定期的な胃、大腸の内視鏡に加え、ピロリ菌の検査で がんの発症リスク軽減へ【ドクターズメッセージ】

─食道や胃、大腸など消化器がんが増えているようですね。

全部位のがん罹患（りかん）率は40年前と比べて約3倍、中でも食道・胃・十二指腸・大腸に発生するがんは全死亡者数の3分の1を占めています。増加傾向にある一方で、内視鏡機器の発展により、消化管に発生するがんは早期発見しやすいがんといえます。

─最近は体への負担が少ない治療法もあると聞きます。

まず大切なのは、症状が現れる前に胃や大腸の内視鏡検査を受け、早期発見に努めることです。もしポリープが見つかった場合は、それが腫瘍なのかそうでないのか、良性なのか悪性なのかを調べます。悪性の場合は、範囲や浸達度の診断を行います。胃の場合、粘膜、粘膜下層、筋層など5つの層に、がんがどこまで達しているかで術式が変わってきます。範囲や浸達度の細かなガイドラインに沿って、腫瘍が一括切除できることが分かればESD（内視鏡的粘膜下層剝離術）という術式で腫瘍を切除します。内視鏡による手術なので、患者さんの体力的負担は少なくて済みます。また胃がんの発症確率が3倍になるといわれているピロリ菌の検査は若い方もできます。血液や尿から調べられるので、発症リスクを軽減するためにも検査をおすすめします。

─9月1日から新しい病院としてスタートされました。

これまでの「やましろ医院」には多くの患者さんに来院いただいておりましたが、内科（消化器内科）に皮膚科、美容皮膚科の診療を加え、施設もリニューアルしました。小さな悩みも相談しやすい、地域のかかりつけ医として頑張っていきます。