多様な個性がコラボ ハートに響くモノづくり 2023年12月3日〜9日 障害者週間
カラフルな色使いの雑貨や素朴な味わいのお菓子…。心引かれる商品には、障がいのある人たちの発想や技術が生かされていることがあります。12月3日~9日は「障害者週間」。多様な個性を持つ人たちが協力して作り上げたハートに響く逸品を、皆さんも手に取ってみませんか。
[Pick up!]ハートに響く逸品たち
県内の福祉施設や企業で生まれる魅力的な商品をピックアップ。
モノづくりの裏側には、障がい者や施設、商品開発のプロらの創造と工夫がありました。
福祉施設と外部が連携 新たな魅力に
障がい者の就労支援に取り組む「KP5000」。代表の原田文子さんは、活動を始めた10年ほど前を振り返り、「障がいのある人や福祉施設は、外とつながることや発信することに苦手意識を持つことが多かった」と語ります。
しかし今は、専門的な技術を持つ人や団体と積極的に関わり、意見を取り入れているそうです。「それぞれが気付いていない能力や魅力を引き出し合って、新たな価値のある商品が生み出されています」
第二城南学園
モノづくりのプロが助言 食材にこだわったクラッカー完成
熊本の伝統食、焼き米を使ったクラッカー「soboku」。米袋をイメージしたパッケージに白い米のスタンプが押されたシンプルなデザインが目を引きます。南区城南町の福祉施設「第二城南学園」が3年をかけて、今年10月に商品化しました。
「試作品はできても、その先に進めずにいた」と主任栄養士の森本敦子さん。そんな時、プロのデザイナーやカメラマン、コーディネーターらと一緒に商品開発ができる県の補助事業を知り、エントリーしてみたそうです。話し合いを重ね、最終的には食品プランナーやオリジナルスパイスを提供してくれるカレー店なども加わって商品を完成させました。
材料には九州産の小麦粉、天草産の塩、菜種油にきび砂糖と、体に優しい素材を使用。「プロの発想は驚きの連続で、私たち自身の強みに気付く機会にもなりました。今後は施設で栽培している野菜を使った商品づくりにも挑戦したい」と夢を描きます。
第二城南学園
住所 | 熊本市南区城南町藤山1263 |
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TEL | 0964-28-8144 |
HP | https://www.keishinkai-jyounan.or.jp/ |
備考 | 第二城南学園で販売(要予約)。今後は城南地域物産館「火の君マルシェ」などでも販売予定。詳細はフェイスブック「NPO法人クローバーアート」で検索を |
ハッピーエコワーク
「絵を描くのが好き」「和裁が得意」個性を生かした愛らしい雑貨
これからの季節に役立つリストウォーマーや愛らしい北欧調デザインのブローチのほか、布雑貨などを製作する南区富合町の就労支援事業所「ハッピーエコワーク」。これらの商品を昭和レトロショップ「すずらん堂」のオンラインショップで、「Hapi hapi~hand- made」の名称で委託販売しています。
「和裁の技術のある人、絵を描くのが好きな人、造形が得意な人など、それぞれの特技を生かし分担制で制作しています」と語る代表の村本信之さん。最近は外部作家のアドバイスを取り入れ、色調に流行を取り入れるなど商品の質向上にも力を入れます。
「商品の良さを気に入って購入してもらうことが、作り手のモチベーションアップにつながっています」
ハッピーエコワーク
住所 | 熊本市南区富合町杉島983‐1 |
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TEL | 096-200-3141 |
購入はこちらのサイトから | https://suzurandou.ocnk.net/product-list/67 |
W/(ウィズ)
障がい者アートを入り口に誕生 鮮やかなTシャツ&アロハシャツ
障がいの有無や年齢、性別にとらわれず、才能あふれるアーティストの作品を服作りに生かすアパレルブランド「w/(ウィズ)」。運営するYDS代表の西川佳江さんは、4年前に大病を患い、「人生を考えるために出た旅で障がい者アートに触れ、心が高鳴った」ときっかけを振り返ります。
病気を克服し、「人のために自分ができることは何か」と考えていた時、芸術教育を受けていない障がい者や子どもたちが創作したアールブリュットの展覧会で、県内在住の高機能自閉症の松本寛庸さんのアートに出合ったそうです。
息をのむような作品を前に、「この絵を埋もれさせたくない。命を吹き込みたい」と、絵を活用したTシャツやアロハシャツの制作に着手しました。
「入り口は障がい者アートでしたが、作品の素晴らしさは障がいとは何ら関係ない、と実感しています。今後も出合いを楽しみに、服作りを続けていきます」
お問い合わせ
W/(ウィズ)
熊本市東区新外3‐9‐83‐101
Instagram with__official
商品に関するお問い合わせはInstagramのメッセージから
みふねデコボコ会
天然酵母の「でこぼこぱん」 安定の品質で地域に根付く
国産小麦粉と天然酵母を使った「でこぼこぱん」は、御船町で障がい者就労施設を運営するNPO法人「みふねデコボコ会」が商品化している優しい味わいのパンです。
「素材の味を大切にしたいため、余計なものは一切使っていないのですよ」と管理責任者の栗原秀子さん。手作りの味が地域に根付き、焼き上がりを心待ちするファンも多いといいます。
「でこぼこぱん」作りに欠かせないのが、材料や焼き時間をきっちり計ること。これを施設利用者が主に担当しています。
一番人気は「高級食パン」。ふわふわの生地を頬張ると、小麦の香りが口いっぱいに広がります。モチモチの「ポンデケージョ」も、施設利用者が生地の形成から焼きまで全作業工程を担当するお薦め商品です。
パンは注文販売、施設でのお渡し。吉無田高原の「道の駅」では限定商品「抹茶生食パン」(1.5斤、1300円)なども販売
みふねデコボコ会
住所 | 上益城郡御船町高木4494‐46 |
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TEL | 096-282-4180 |
mifune_dekoboko |
まだまだあるよ! 気になる逸品
[SHOP]アート系クラフトの小さなお店 UMU
県内外の障がい者施設や個人の作品を常設展示、販売しているセレクトショップです。雑貨やアクセサリー、木工、ガラス製品など100点以上を取り扱っており、クヌギの葉を使った動物の創作オブジェや箸置きなど、プレゼントに最適な小物も。訪れた人が気軽に交流できるよう、テーブルも置かれています。
アート系クラフトの小さなお店 UMU
住所 | 熊本市中央区南坪井町1‐17 |
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TEL | 096-221-9326 |
営業時間 | 12時~19時 |
休業日 | 火・水曜 |
HP | http://umu2014.com |
[ECサイト]しふく百貨店
「KP5000」が運営しているオンラインショップ。県内の福祉施設で作られた商品を販売しています。県産野菜やコーヒーなど、厳選された逸品をチェックして。
購入はこちらのサイトから
https://shifukuhyakkaten.stores.jp/
[イベント]出かけてみよう!おとなりマルシェ
日時/12月22日(金)10時~16時
場所/びぷれす広場(中央区上通町2‐2)
熊本市内の障がい者就労施設利用者が作った商品が並びます。季節の野菜やクッキー焼き菓子、パン、コーヒーなどの食品もたくさん。お気に入りの品を見つけてくださいね。
熊本市障がい福祉課
TEL | 096-361-2519 |
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