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【490号】カルチャールーム – 円盤で時間旅行 嶋田宣明

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レコードというパッケージに 自分の想いを託した時代

時々、昔買ったレコードで、今は行方不明になったレコードのことを思い出したりします。また時に、ジャンクレコードを掘っていたりすると、持ち主がマジックなどで、思いっきり自分の名前を書きなぐったレコードに出くわしたりすることがあります。友達とかに貸して戻ってこなかった経験によほど泣いた人なのでしょうか。中には一瞬、歌手のサイン入りかと勘違いしてしまいそうなクオリティーの落書きも。かなり練習したんだろうな、などといろいろな想像を巡らして、楽しくなってきます。

今回ご紹介するレコードは、スキャットとコーラスの魔術師で、和モノ・ソフトロックでは最重要人物の一人といわれている、岡崎広志のソロアルバム「あるものは愛だけ…。」(1979年)。このアルバムは、ちょっと郊外のリサイクルショップを掘っていた時に見つけたもの。帰ってそのジャケットをよくよく見てみたら、手書きで何やらラブレターのような言葉の一説が。このメッセージを見つけた時は、妙にドキドキしてしまいました。好きな音楽に託して自分の想(おも)いを伝える。当時、レコードというパッケージが、音楽というBGMを通したラブレターになっていたのです。

ダウンロードやストリーミングで音楽を楽しんでいる今の世代には、理解しがたいことなのかもしれませんね。しかし、この手書きのメッセージ、どうみても書き込んだ人物が特定されてしまうんですけど…。

※今回紹介したレコードは9月24日(火)放送のFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(16時~18時55分)で放送する予定です。

しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。東京のデザイン会社でコピーライターとして社会人デビュー。帰熊後、広告代理店でコピーライター&プランナーとして活躍。現在はFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~18時55分)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(日曜・20時~20時55分)の選曲家、パーソナリティーを務め、幅広い年齢層に昭和の曲を届けている。

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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この記事を書いた人

しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。FM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~)、同「ミッドナイトコモエスタ」(水曜・0時~)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(月曜・21時~)の選曲家、パーソナリティ。

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