定番からレア物まで!台湾人イチ押しお土産【台湾ってこんなトコVol.20】

この記事を書いたのは


NNA台湾記者・山田愛実
アジアの経済情報を配信するNNAの台湾編集部員。台湾の屋台グルメが好きで、週末は市場や夜市によく出かけています。特に好きなのは豆腐を発酵させて作る「臭豆腐」。独特なにおいがしますが、意外と食べやすいので台湾に来たらぜひチャレンジしてみてください。
台湾人が愛する台湾のお土産を聞きました
台湾旅行をするとなったら気になるのがお土産情報! パイナップルケーキは有名ですが、ほかにどんな物があるかご存じでしょうか。今回は複数の台湾人に、それぞれが愛する食品関連の台湾土産を聞いてみました。みんなのエピソードとともに、気軽に買える定番から日本ではあまり知られていないレアアイテムまで、多様な台湾土産をご紹介します。※価格は購入時のものになります


個包装でなくてもOK!台湾のお土産習慣
台湾でもどこかに出かけたら職場や友人にお土産を渡すことがあります。中でも職場へのお土産は食べ物を渡すのが一般的で、職場によって一人一人に配ったり、特定の場所に置いて各自取ってもらったりするようです。ただ、気が向いたら買ってくるくらいの気軽なもので、さらに日本と違って個包装かどうかはあまり気にされません。台北市内の動物病院で働く獣医師の30代女性、イーシェンさんも台南市で買った個包装でないポークジャーキーを先日職場で配ったと教えてくれました。
スーパー・コンビニで買えるお土産
今回多くの台湾人が勧めてくれたのは、スーパーやコンビニでも買えるお菓子。
そこで、日本人旅行者にも人気の大型量販店、台湾家楽福(台湾カルフール)の重慶店(台北市)にやって来ました。2階のお菓子売り場に行くと、複数の日本人グループがまさにお土産を選んでいるところでした。


ばらまきに便利な小分けお菓子
台湾人の人気が高かったもののうち、ラーメンスナックの「科学麺(クーシュエミェン)」、ウエハース菓子の「新貴派(シングイパイ)」、シュークリーム風菓子の「義美小泡芙(イーメイシャオパオフー)」はスーパーに個包装のものが売られていました。科学麺は20個入り55元、新貴派は9個入り60元、義美小泡芙は7個入り129元でした。
ワーキングホリデーで日本に滞在し、その後何度も日本に訪れるようになったというアーシャンさん(30代男性)が「子どもの頃から大好きで、母親が買ってくると他のお菓子よりうれしかった」と言うように、昔から親しんだ味としてこれらを挙げる人が多かったです。
科学麺はオニオンパウダーやショウガパウダーが含まれているそう。パンチがあって癖になる味付けでした。新貴派はピーナツクリームを挟んだウエハースにチョコレートがかけてあり、しっかり甘く、コーヒーと良く合いそうです。義美小泡芙はミルク味を購入。サクサクした生地の中にミルククリームのペーストが入っていて口当たりが軽く素朴な味わいです。


クセ強スナックと軽~いビスケット
個包装ではないけれど人気が高かったのは、スナック菓子ではコンビニでもよく見かけるコーンスナックの「乖乖(グアイグアイ)」、ポテトチップ「波的多(ポォディドゥ)」のカキオムレツ味、パスタのような形状のエンドウ豆スナック「可楽果(カーラーグオ)」。中でも波的多のカキオムレツ味は台湾人にとってはなくてはならない存在のようで、私も日本に住んでいる台湾人に買ってくるよう頼まれたことがあります。


乖乖は「五香(ウーシャン)味」を購入しました。丸っこい形の空気を含んだスナックで、口に入れるとシュワッと溶けるような食感。干しエビが使われており、海鮮の風味がとても強いです。波的多はスパイスがたっぷり使われていて、台湾名物のカキオムレツのタレの風味を感じます。可楽果は辛口の「酷辣(クーラー)味」で、堅いザクザクとした食感です。いずれも濃厚でちょっとクセがあるため、「台湾ビール」とも最高の相性でした。




またビスケット「孔雀餅乾(コンチュエビンガン)」も猛烈に勧められました。「よくある普通のビスケットでしょう?それに、口の中が乾きそう…」とあまり期待していなかったのですが、食べてみると見た目に反してすごく軽い食感で、もう1枚もう1枚と止まらなくなってしまいました。
ティーバッグ式ミルクティー


