お口は体の”入り口” 〜正しく磨いて歯も体も健康に〜

6月4日~10日は「歯と口の健康週間」。歯を使ってしっかりと「かむ」ことは、おいしく食べて体を健康に保つためにも重要です。最近、むし歯や歯周病は、全身にさまざまな影響を及ぼすことが分かってきました。“正しい磨き方”を専門家に聞きました。

磨いているつもりが磨けていない!? アイテムを上手に使って丁寧に

「歯磨きをしていますか?」と尋ねると、大半の方は「しています」と答えると思います。ただ、本当に歯垢を落とせているのでしょうか?

朝晩、毎食後など、磨く回数を増やすことも大切ですが、重要なのは「1回の歯磨きの質を上げること」。人によって歯並びや歯茎の状態は違うので、自分に合った最適の磨き方で歯垢をしっかり落としていきましょう。

そのために、歯ブラシの種類(手磨き用、電動・音波など)や形状がさまざまな上、ポイントブラシや歯間ブラシなどのアイテムも充実しています。定期的な歯科検診の際、自分に合った歯ブラシの選び方やアイテムの正しい使い方などを尋ねてみましょう。上手に組み合わせて磨くと、むし歯や歯周病の原因となる歯垢を、より効果的に除去することができます。

話を聞いたのは

熊本県歯科医師会 口腔保健センター 主任歯科衛生士
日永 智子さん

●口腔保健センターでは、障がいのある方の治療や、歯や口の健康相談を受け付けています。
TEL:096(343)4382

日永 智子さん


ブラッシングでむし歯&歯周病を予防!

[Point 1]当て方

歯ブラシは歯の表面に常に90度に当てます(歯の表面は丸みがあるので、それに合わせて角度を調整しましょう)。歯と歯茎の間には毛先を45度の角度で当て、小刻みに動かします。

歯ブラシは歯の表面に常に90度に当てます

[Point 2]動かし方

3~5mm幅で歯ブラシを小刻みに動かしながら、1カ所を15~20回ほど磨きます。また、磨き忘れがないよう、磨く順番も決めておくとよいでしょう。

3~5mm幅で歯ブラシを小刻みに動かしながら、1カ所を15~20回ほど磨きます

[Point 3]力加減

歯ブラシは鉛筆と同じ握り方で軽く持ちます。これで歯ブラシのヘッド部分に力が伝わりにくくなり、軽い力で磨けます。

歯ブラシは鉛筆と同じ握り方で軽く持ちます

歯磨きの際に気をつけたい3つのこと

歯磨き前後に舌でチェック!

磨く前と後に、それぞれ舌で歯の表面に触れてみて、感触の違いを確かめましょう。正しく磨けると触れた感じがツルツルに!

"ながら磨き"で時間を確保

丁寧に磨くには、手磨きの場合10分以上は必要。「テレビを見ながら」「お風呂に入りながら」など、“ながら磨き”だと時間がたつのが早く感じます。

歯磨き粉は、あくまで補助

歯磨き粉を付けると爽快感も手伝って「磨いたつもり」になりますが、時には歯磨き粉なしできちんと磨けているかをチェックしてみましょう。

3~4カ月に1度は歯科医や歯科衛生士のプロフェッショナルケアを受けましょう!


歯周病が関わっているとされるさまざまな病気

歯周病の原因は歯周病菌ですが、菌が増える要因は“すみか”となる歯垢をためやすい間食、喫煙、ストレスなどの“悪い生活習慣”です。歯周病が関係する病気を知って、歯の磨き方だけでなく生活習慣も改善しましょう!

心内膜炎

心臓の弁に歯周病菌が感染して起こることがあります。

認知症

アルツハイマー型認知症では脳の萎縮が見られますが、残っている歯が少ない人ほど脳の萎縮が進んでいるという研究があります。

肺炎

高齢者に多い、食べ物や唾液が誤って肺に入って起こる「誤嚥性肺炎」。肺炎を引き起こす原因の一つが歯周病菌などの口の中の細菌です。

糖尿病

歯周病による歯茎の慢性的な炎症が糖尿病を悪化させるという研究があります。逆に、糖尿病が歯周病を引き起こすことも。

胎児の低体重・早産

妊娠中は、つわりなどで口の中のケアが難しく、歯茎の炎症が起こりやすくなります。その際にできる物質が胎盤に影響を与えると言われています。

■参考資料/「からだの健康は歯と歯ぐきから」財団法人8020推進財団


[Check!]歯磨きは感染症予防にも効果的

歯周病菌は、ウイルスなどが細胞に侵入しやすくなる物質を出しているため、口の中が汚れていると感染しやすくなります。正しい歯磨きできれいな状態を保っておけば、ウイルス性感染症の予防にもつながります。


村上美香の歯磨きトーク

自ら「歯磨きオタク」というほど歯の健康に気を使っているフリーアナウンサーの村上美香さんに、自身の歯磨き体験を聞きました。

お口のトラブルを機に磨き方から見直し!

以前から朝晩はもちろん、何か食べたり飲んだりしたら、必ず歯を磨くようにしています。また、歯ブラシやフロスなどのアイテムも、用途に合わせて複数そろえているので持ち歩くのが大変です(笑)。

それだけに歯の健康には自信があったのですが、定期検診でお口のトラブルが見つかりショックを受けました。原因は、「磨いているつもり」で歯ブラシの毛先がきちんと歯や歯ぐきに当たっていなかったこと。それを機に歯科医に教えてもらった正しい磨き方を実践しています。皆さんもぜひ自分のブラッシングが間違っていないかを歯医者さんでチェックしてもらうといいですよ!

村上さんの歯磨きセット。硬さや毛量の異なる数種の歯ブラシに加えフロスなども

村上美香さん(ヒトコト社代表)

熊本県民テレビの情報番組「テレビタミン」の元キャスター。2018年に退職し、講演やイベントの司会、番組企画・出演など幅広く活動中

村上美香さん