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夏休みの自由研究にもおすすめ!熊本博物館の透明標本展で生命の神秘に触れてきた【し~ずのいいね!】

「し~ずのいいね!」では、すぱいすライター「すぱいし~ず」が、気になるショップやグッズなどを紹介しています。

こんにちは! 夏休みの宿題は自由研究ですら最終日に仕上げていた、すぱいし~ずの莉です。

夏は川遊びなど、生き物に触れる機会が多い季節。
今年の夏は、もう少し踏み込んで生命の神秘を感じてみませんか?

熊本博物館で9月3日(日)まで開催中の「特別展 冨田伊織「新世界『透明標本』展」へ行ってきました!

透明標本…?なんて聞きなれない言葉ですが、これがとっても美しいんです。
一度見たら、きっと透明標本の世界にハマってしまいますよ~!

今回は、透明標本作家の冨田伊織さんにお話を伺いながら展示を回りました!

▲透明標本作家・冨田伊織さん(右)とすぱいし~ず・莉(左)

冨田さんは透明標本作家歴15年!

北里大学水産学部水産生物科学科卒で、在学中に、研究用の透明骨格標本に「生き物ってこんな形なんだ!」と衝撃を受けたそう。

当時は研究用以外に透明標本を作っている人はほとんどおらず「それならば自分でより美しい透明標本作品を作ろう」と独学で制作を開始。今や国内ではもちろん、パリや台湾などでも個展を開くほど注目されているアーティストなんですよ。

今回の展示では約500点の作品が飾られています。

目次

【1】「透明標本って何?」から知りたいなら学術コーナーへ!

まず、透明標本作品がどういうものかというと…。
こんな感じ。

標本なのに美し過ぎませんか??

透明標本展では展示室が3つに分かれており、それぞれ展示の仕方ががらっと違います。
順路はなく、好きなところから見てOK!

透明標本が何のために、どうやって作られたのかなどを知りたくなった方は、「学術コーナー」から見てみるのがおすすめです。

透明標本についてのパネルや作業スペースの再現も!

「学術コーナー」では、透明標本が何に使われているのか、作品がどうやって作られているのかなど、詳しく説明されています。
パネルや染色液の展示のほか、動画など、時間をかけてじっくり見たくなる内容ですよ!

ちなみに、透明標本とは、水産学研究などの分野で幅広く活用されている、小型生物の骨格を研究するための技法です。

透明標本の特徴

(1)肉質を除去することなく骨格を見ることができる。
(2)硬骨の成分が赤紫色に染色されている。
(3)軟骨の成分が青色に染色されている。

「研究用の標本は数日で制作するものもありますが、僕はメダカほどのサイズでも半年ほど、大きなものは1年以上かけて作成します」と冨田さん。
小さなウロコまで取り除くことで、より肉質の透明感が上がり、骨がきれいに見えるのだそう。

「学術コーナー」には、冨田さんの作業スペースが再現された机もありますよ。
小さなウロコはピンセットで取っていました。まさに職人技!

特別に透明標本作品を持ち上げてもらいました。
プルプルで、意外としっかりしています…!
そしてすごい透明感。うっとりしてしまいます。

通常は持ち上げることはできないので、眺めて楽しんでくださいね。

冨田さんおすすめの透明標本作品

冨田さんに特にお気に入りの作品を聞くと、カエルアンコウのスペースに案内されました。
よくよく見てみると…おなかに何かいる!?

実は捕食した小魚が入っているのだとか。

「生き物の生きざまが見える透明標本作品が好きです!たまに捕食した魚がおなかに入っていたりすると、うれしくなりますね」と冨田さん。
透明標本作品の形も、まるで生きているかのような躍動感を感じられるよう、ヒレの角度や見せ方にこだわっているそうです。

熊本ではおなじみの魚も!

熊本博物館での展示のために制作した、有明海に生息しているトビハゼとムツゴロウの透明標本作品も展示されていました!
身近な生き物の骨格がどうなっているか観察できるなんて、不思議な気持ちです。

実は透明標本作品は作ったものの、自然で生きている様子を見たことがないという冨田さん。
「熊本にいる間に有明海に行って、生きている様子を見たいんです!」とウキウキされていました。

動かずにじっくり観察させてくれるのは、透明標本作品ならではの魅力。
生きていたらどんな風に動いたのかな、どんな生態なのかな、と考えながら観察すると、より楽しめそうですね!