保険会社で働く30代女性の何さんのイチ押しは台湾ブランドのティーバッグ式ミルクティー「3點1刻(點は点の繁体字、サンディエンイークー)」。ティーバッグの中に茶葉、砂糖、ミルクが入っているので、お湯を注ぐだけで甘口のミルクティーが作れるというもの。何さんによると、中学の時に友達がすすめてくれてからハマり、友達と遊ぶ時や放課後の自習の時に飲んだ思い出の味だそう。台湾にはミルクティーなどのドリンクスタンドが豊富にありますが、昔は甘さなどの加減が細かくできなかったそうで、「ティーバッグだから自分で濃さを調整できるところも気に入っていた」といいます。粉ではなく形のある茶葉が入っているので香りも良いそう。
今回購入したのは、3點1刻の「日月潭ミルクティー」味。スーパーで大袋が売られており、15個入りで135元でした。紅茶の名産地である南投県日月潭の紅茶を使用しているそうです。ティーバッグを開いてみると縮れた乾燥茶葉、ミルクパウダー、砂糖が出てきました。ティーバッグだから普段茶葉のお茶を飲む習慣がない人にも気軽で良さそうです。ミルクティー好きの日本の友人へのお土産にいいかも、なんて思いました。


調味料・食事系お土産
南部のソウルフード、鍋焼意麺


海外で暮らしたことのある台湾人の多くが、調味料などのお土産を勧めてくれました。中でもアーシャンさんのイチ押しは台湾南部の名物、「鍋焼意麺(グオシャオイーミェン)」の粉末スープ付きインスタント麺。魚介のタレ「沙茶醤(サーチャージャン)」を入れて食べるとさらに本格的な味が楽しめるそうで、どちらもスーパーで手に入るとのことです。鍋焼意麺は揚げ麺を鍋焼きうどんのように調理する料理で、私も大好物なのですがインスタント麺として売られているのは知りませんでした。
購入したのは「上智鍋焼意麺 海鮮風味」で4個入り89元。沙茶醤は53元でした。鍋焼意麺はパッケージの表記によると、550ccの水を鍋に入れ沸騰したら麺と付属の粉末スープを入れ、混ぜながら約1分煮込んだら完成です。カップラーメンのように器に入れてお湯をかけて3分でもOK。アーシャンさんは好みの葉物野菜や卵を先に茹でて、麺は最後に入れる作り方を勧めてくれました。完成したら沙茶醤をトッピング。そのままでも海鮮だしが香るあっさり目のスープがとてもおいしかったですが、沙茶醤を入れるとさらにコクが出ました。


台湾人ママが紹介!日本でも作れる滷味


アーシャンさんは日本に台湾グルメ「滷味(ルーウェイ)」が作れる調味料パックを持って行き、現地で調理して友人に振る舞ったことがあるそう。滷味は醤油や八角などのスパイスを煮込んだ独自の味で、豚肉を煮込めば「魯肉飯(ルーローファン)」の肉(魯肉)になります。日本の自宅でも魯肉飯を作りたい方にはおすすめです。調味料パックは「小磨坊 経典滷味包」(49元)を購入。せっかくなので慣れた人に調理してもらおうと思い、台湾人の知人のお母さんにお願いしてみました。台北市で暮らす葉さんは夫と共働きで2人の娘を育て上げたベテランママ。滷味に加え、台湾東部の名物である唐辛子の漬物「剥皮辣椒(ボーピーラージャオ)」を使った鶏スープも作っていただきました。


葉さんが使う豚肉は皮付き豚ばら肉とヒレ肉の2種類。たっぷりのニンニクとショウガをフライパンで炒めて焦げ目を付けたら豚肉を投入。豚肉にも焦げ目が付いたら鍋に移し、とろみ醤油と水を入れ、さらにコーラ(砂糖でも可)を加えたら火にかけます。沸騰したら料理酒をまわし入れ、弱火で5分ほど煮込んだら調味料パックを投入。10秒ほどで調味料パックを取り出し、さらに40分ほど煮込めば完成です。思いのほかシンプルでした。
葉さんによると、調味料パックを取り出すまでの時間は八角が得意な方は長めに、苦手な方は短めにしてくださいとのこと。また肉は煮込めば煮込むほど軟らかくなるそうです。


さらに鶏もも肉とショウガを鍋に入れ、肉が全てかぶるくらいの水で煮込んだだけのスープに、剥皮辣椒を8本と、瓶の汁を100ccほど加えて軽く煮たら剥皮辣椒入りの鶏スープ「剥皮辣椒鶏湯(ボーピーラージャオジータン)」も完成しました。こちらは滷味よりもさらに簡単! 剥皮辣椒もスーパーで入手できるので、日本に持って帰って作ることができます。


