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親子で楽しく!みそ汁作りでSDGsを学ぼう

親子で楽しく!みそ汁作りでSDGsを学ぼう

親子で楽しく!みそ汁作りでSDGsを学ぼう 日本の食卓に欠かせない「みそ汁」。毎日当たり前のように作り、何げなく食べている人も多いのではないでしょうか。でも、ちょっと待って! 実はSDGsについて学べる要素がたくさんあるのです。買い物から調理、食事、片付けまでそれぞれのシーンで発見が。熊本大学大学院教授の宮瀬美津子さんにアドバイスをもらいながら、読者モデルの横山さん親子に体験してもらいました。

目次

協力しておいしいみそ汁を作ろう!

読者モデル 横山 紀和さん(右) 桜ちゃん(12歳・左) 栞ちゃん(9歳・中央)
読者モデル 横山 紀和さん(右) 桜ちゃん(12歳・左) 栞ちゃん(9歳・中央)

みそ汁作りは学びの宝庫。ぜひ親子で、楽しみながら取り組んでみてください

熊本大学大学院 教育学研究科 教授 宮瀬 美津子さん
熊本大学大学院 教育学研究科 教授 宮瀬 美津子さん

専門分野は家庭科教育。SDGsに関連して、持続可能なライフスタイルについて研究。NPO法人くまもと未来ネットやくまもとSDGs推進財団の活動を通して、持続可能な地域づくりに携わる。

SDGsについての説明は こちらをご覧ください。

https://sdgs-kumanichi.com/about/what/

買い物から後片付けまで発見の連続!

みそ汁は和食に欠かせない料理であり、「食材を切る」「だしを取る」「煮込む」といった調理の基礎が詰まっています。身近な食を通してSDGsを学んでみましょう。

小学校の家庭科の調理実習で誰もが必ず学ぶのが「みそ汁」です。さまざまな料理に応用できる料理の基礎や日本ならではの食文化など、子どもたちに伝えたい要素がたくさん詰まっています。さらに、買い物を通して地産地消について学んだり、調理や片付けの過程で環境への配慮や家族の役割分担について意識したりすれば、SDGsへの理解が深まります。早速、親子3人でみそ汁作りにチャレンジ!

[STEP 1]買い物

使う分だけを簡易包装で購入する

みそ汁に使う食材を求めて子飼商店街へ。買い物の前に宮瀬先生からSDGsにもつながる「グリーンコンシューマーの買い物 10の原則」について教えてもらい、食材選びの参考にします。エコバッグを持って、いざ出発!

グリーンコンシューマーの買い物 10の原則

(1)必要なものを必要なだけ買う
(2)ながく使えるものを選ぶ
(3)包装の少ないものを選ぶ
(4)エネルギー消費の少ないものを選ぶ
(5)自然や健康を損なわないものを選ぶ
(6)作った人に公平な分配がされているものを選ぶ
(7)化学物質の少ないものを選ぶ
(8)再生原料から作られたものを選ぶ
(9)近くで作られたもの、旬のものを選ぶ
(10)環境対策に熱心な店で買う
※参考:環境市民HP

先生のアドバイス

グリーンコンシューマーとは“環境のことを考えて、より環境への負荷が少ない買い物をする人”のこと。私たちが環境に優しい商品を買えば、お店はそれにふさわしい品ぞろえをして、企業も環境への配慮をし始め、経済全体に影響を与えることができます。

添加物不使用の食材を選ぶ

店主の上妻さんにお店の歴史やみその作り方などについて教えてもらい、みそを購入。このお店では化学調味料や保存料不使用で手作りされたみそが販売されており、「グリーンコンシューマーの買い物10の原則」の(5)や(7)にも合っていることを確かめました。

先生のアドバイス

個人商店は食材を無駄なく少量ずつ、簡易包装で購入できることが多いのが魅力です。お店の人とコミュニケーションが取りやすいのもいいですね。

上妻食料品店

TEL096-343-1613

地元で育った旬の野菜を選ぶ

青果店では、お店の人から産地や野菜の特徴を聞き、熊本県産のナスと青ネギ、宮崎県産のブラウンエノキを必要な分だけ購入しました。「グリーンコンシューマーの買い物を参考にして熊本で作られた野菜を2つ選びました」と桜ちゃん。

