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イベント情報

今を楽しむ 未来に備える 30、40代から親子で考える セカンドライフ2023 第2回

「セカンドライフを心豊かに過ごしたい」。そんな意欲的な人たちと、その子ども世代に向けて、今を楽しむコツと未来に備える方法をテーマごとに伝えるシリーズ「セカンドライフ特集2023」。第2回は人生における第二の職業「セカンドキャリア」です。


目次

人生100年時代のセカンドキャリア

定年退職後も働く人が増える一方で、「何から準備すればいいか分からない」という声も聞こえてきます。そこでシニア世代の就労について、60歳以上の高齢者の就労等相談窓口『生涯現役プラザくまもと』(中央区南千反畑町・県総合福祉センター内)に話を聞きました。

増える70歳以上の就労相談 老後資金把握して就活を

「先の不安を感じて職を探している」「元気なうちは働きたい」と70歳以上の就労相談が増えています。熊本県の有効求人倍率は1・33倍(2023年6月)。人材は不足していますが、高齢者が積極的に雇用されるとは言い難い状況です。しかし少子高齢化を受け、高齢者の人材活用に力を入れる企業も徐々に増加しています。清掃、介護、調理など、仕事内容によっては80歳以上を受け入れるケースもあるほどです。

退職後のキャリアを考える際、まずは保険や年金の受給額を確認し、老後資金を把握することから始めましょう。その上で家族も含めて働く時間や給与の希望額など、働き方を整理してください。自身のスキルの見極め・棚卸しなども必要です。

また、今の会社で働き続けたいかを考えることも勧めています。退職後に就職活動し、慣れない環境で新しい関係性をつくるには、それなりの大変さがあります。定年後も働き続けている先輩や担当者に、詳しい話を聞いてみてはいかがでしょうか。

後回しにしがちなのが自身の健康です。働き続けるために、体の不調を早めに治療しておけばよかったという声をよく耳にします。自分を整える時間を持つことも大事な就活の一つです。

公的な機関を活用して

まだ働き方のビジョンがおぼろげなときは、行政が開催している就職説明会に参加したり、ハローワークなどの公的なサイトで求人情報を検索したりするのもいいでしょう。自分の年齢や希望の地域、保有している資格によって、どのような求人があるか、給与額がいくらなのかなど、社会の求人状況を把握できます。

当プラザでも、60歳以上の方の就労の相談を受け付けています。対話する中で、一人一人に合った就労をサポートしていきます。ぜひ気軽に利用してください。

話を聞いたのは

生涯現役プラザくまもと 事業推進員
原 直美さん

シニア世代の求人も徐々に増えてきています

お問い合わせ

生涯現役プラザくまもと

TEL096-327-8777
営業時間※月~金曜9時~12時、13時~16時(対象:県内在住の60歳以上)

高齢者就労相談窓口一覧

就労相談・マッチング

熊本高齢者無料職業紹介所 シニアジョブサポくまもと
TEL:096-353-2322
月~金曜9時~12時、13時~16時
対象:県内在住のおおむね60歳以上

熊本市シルバー人材センター
TEL:096-322-3300
月~金曜8時半~17時15分
対象:熊本市内在住の60歳以上

産業雇用安定センター熊本事務所
TEL:096-359-3526
月〜金曜9時〜17時
対象:県内在住の60〜70歳 ※離職して1年以内

ハローワーク熊本 生涯現役支援窓口
TEL:096-371-8609
月~金曜8時半~17時15分
対象:主に熊本市内在住のおおむね60歳以上

就労相談

熊本市高年齢者無料職業相談コーナー
TEL:080-9244-3715
月~金曜9時~12時、13時~15時半
対象:熊本市内在住の65歳以上

サンライフ熊本 高齢者無料おしごと相談コーナー
TEL:096-345-3511
月4回(不定)9時~12時、13時~16時
対象:熊本市内在住の65歳以上


人生における新たなステップ「セカンドキャリア」を築き始めた2人の体験談をお届けします。

75歳で就活 介助の仕事に感謝と喜び

特別養護老人ホーム輝祥苑 ヘルパー 中山てる子さん(75) 熊本市出身。高校卒業後、電設会社に36年間勤務。設計室で図面制作などを担当。退職後は実家の保育園に15年勤め、給食作りなどを担う。その後、約5年家族の介護にあたり、今年6月から現職。夫と2人暮らし。

世話好きで、じっとしていられない性格という中山てる子さん。私生活ではソフトボール公認審判員の資格を持ち、県外で審判をすることもあるそうです。

家族の介護を終え「外に羽ばたきたい」と思っていた時、ソフトボールのシルバー大会で「生涯現役プラザくまもと」のチラシを見かけ、就活を決意しました。70代を受け入れる会社はないだろうと半ば諦めていましたが、今年6月、「熊本高齢者無料職業紹介所」を介して「特別養護老人ホーム輝祥苑」(西区戸坂町)への就職が決まりました。

「職員全員、昔からの知人のように接してくれて。感謝の気持ちで働き始めはうれし泣きしながら帰っていました」と話す中山さん。現在はヘルパー2級の資格を生かし、清掃や食事の介助などに当たっています。仕事での気付きはメモを細かく取り、振り返る時間を大切にしているそうです。元気の秘訣(ひけつ)は、毎食1・5人前を食べ、体を意識して動かすこと。「70代の今、働くことができて幸せいっぱい。一日でも元気であることが目標です」と力強く話してくれました。