百貨店や専門店で買えるお土産
変わり種のエッグロールと緑豆糕


東京でウェブデザイナーとして働く30代女性のウーさん。グルメに詳しく、過去にも個人的に日本や台湾のおいしいお土産をたくさん教えてもらったことがあるのですが、改めて自身のお気に入りを聞くと、「青鳥旅行」のエッグロール、「蛋捲(ダンジュエン)」と「台北犁記(タイペイリージー)」の緑豆糕(リュードウガオ)を教えてくれました。どちらも台湾の定番のお菓子だけど、変わったフレーバーをそろえているんだとか。
青鳥旅行の蛋捲は「ダークチョコレート」「阿里山ウーロン茶チョコレート」「抹茶チョコレート」「鉄観音チョコレート」の4種類の計12個入り580元のものを購入しました。何層にも重なった薄い生地のホロホロとした食感に、甘さ控えめのチョコレートが相性抜群。軽いけど満足感が高く、特別な贈り物に良さそうです。
緑豆糕は緑豆のペーストを固めた台湾の伝統菓子。台北犁記の緑豆糕はしっとりしたなめらかな食感で、あんこを使った和菓子にも似ていますが、もう少しさっぱりしている印象です。生菓子のため賞味期限が常温3日、冷蔵10日と短めなので、購入するタイミングや滞在中の管理に注意が必要ですが、ウーさんが「個人的にとってもおすすめ。機会があればぜひ食べて欲しい」と強く勧めてくれたのにも納得です。値段は1個45元でした。
ちなみに青鳥旅行は台北MRT中山駅そばの「新光三越台北南西店」や、桃園国際空港の第1ターミナルに店舗があります。台北犁記は台北MRT松江南京駅から徒歩10分の場所に位置。パイナップルケーキなどの他のお菓子も充実しているので、お土産のまとめ買いのために訪れても良さそうです。


知る人ぞ知る!レア土産
ここからは、日本人はもちろんのこと台湾人にもあまり知られていないけれど、少し入手が困難なお土産を紹介します。近くを訪れる予定がある、代わりに購入してくれる知り合いが現地にいるなどの場合はぜひゲットしてみてください。
嘉義県名物のソフトキャンディー


龍山寺そばの夜市の中ほどに位置する屋台で購入できました(NNA撮影)
イーシェンさん(30代)が勧めるのは嘉義県新港の名物で、麦芽糖で作るソフトキャンディー「新港飴(シンガンイー)」。家族で新港の道教の神をまつる廟(びょう)を訪れる際に必ず買っていたという思い出の味で、「お母さんも、おじいちゃんも大好き。今も嘉義県に行くたびに毎回大量に買い込んでいる」そうです。台北では艋舺(もうこう)夜市などで購入可能です。小パック50元、大パック100元で、小パックを購入しました。味は「花生(ピーナッツ)」と「草苺(イチゴ)」、「梅子(ウメ)」があり、1種類または3種類までのミックスが選択可能でした。
食べてみると、キャラメルやヌガーのようなグニグニとした食感で、かむたびに優しい甘味が口いっぱいに広がります。地味だけど、くせになるかも。中でもピーナッツ味は練り込まれたピーナッツの食感が楽しい上、より甘味が自然で日本人好みではないかと感じました。


やみつきトウモロコシスナック


最後に同僚の30代女性、サイプレスさんが勧めてくれたのは雲林県の台西郷農会(農協に相当)が手がけるトウモロコシスナック「烤玉米(カオユーミー)」。台湾では少し前にSNSで話題になっていたそうで、雲林に住むおばあさんが昔、トウモロコシ農家だったこともあり興味を持ったとか。


烤玉米を購入するには、台西郷などに買いに行くか、ECショップで注文する必要があります。今回はECショップで10袋入り140元のものを購入しました。炭火焼きトウモロコシをイメージしたそうで、とても香ばしく、サイプレスさんの言うとおり「つい一袋、また一袋と手が伸びてしまう」おいしさ。じわじわと人気が広がっているので、いつか台北でも販売されることを願うばかりです。
台湾でお気に入りのお土産を見つけよう
いかがでしたでしょうか。今回、数々のお土産を試したことで私自身も新たなお気に入りに出会うことができました。中でも孔雀餅乾、鍋焼意麺、烤玉米は個人的に大ヒットで、現在は自宅に常備しているほど。日本帰国時のお土産としても活用する予定です。
皆さんもこの中から気になるものがあれば、台湾を訪れた際にぜひ試してお気に入りを見つけてみてください!



