先生のアドバイス

地元の旬の食材を選ぶことは栽培や輸送に必要な燃料や二酸化炭素の排出量を削減でき、地域の生産者や農業を応援することにもつながります。

下村青果

TEL096-343-1302

日本の食文化を受け継ぐ

だしの素材には「煮干し」「かつお節」「昆布」「干しシイタケ」などがあります。今回はなるべく地元の食材を使おうと熊本の天草などでもよく作られている「煮干し」を選択しました。

先生のアドバイス

発酵食品のみそや、煮干しなどのだしは日本ならではの伝統的な食文化です。理解を深め、守り伝えていきましょう。

紫藤商店

TEL096-343-7326

[STEP 2]調理

みそ汁は優れた栄養食

まずはだしを取ります。頭と腹わたは取り除くこともありますが、今回は少しでもごみを減らすため、1匹丸ごと使って具材として食べることに。カルシウムも摂取できて一石二鳥です。また、みそ汁は植物性タンパク質が豊富なみそや具材からもさまざまな栄養素を摂取できます。

先生のアドバイス

食品ロスを減らすため、だしを取った後の煮干しは冷凍保存してためておき、佃煮やふりかけを作るのもおすすめです。

先生のアドバイス

鍋底からはみ出すほどの大きな炎はエネルギーの無駄使い。鍋のサイズに合わせた火力で調理しましょう。

捨てる部分は極力少なく

「野菜を押さえるときは猫の手だよね」と、調理は子ども主導で進められました。家族で相談して、ナスの皮はむかずに食べることに決めました。

先生のアドバイス

普段の調理で野菜の皮をむき過ぎたり、根を落とし過ぎたりせず、食品を丸ごと使うよう心掛けるとごみを減らせます。

ナスのヘタは切り落とさず、ヘタ周りの皮だけを包丁で丁寧に剝ぎ取ります。
ナスのヘタは切り落とさず、ヘタ周りの皮だけを包丁で丁寧に剝ぎ取ります。

家事の分担を男女平等に

硬いもの、火の通りにくいものから煮ていきます。紀和さんは普段はだし入りみそを使っており、だしから取るみそ汁作りは初めての経験です。

先生のアドバイス

ジェンダー(社会的性別)平等もSDGsの目標の一つ。男女で家事を分担し、今回のようにパパと子どもが一緒に料理をすることも家族のパートナーシップを深めます。

先生のアドバイス

みそを溶いた後、残った麦の粒も具として食べると無駄がありません。

[STEP 3]食事

残さずいただきます!

みそ汁が完成! 残らないように3人分につぎ分けて、早速いただきます。桜ちゃんは「おいしい。いいにおい」とにっこり。実はナスが苦手という紀和さんと栞ちゃんもあっという間に完食しました。

先生のアドバイス

みんなで作った料理は一層おいしく感じられ、苦手な食材を克服できることも。みそ汁は冷蔵庫の残り物の野菜などの消費にもぴったりです。

[STEP 4]後片付け

節水し排水にも意識を

食器や調理器具は洗い方を工夫して、水を節約し、排水を汚さないよう心掛けます。洗う、布巾で拭く、しまうまでの作業をみんなで分担しました。

先生のアドバイス

今回は油ものがないので洗剤は使わず水洗いでOK。鍋を洗いおけ代わりにして、鍋の中でこすり洗いしてからすすぐと使う水の量を減らせます。

体験を終えて

紀和さん

親子で料理をして子どもの成長を感じられるいい機会になりました。食材ロスやごみを減らすのはすぐにできることなので継続して取り組んでみます。

桜ちゃん

家では料理をする機会があまりないので楽しかったです。環境のことを考えた買い物についても学べてよかったです。

栞ちゃん

ナスを切るのが楽しかったです。家でも料理をしてみたくなりました。

先生から

毎日の食事や料理はSDGsでも分かりやすい取り組みの一つです。ごみの削減だけでなく、近くで取れた旬の食材選びや省エネ、体をつくる栄養素、食文化などさまざまな学びが詰まっています。地元の商店で買い物をすれば地域の人との交流も生まれます。今回のように親子でキッチンに立つと家族のコミュニケーションが増え、SDGsにつながるアクションを一緒に実践できるのもいいですね。

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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この記事を書いた人

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