「いいタイミング」…一概には言えない 資金使途や投資目的に立ち返り判断を【知りたい!お金の話】

【今回のスタディー】投資信託の売り時は?
近年、投資が随分身近になっています。日本証券業協会によると、今年3月末時点のNISAの口座数は、全金融機関で2647万口座。制度が始まった2014年末時点の825万口座と比べると、実に3.2倍にまで増えています。
投資人口の広がりに伴い、投資に関するご質問を受ける機会も格段に増えています。少し前までは「投資の始め方」に関するテーマが大多数でしたが、ここに来て「利益が出ているところでボチボチ売った方がいいのか?」といった〝出口〟に関するお尋ねも頂くようになりました。
これについて、ひとまずの答えは「一概には言えない」でしょうか。仮に利益が出ているところで売却したとして、その先で〝〇〇ショック〟のようなことが起これば、「いいタイミングで売ってよかった」となるでしょうし、順調に値上がりしたなら「持っておけばよかった」となるでしょう。いずれにせよ「下がるに賭けるか?」「上がるに賭けるか?」という発想ですよね。もちろん、それも一つの方法で否定はしませんが、であればなおさら、どちらに賭けるかご自身の判断で決めていただくしかありません。ライフプランニングの観点からは、資金使途や投資の目的に立ち返っていただくことを繰り返しお伝えするのみです。
その資金は、いつ頃、何のために使うものか? 「子どもの大学進学資金」なら、何年後に必要になるか明確ですね。また「老後資金」は、年齢が若いほど時間をかけて育てられますね。そして、いまや「人生100年」と言われる時代、年金受給を控えた50~60代の方だって、30年以上も後にしか使わない資金があるはずです。
短期的な相場の上げ下げに惑わされず落ち着いて投資を続けるコツは、あらかじめ出口のルールをつくっておくことです。そうすれば、おのずと適切な投資手段も見えてくるでしょう。ここでも、ライフプランがスタートラインとなりそうです。


NISAの「N」は何を指す?
NISA制度がわが国に導入されて11年半。特に2024年の新NISA開始以降はかなり浸透している印象で、最近は「何それ?初めて聞いた」といった反応は、ほぼ見られなくなりました。
ところで、NISAの頭文字の「N」が何を指しているのかご存じでしょうか? これについては意外と知られていないようです。
NISAの正式名称は「少額投資非課税制度」。個人の資産形成を後押しするために作られた英国のISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をお手本としており、「日本版ISA」が語源です。つまり、NISAの「N」はNIPPONのNだったんですね。ほんの豆知識でした。
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