名作を解体、一流のユーモアで解説【つんどく よんどく】

ジョージ・ソーンダーズ/著 秋草俊一郎・柳田麻里/訳
3630円 四六判 フィルムアート社
目次
ソーンダーズ先生の小説教室
このコーナーで、私は今までそれなりの数の小説を偉そうに紹介してきた。しかしながら、小説のことを一体どれくらい理解しているのかと問われると、正直言ってほぼ分からない。だって雰囲気で読んでいるから。われながら情けない。
いきなりこんな反省から始めたのは、この本が最高に素晴らしかったからだ。小説のことをきちんと知ろうと思えた。
本書は現代アメリカ文学を代表する作家である著者が、長年受け持つシラキュース大学での文学講義を書籍化したもの。扱う題材はロシア文学。そして約600ページの分厚さ。
そんなとっつきにくさテンコ盛りでも、驚くほどサクサク読んでしまう。とにかく分かりやすい。名作短編を細部まで丁寧に解体し、一流のユーモアで解説するその手さばきに心動かされる。読むこと書くこと、生きることにすら影響を与える貴重な教えがここにある。
今回の担当は
TBSラジオをよく聞きます。

