くしゃみやせきなどによる尿失禁 一人で悩まず専門医へ相談を【メディカル百科】
目次
泌尿器科編
人にはなかなか相談しづらい「尿もれ」などの排尿に関する悩み。加齢とともに増加する疾患の一つですが、治療で改善が期待できるケースも。専門医に詳しく聞きました。
─年齢を重ねるとともに排尿に関する悩みを抱える人が多くなるとか。
加齢などによって骨盤内臓器を支える筋力が低下し、くしゃみをした時などにおなかに圧がかかって失禁する症状を「腹圧性尿失禁」といいます。また膀胱(ぼうこう)が過敏になり急に強い尿意と共に起こる「切迫性尿失禁(過活動膀胱)」や「腹圧性」「切迫性」の両方の症状がある「混合性尿失禁」も女性の発症率は少なくありません。排尿の悩みは周囲に相談しづらく、他の理由で受診された際に「排尿のことで困っています」と相談を受けるケースもあります。
─受診の目安や診断の方法は。
排尿のことを気にして外出もままならないなど、日常生活に支障があるようでしたら受診されてください。まず問診で症状や病歴を伺い、尿検査、超音波検査(残尿測定)などを行います。「症状スコア」を記入いただくことで、どれだけお困りかを評価可能です。「腹圧性」の場合、決まった動作を行った際に発生する尿失禁量を調べるパッドテストやレントゲン検査を行うこともあります。
─治療法は。
「腹圧性」の場合、骨盤底筋体操や薬が有効なケースがあります。重症の場合は尿道をサポートするような手術もあります。その他の尿失禁として、膀胱にたまり過ぎた尿があふれる「溢流(いつりゅう)性」、運動身体機能低下で起こる「機能性」尿失禁もありますので、気になる尿失禁がある方は、ためらわず気軽に専門医へ相談してください。
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