日本初翻訳は熊本ゆかりの文学者【つんどく よんどく】
星の王子さま
著者:サン=テグジュペリ 訳:内藤 濯
なぜ7月の和風月名は「文月」なのか。七夕に書物(=ふみ)を広げて夜風にさらす習慣があったことから、初めは「文披月」(ふみひろげづき)、転じて「文月」になったという説があります。とても風流な言い伝えで、うっとりしますね。
七夕といえば「星まつり」とも呼ばれる節句です。ゆえに、ご紹介する本は『星の王子さま』で。なんて、安直に選んだわけでは、もちろんございません。今回注目していただきたいのは、この物語の日本最初の翻訳者、内藤濯(ないとう・あろう)さんです。長崎次郎書店もある熊本市の新町出身で、慶徳小学校に通った、実は熊本ゆかりの文学者なんですね。
そんな彼の誕生日がなんと、1883年7月7日! まるで「星」と巡り合うために生まれてきたような方じゃありませんか。しかも、今も愛される内藤訳が刊行されてから、ちょうど今年で70年(これも7!)。
すてきに偶然が一致した今こそ、この本を読んでみてはいかがでしょうか?
紹介するのは
長崎書店
児玉 真也さん
書店員歴14年目になりました。