エンジニアから華道家に転身 生け花で映える野の花の魅力を発信【すてきびと】

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華道草心(そうしん)流 家元 板垣 草人さん


1971年、山口県生まれ。幼少期から生け花を習う。真和高卒業後、筑波大の構造工学部へ進学。卒業後は大和総研に入社しSEとして約18年間、システム開発に従事。2011年に退社し帰熊。家業の草心流を継ぐ。現在、南阿蘇村で妻と母の3人で暮らす。
「草心流」は身近な野の花で生け花をする、独自のスタイルを持つ流派です。板垣さんの父・草心さんが1975年に創流しました。幼い頃から家で華道を習い花に親しんできましたが、「父とは別の道を行きたいという思いが強く、エンジニアを志しました」。
大学でロボットの研究をした板垣さんは、東京でSEとして就職。最先端の技術を駆使した仕事にやりがいを感じ、時間を忘れて仕事に没頭する日々でした。しかし、「ふと気付くと、休みのたびに自然を求めて郊外に出掛け、自然に癒やされていました。そうするうち、父がやっている野の花の生け花は、実はすごいんじゃないかなと思ったんです」。2011年の東日本大震災を機に、父からの勧めも受けた板垣さんは跡を継ぐことを決意しました。
「道端の雑草でも生け花という舞台に上げると、個性豊かなことに気付かされます」と板垣さん。南阿蘇の草心流野草園では花材となる約300種類の草花も育てています。「草花たちの生命力と生き抜くための戦略はテクノロジーにあふれています」と、今もエンジニア魂をくすぐられているようです。


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