メモ帳には仕事内容がぎっしり。日々の気付きを記した5年分のノートも大切に取ってあります

1日のスケジュール

5:00 起床、草取り、食事の準備
6:00 朝食
7:30 出勤
8:00 食事の配膳・介助、清掃、おむつ交換など
13:00 終業
13:30 帰宅、昼食準備
14:00 昼食、休憩
16:00 夫と畑仕事
18:30 お風呂、食事の準備
19:30 夕食
21:30 就寝


プリン販売店を開業 ワクワクする日々

やまきぷりん 店主 木下 利和さん(64) 熊本市出身。高校卒業後、食品会社へ勤務し、食品の生産やその技術開発に携わる。62歳で定年退職し、再雇用される。嘱託職員として働く傍ら、今年5月に妻のみい子さん(61・写真右)とプリン専門店「やまきぷりん」をオープン。母と妻の3人暮らし。

「元気なうちは仕事をしたい」と65歳の退職を前に、新しい一歩を踏み出した木下利和さん。2年前に取得した調理師の免許と妻みい子さんの料理の腕を生かし、プリンのテイクアウト専門店「やまきぷりん」(南区田迎)を今年5月にオープンしました。

「毎日ワクワクしています」と満面の笑みで話す利和さん。こぢんまりとした店内には、プリンを製造するキッチンや冷蔵庫などが備わっています。実は利和さんがCADの講習会に参加したり、動画サイトを参考にしたりして、店を全て手作りしたそうです。貨物列車に使われていたコンテナを店舗にし、初期費用を低コストに抑えました。

現在は、「濃厚なめらかぷりん」(280円)をはじめ、旬の果物を使ったプリンなど、約10種類を販売。製造と販売はみい子さん、プリンのトッピングやラベル貼りなどを利和さんが本業の合間に担っています。

「リピート客に恵まれ、やりがいを感じています。働く年齢の上限は決めていません。これから軌道に乗せていきたい」と話す利和さんの表情はイキイキとしていました。

なめらかな食感と、生クリームやクリームチーズなどの素材にこだわったプリンは大人気

1日のスケジュール

4:00 起床、動画サイトで経営に関する情報収集
5:00 メダカのえさやり、水替え
6:00 朝食
6:30 出社
16:45 終業、やまきぷりんへ明日の準備
19:00 帰宅、お風呂、夕食
21:00 就寝

ご飯を食べながら妻と情報共有

制度改正により利便性アップ 60代からのNISA活用法

セカンドライフを迎える60代。今後を見据えて、無理のない資産形成をしていくことが大切です。来年から新しくなる「NISA」の改正内容や、60代の活用例について熊本銀行の投信コンサルタントの原田裕樹さんと井手菜渚さんに話を聞きました。

新NISAの理解深めて活用を

人生100年時代。老後の資金づくりに、60代からNISAを活用し始めるケースは少なくありません。

NISAとは、資産形成を後押しする国の少額投資非課税制度。通常、投資信託や上場株式などの配当金、売却益には、20・315%の税金がかかります。しかしNISA口座であれば、一定の投資金額の枠内で非課税となります。また、来年1月からの新NISAは「令和5年度税制改正」により、年間投資枠の拡大、非課税保有期間の無期限化など(下表)、現行制度と比べて利便性が大きく向上します。

資産形成は早くから取り組むことで運用効果が期待できますが、60代からNISAを始めても遅いことはありません。新制度になる機会に理解を深め、活用を検討してみませんか。

教えてくれたのは

熊本銀行 投信コンサルタント 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
原田 裕樹さん 井手 菜渚さん

資産状況によってNISAの運用方法はさまざま。気軽にお尋ねください


[Q1]現行と新制度の違いは

現行と新制度の違いについて4つのポイントがあります。(1)制度実施期間と非課税保有期間の恒久化・無期限化(2)現行制度の一本化が図られ、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能に(3)2つの投資枠の年間非課税投資枠上限額の引き上げ、さらに(4)非課税保有限度額の範囲内で売却した分は再投資が可能―となります。このように、新制度はいつでも始めることができ、ライフプランに合わせた多様な使い方ができるようになります。


[Q2]新NISAが始まるまで口座開設は待つべき?

2023年末までに現行NISAを開設している場合、24年から同じ金融機関で新NISAの口座が自動的に開設されます。さらに現行NISAと新NISAは別枠となっていますので、年内に現行NISAで投資を始めれば、その分非課税投資枠を最大限に利用でき、新制度もスムーズにスタートできるのでお勧めです。なお、NISA口座は全ての金融機関を通じて、1人1口座の開設となります。


[Q3]60代の活用例は

NISAは年齢制限がないので、ニーズに応じた積み立てが可能です。ここでは、「退職金を活用して年金生活までの資産形成をしたい」という60歳女性のケースを紹介します。

非課税保有限度額の1800万円まで運用する場合、購入タイミングを5年間に分散させることができます。分散させると、高値で一度に買ってしまうリスクを避けるメリットがあります。

運用例

まとまった退職金を月30万円ずつ分けて運用します。内訳は「つみたて投資枠」で月10万円、「成長投資枠」で月20万円。1年間で新制度の年間投資枠である360万円、5年間で1800万円という計算になります。

上限まで投資した後、売却せずに運用益が増えて1800万円を超えても課税はされません。

この他にも、当行ではニーズに合わせた活用方法を提案しています。ぜひ気軽にお問い合わせください。

「退職金をうまく活用して、年金生活までの資産形成をしたい」(60代・女性)の場合


セミナー情報

【オンライン】マネーセミナー「NISAではじめる“お金の育て方”」

10月7日(土)10:00~10:45
定員/500人
参加/無料
主催/熊本銀行

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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この記事を書いた人

熊本市を中心に31万部戸別配布のフリーペーパー「くまにち すぱいす」がお届けする、熊本の暮らしに役立つ生活情報サイトです。

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