをてんびんにかける、“欲望との戦い”の季節でもあります。昭和歌謡にも、そんなおいしいものを歌った“食べ物歌謡”がたくさんあります。リンゴやミカン、パイナップルなど果物を題材にしたアイドルの曲から、屋台などを舞台に焼き鳥など、お酒のつまみを扱った“アテ歌謡”などもあったりします。

今月ご紹介するレコードは、「屋台のおっさん」という謎の名前を持つ歌手の、これまた謎の「変な串かつ教室」というタイトルの75年発売のシングル盤。戦後歌謡を思わせるボードヴィル調のリズムに乗せて、歌とも語りとも言えない口調で、延々と串かつの作り方を歌う理解不能の曲です。以前、「幻の名盤開放歌集」というCDに収録されていたらしいのですが、さすがにその“幻(まぼろし)感”に、私はレコードを発売した会社の勇気を感じられずにはいられませんでした。

※今回紹介したレコードは11月21日(火)放送のFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(16時~18時55分)で放送される予定です。

しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。東京のデザイン会社でコピーライターとして社会人デビュー。帰熊後、広告代理店でコピーライター&プランナーとして活躍。現在はFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~18時55分)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(日曜・20時~20時55分)の選曲家、パーソナリティーを務め、幅広い年齢層に昭和の曲を届けている。

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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この記事を書いた人

しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。FM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~)、同「ミッドナイトコモエスタ」(水曜・0時~)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(月曜・21時~)の選曲家、パーソナリティ。

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