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【555号】カルチャールーム – 円盤で時間旅行 嶋田宣明 92回

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古くて新しいシティ・ポップ ネット社会が変えた音楽の潮流

以前にも取り上げたことのある、海外での日本製CITY POPブーム。大貫妙子から始まり、竹内まりや「PLASTIC LOVE」の怒涛(どとう)のカバーブームなどがありました。そして今、話題となっているのが、松原みきの「真夜中のドア」。47カ国サブスクリプション(定額聴き放題)サービスで、世界的なヒットとなっています。

いったい日本の音楽の何が、これほどまでに注目を集める要因となっているのでしょうか? そこにはYouTubeやSpotify、Apple Musicなどのネット社会ならではの、時間や場所を超えた新しい音楽のあり方が見えてきます。いいものは素直にいいと言える柔軟な好奇心によって浮かび上がってきた日本の音楽。世界中の音楽を使ってシーンを演出する海外のDJたちにとっては、まさに未知の新世界だったのでしょう。今まで聞いたこともない古くて新しいこの音楽に、DJは真っ先に染まっていきました。

しかし、どんなに珍しく新しい音楽でも、そのクオリティーが低ければ、人々の耳には届きません。日本人が海外の音楽に憧れ、長く培ってきた優れた音楽性が、今のブームの根底にあるのではないでしょうか。

注目されている松原みきは1979年、この「真夜中のドア」でデビューした後、多くの楽曲を残し2004年、がんのため44歳という若さで亡くなっています。彼女は今、空の上からこのブームをどう思って見ているんでしょうね。

※今回紹介した曲は12月22日(火)放送のFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(16時~18時55分)で放送する予定です。

しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。東京のデザイン会社でコピーライターとして社会人デビュー。帰熊後、広告代理店でコピーライター&プランナーとして活躍。現在はFM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~18時55分)、同「ミッドナイトコモエスタ」(水曜・2時~3時=全国コミュニティFM番組)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(日曜・20時~20時55分)の選曲家、パーソナリティーを務め、幅広い年齢層に昭和の曲を届けている。

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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この記事を書いた人

しまだ・のぶあき/1951年生まれ、熊本市出身。FM791「昭和名曲堂コモエスタ辛島町」(火曜・16時~)、同「ミッドナイトコモエスタ」(水曜・0時~)、RKKラジオ「昭和歌謡大作戦」(月曜・21時~)の選曲家、パーソナリティ。

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