本当にいるの?いないの?「宇宙人」の最新研究
これまで宇宙人やUFOなどの話題は、本や映画などで見る未知の話でした。しかし、最近、「NASAがUFO研究チームを設置した」「生命の源となるタンパク質が小惑星の砂に含まれていた」など、“地球外生命体”に関するニュースをよく目にします。宇宙人やUFOは本当に存在するの? すぱいす編集部でアンケートを実施したところ、目撃情報が! 今どきの『宇宙人&UFO話」について、真面目に調べてみました。
私と娘が夜に国体道路をランニング中、小山町の陸橋ですごく明るい光が飛んでいて、2分ほどで消えました。
(熊本市東区・絆)
数年前、熊本市中央区から金峰山の方を飛ぶ飛行機を見ていたら、飛行機の周りをまとわりつくように飛ぶ銀色の物体を見ました。
(中央区・空いいね)
1年ほど前、お昼ごろ、南区十禅寺で空にものすごく光っている物体がいたのですが見た瞬間すぐにパッと消えてしまってびっくりしました。
(熊本市中央区・珈琲)
小学校低学年の時に宇土から熊本市内に戻る車の後部座席でうとうとしていたら急にオレンジ色の何かが光って見えました。たぶんだ円形でした!
(熊本市北区・横顔のbee)
宇宙物理学の専門家に聞く 現代科学での「地球外生命体」とは?
今や「宇宙人(地球外生命体)」が科学的に研究されています。熊本大学で宇宙物理学を研究している高橋慶太郎教授に素朴な質問をぶつけてみました。宇宙に関する最近のニュースや、宇宙を身近に感じられる話題も紹介します。
宇宙人・UFOについて 科学的に研究される時代に
最近、地球外生命体に関する研究発表などが増えています。これは、地球外生命体や宇宙開発についての研究分野(アストロバイオロジー=宇宙生物学)が観測技術の向上などにより、学問として確立したためです。アストロバイオロジーは20年ほど前から始まった新しい研究分野で、今後、 “宇宙人の発見”なども期待できるといわれています。
静岡県出身。物理学(宇宙物理学)が専門。電波望遠鏡を使い地球外生命体の存在を探る研究などを行っている。
最近のニュース
NASA「UFO研究チーム」を設置
2022年6月、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、今秋からUFO(未確認飛行物体)に関する研究チームを設置することを発表。地上や宇宙からの観測データなどを広く集め、UFOの存在の手掛かりにすることを目指し、来年夏ごろまでに成果をまとめるとしている。
小惑星りゅうぐうの砂から「生命の源」が!
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と岡山大などの研究チームが2022年6月、探査機はやぶさ2が小惑星りゅうぐうから持ち帰った砂から23種類のアミノ酸を検出したと発表。アミノ酸はタンパク質の材料で「生命の源」といわれている。
月や火星で暮らせる!?
人類が月や火星で暮らすために、「重力」を人工的に発生させ居住できる施設のアイデアを京都大学と鹿島建設が考案。具体的な構造の検討などを始めると2022年7月に発表。
宇宙に関する素朴な疑問
Q1 そもそも、宇宙人はいるの?
A
多分「いる」と思います。太陽系を含む「天の川銀河」には太陽のような星が2000億個あります。それぞれに惑星が数個ずつあると仮定すると、惑星は1兆個くらい。地球の他にも生命体が暮らせる惑星があると考える方が自然です。
Q2 どんな星に住んでいるの?
A
岩石でできた小さいサイズの惑星(地球型惑星)で、太陽のように自ら輝く星から程よい距離にあるものに生命体がいるのではないかと考えられています。現在の研究で観測された4000個の惑星のうち、条件に合う惑星はすでに20個ほど見つかっています。
Q3 どんな姿なの? やっぱりタコ形?
A
例えば、クジラ(哺乳類)と魚類は、別の種類ですが、「水中で暮らす」という条件から、形が似て進化しています。同じように、地球外生命体が別系統の生物だとしても、環境が地球と似ており、知性を持っているとすれば、人類のような姿であってもおかしくないのではないでしょうか。
Q4 宇宙人が地球にやって来る可能性は?
A
可能性は低いと思います。なぜなら太陽系に一番近い恒星(自らが輝く太陽のような星)までの距離は4光年(光の速さ=秒速30万kmで4年)です。つまり地球外生命体が地球までやって来るには、少なくとも4光年以上の距離を移動する必要があります。現代の地球の科学力では想像もつきませんし、たとえ地球より進んだ文明であってもかなり難しいと思われます。
Q5 地球にやって来た宇宙人は敵なの? 味方なの?
A
Q4で説明した通り現実的ではありませんが、もし遠い所から高度な技術で造られた乗り物に乗って地球まで来たとしたら、知的レベルや科学力が極端に高い「先輩」のような存在だと思います。地球外生命体と人類がコミュニケーションを取れたら、現在地球が抱えているあらゆる問題の解決策を教えてくれるかもしれません。
フィクションではありますが、映画「コンタクト」(1997年)や「メッセージ」(2016年)では科学者と地球外生命体とのコミュニケーションが興味深く描かれています。
Q6 科学的に、どんな方法で宇宙人を探しているの?
A
知的生命体が住んでいる惑星では、電波での交信が行われていると思われます。そこで、その惑星から地球に届く電波を電波望遠鏡でとらえるSETI(セティ)プロジェクトが進められています。
Q7 宇宙を身近に感じるにはどうすればいい?
A
地球上空400kmを秒速8kmで周回する国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」を肉眼で見ることができます。「#きぼうを見よう」のホームページでは、自分の住む場所から見える日時が紹介され画像の投稿もできます。
また、望遠鏡や双眼鏡で、月のクレーターや影を見ると宇宙を実感でき感動します。毎日同じ時間、同じ場所で見ていると太陽系の仕組みも理解できますよ。
#きぼうを見よう
宇宙を近くに感じるトピック
UFO研究会
県内外約18人が所属する「UFO研究会」というグループが熊本に存在します。歴史に興味がある人たちの集まりで、「歴史書や遺跡、石碑などを調べるうちに、日本に文明、文化をもたらした一因に地球外生命体が関係しているのではと考えるようになった」とメンバーの一人。情報収集や歴史探訪ツアーなどを予定しているそう。
阿蘇観光PR動画「阿蘇の不時着」
県観光連盟が制作した、阿蘇に不時着した宇宙人が主人公のショートムービー。ラストシーンは涙なしでは見られない感動作と話題です!
YouTubeはこちら
小惑星りゅうぐうのサンプル レプリカ全国一斉展示
2020年に小惑星探査機はやぶさ2が持ち帰ったりゅうぐうの砂のレプリカが全国の191施設で展示されています。現在、県内で見られるのは以下の2施設。