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自立していく若者たち 「支える」から新たな関係へ【となりのあの子Web版 Vol.33】

自立していく若者たち 「支える」から新たな関係へ【となりのあの子Web版 Vol.33】

2024年になりました。昨年を振り返り、新たな気持ちで新年をスタートした方も多いのではないでしょうか?

トナリビトでは冬の間に、4人の若者たちが新たなステージを迎えました。シェアハウスから支援付きのワンルームに移ったり、シェルターからシェアハウスに入居したり、ワンルームから完全に1人暮らしになったり…。

新しい環境になると、心細いときや不安が大きいときもあるかもしれませんが、それと同じくらいワクワクやドキドキもあります。

トナリビトが行っている支援の中でも、特に住居支援は若者との関係が深まりやすく、疑似家族のような存在になることが多くあります。

そうすると、「卒業」「自立」という言葉に、ときには寂しく、突き放されるような気持ちを覚える若者もいます。(もちろん「念願の一人暮らしだー!ひゃっほー!」と卒業していく子もいますが。笑)

「出ていきたくない」「まだここにいたい」…。そういう若者たちからの言葉は嬉しくもありますが、それでもやっぱり、いつか彼らは社会の中に自分の足で歩きだしていかなければいけません。

そんなとき若者たちは、寂しさや不安が入り混じる中、対話をしながら時間をかけて気持ちの折り合いをつけたり、次の目標を見つけて気持ちを奮い立たせたりします。

そして最後には、若者たちは勇気を出して一歩を踏み出していくのですが、その瞬間、彼らがぐっと大人になっていくのを感じます。

ライフステージが移り変わっていく中で、私たちとの関係が「支える側・支えられる側」から、1対1の関係に変わっていく若者たちもいます。

トナリビトの支援には必ず終わりがあります。でも、それは関係性が終わる瞬間ではなく、新たな関係へ生まれ変わっていく瞬間だと思うのです。

トナリビト(=支援をする大人)として一方通行で手助けをしていく、という立場から、信頼関係の中で、お互いが必要なときにお互いを支えていく、というフェーズに移っていくのです。最初は支える立場だった私たちが、卒業していった若者たちから支えられたり、助けられたりすることも少なくありません。

数えてみると、この5年間でトナリビトの住居やシェルターで過ごしていった若者は34人。継続してサポートしている子もいますが、自立していった若者の中には、家族や大人同士の友人のような関係になっている子もたくさんいます。私たちが支援者として関わる時間は彼らの人生からしたらとても短いのですが、その後の人生も当たり前につながっていく―そんな関係でいれたらなと思います。

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

自立していく若者たち 「支える」から新たな関係へ【となりのあの子Web版 Vol.33】

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この記事を書いた人

NPO法人トナリビト代表。親を頼れない子ども・若者や社会的養護出身者を対象に自立支援シェアハウスIPPOを運営する傍ら、相談窓口・居場所スペース、就労支援ネットワーク、学習支援、普及啓発活動等を通じて支援を行っている。

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