ちなみに、「人間は透明標本にできるの?」など、冨田さんがよくされる質問をまとめたコーナーもあるので、そちらも要チェック!
子どもも大人も、意外と疑問に思う内容は似ているそうですよ。

【2】透明標本の美しさをより視覚的に楽しめるコーナー

芸術作品として高い評価を受けている冨田さんの透明標本作品。
こちらの展示室では、よりその美しさを楽しめますよ。

3面スクリーンと透明標本作品のコラボレーション!

照明を落とした室内に入ると、まず大きな3面スクリーンが目に入ります。
透明標本の写真作品が大きく映し出されており、迫力満点です…!

こんなに大きいと、透明標本作品になっているのもあって、まるで別の生き物に見えてきます。

さらに、下からライトアップされたケースの中には、透明標本作品がずらり。
ケースごとに、水の生き物、陸の生き物、魚たちの群れなど、テーマを決めて展示されているそう。

上から、横から…と、さまざまな角度から眺めることができます。
魚の顔を正面からじっくり見たのなんて初めてかも。かわいい!

「生きている姿は美しいですが、隠れている骨格や、実際は動いてしまってよく見えない部分など、透明標本作品ならじっくり観察できるので、それぞれの感性で楽しんで見てほしい」と冨田さん。

【3】音楽とのコラボレーション!? 幻想的な透明標本作品の世界

次の展示室からは、音楽が聞こえてきます。
これは一体?

わくわくしながら中に入ってみると…。

まるでイルミネーションのような展示が!?

音楽に合わせて、カラフルな光が透明標本作品を照らし、幻想的な雰囲気を演出しています。

冨田さんが出会った照明の会社「宮地電機」とのコラボレーションで実現したという展示。
「光や音楽と共に、神秘的で幻想的な世界を表現したい」というイメージのもと協力して形にしたそうで、まさにその通りの美しい空間ですね!

透明標本作品の周りには椅子が設置されていて、座って間近で観察することができます。

物販コーナーやイラストコーナーにも注目を

今回の透明標本展に来る前に、実は気になっていることがありました。
「透明標本作品のグッズ販売とかあるのかな?」と。

そわそわしながら見てみると、たくさん置いてありました♪
しかも、本物の透明標本作品も売ってあります!

実はこちらは全て冨田さんが作成した作品たち。そしてグッズも全て冨田さんが自らデザインしたものなんです!

アクリルマスコット(透明標本作品のレプリカ)のカプセルトイも気になります…!

透明標本作品を見るだけでなく、スケッチしてみよう!

会期中、「くまはく透明標本スケッチ大会」も開催中!

透明標本作品を見ながらスケッチできるスペースがあり、描いたイラストは会場のモニターなどで紹介されるかも♪

さらに、最優秀賞を受賞した方には、本物の透明標本作品がプレゼントされるそうですよ。
ぜひ参加してみてくださいね~!

「ミュージアムキャラクターアワード2023」にしゃちべえが出場!

博物館のキャラクター日本一を決めるWEB投票大会「ミュージアムキャラクターアワード2023」に、熊本博物館のイメージキャラクター「しゃちべえ」が出場しています!
今年は「透明標本展」に合わせて、透明標本バージョンの絵柄でエントリー。しっぽが透明標本になっていてかわいいですね♪

7月25日(火)12時~9月7日(木)12時の期間中、1日1回まで毎日投票できます。
みんなでしゃちべえを応援しましょう!

まとめ:子どもから大人まで楽しめる「透明標本展」 自由研究にもぴったり!

生き物をさまざまな角度から観察できる「透明標本展」。
魚の他にも鳥やネズミの透明標本作品があると知って、行く前は少し怖いかもと思っていましたが、実際に見てみるととてもきれいで、透明標本作品を家に買って帰りたくなりました!

ぜひ皆さんも、会場を2周、3周と何度も回りながら、生命の神秘に触れてみてください。
自由研究にもぴったりの展示なので、親子で見に行くのもおすすめ!

私ももう1度じっくり見に行ってみようと思います♪

9月3日(日)までの開催なので、ぜひ足を運んでみてくださいね~。

熊本博物館(透明標本展)

住所中央区古京町3-2 特別展示室1・2・3
TEL096-324-3500
営業時間9時~17時(最終入場は16時30分まで) ※7月29日(土)、8月19日(土)は熊本城夜間開園に合わせて21時まで開館延長(最終入場は20時30分まで)
休業日月曜※8月14日(月)は開館
会期2023年7月15日(土)~9月3日(日)

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記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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この記事を書いた人

甘いものとげっ歯類を愛する20代後半ライター。
食事をパフェやケーキで済ませることもしばしば。多分色んな栄養が足りていない。ペットのデグー(ネズミ)で心の栄養は満タン。

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