防災キャンプに親子でチャレンジ!
防災グッズや非常食は突然襲ってくる災害に備えるために必要なもの。でも、いざその時がきたら、慣れない環境でうまく使いこなせるか分かりません。
そこで、防災とアウトドアを組み合わせた「防災キャンプ」に挑戦してみませんか。屋外で過ごすための知恵や工夫は災害時に生かせることが多いんですよ。
楽しく学ぼう! 災害時に役立つ アウトドアの知恵
災害時を意識して行う「防災キャンプ」に読者親子が挑戦しました。また、日頃からの家庭での備えや防災イベントなども紹介します。
キャンプ道具を使って災害時に備えよう
自然災害はいつ、どこで遭遇してもおかしくありません。電気などのライフラインが途絶えたときに役立つのが、キャンプ道具やそれを扱う経験です。
今回挑戦してもらう「防災キャンプ」の目的は、自宅と違う方法で食事を作って食べること。そして、道具の使い方のスキルを身に付けることです。テントで宿泊すると、夜の暗さや気温の変化を体験できます。日帰りや、自宅の庭でもOKです。特に子どもは、慣れない環境では眠れなかったり、食欲がなくなったりすることがあります。非日常を体験しておくと、災害時に少しでも冷静でいられ、保護者も安心して行動できます。
道具や食料は数多くありますが、元々キャンプへの興味が薄いご家族は無理に全てそろえる必要はありません。意識したいのは、電気、ガス、水道などを何で代用するかということ。3日~1週間程度の飲み水や生活用水、食料、ランタン、電池など、難をしのぐための最低限の道具や食料をそろえておきましょう。
教えてくれたのは
アウトドア&登山専門店 シェルパ
防災士 平川 雅敏さん
日頃からアウトドア活動に慣れていると、災害時に役立ちます。
お問い合わせ
シェルパ 熊本本店
[食]非常食を食べてみよう
挑戦したのは
田代真由さん(左)、萌々花ちゃん(7歳)
本格的なキャンプは経験したことがないので、楽しみです!
準備する道具
・カセットコンロやガスバーナー
・鍋
・計量カップ
・耐熱性ポリ袋
・ザル(または鍋の中に敷く網)
・トング
・ボウル
手軽にパッククッキング
耐熱性のポリ袋に食料を入れ、袋ごとゆでるだけの「パッククッキング」。使う食材や道具が少なく同時に複数のメニューを調理できるので、ライフラインが途絶えたときの調理に役立ちます。
アルファ米っておいしいの?
避難所に備蓄されていることが多い、お湯を注ぐだけで食べられるアルファ米。日頃から食べ慣れておくことも大切な備えです。萌々花ちゃんは初めて食べたそうですが、「おいしい!」と完食していました。
「フタバ」と共同開発したシェルパオリジナルのスパイスは野外料理に最適! シェルパアウトドアスパイス 594円
[道具]便利グッズを試してみよう
備蓄品の確認
実際に使わなくとも、家庭の防災グッズを点検する機会にしてください。食料品は賞味期限の確認を!
キャンプ道具や食料
・水
・ヘッドライト
・コップ
・電池
・箸
・ライター
・食料品(日持ちする缶詰、アルファ米など)
・ウエットティッシュ
・汗拭きシート
・防寒用シートなど
応急処置用品
・常備薬
・はさみ
・ばんそうこう
・消毒用アルコールなど
・三角巾
・傷用パッド
・ビニール手袋
テント&椅子を組み立ててみる!
避難所に行けば必要はありませんが、熊本地震の時のように余震が続き、なかなか家に戻れないケースもあります。テントや椅子を組み立て、寝袋で寝てみましょう。
すぐに固まる!携帯トイレ
避難所ではトイレが開設されることがほとんどですが、携帯トイレの使い方を確認しておくと不安の解消につながります。今回は余ったお茶でトライ。液体に付属の粉をかけると、1分ほどで固まりました。あとは袋を縛ってダブルチャックの防臭袋に入れるだけ。見た目もスリム。
暗闇の中で明るさをチェック
テントや車の中など、狭くて暗い空間の中で、どの範囲まで照らせるのか試してみて。1人用で手元や足元を照らすならヘッドライト、複数人ならランタンがおすすめ。使用しないときは、放電を防ぐため、乾電池は外しておきましょう。
防寒対策には湯たんぽを
寒さ対策で頼りになるのが湯たんぽ。携帯しやすい軽量なものも増えています。また、お湯を沸かす際、子どもに火の危険性を伝えることができます。
体験してみて
屋外で湯を沸かしたり、調理したりするのは初めてでしたが、親子で楽しみながら防災を意識できました。特にパッククッキングは簡単で、日頃の料理にも取り入れたいです。子どもがモリモリ食べていたのも印象的で、食に関しては非常時も安心だと思えました。今度は家族みんなで挑戦して、少しずつ必要な道具もそろえていきたいです。
子どもと参加できる 防災イベント情報
[9/2 土曜]親子で楽しく備えよう!防災ワークショップ
非常用持ち出し袋点検や非常食試食、疑似避難所体験など、防災について学べるワークショップ。先着50人に景品が当たる防災クイズラリーもあり。
時間:10時〜13時
会場:益城町復興まちづくりセンターにじいろ(上益城郡益城町宮園702)
対象:未就学児〜中学生と保護者
参加費:無料
問:ミューズプランニング TEL:096-285-7764
[9/30 土曜/11/23 木曜・祝日]防災体験デー in 熊本県防災センター(令和5年度県委託事業)
ゲームやクイズ、工作などを通して、災害への備えを学ぶ体験型イベント。講師は“歌う防災士”こと、しほママ。
時間:14時~16時
会場:熊本県防災センター(住所は下記)
対象:小学生・中学生と保護者
参加費:無料 定員:各回50人(先着順・要申し込み)
問:談(同事業受託団体) TEL:096-345-2737
http://www.bosaitaiken-day.com/
[今年5月オープン]熊本県防災センター展示・学習室
熊本の過去の災害経験や教訓をパネルやプロジェクションマッピングなどで学習できる施設。防災クイズラリーや小学校低学年から学べる防災ゲームもあり。
住所:中央区水前寺6-18-1(県庁北側駐車場横)
休館:土・日曜、祝日、年末年始 入館料:無料
問:同センター TEL:096-333-2111
家庭でできる備え
家族みんなで日頃からできる災害時の備えについて、熊本市消防団の榊育代さんに話を聞きました。
(1)家族の行動を想定しておく
発災時に家族が一緒にいるとは限りません。子どもが登校していた場合、誰が迎えに行くのか、集合場所はどうするかなど、さまざまな時間や場面を想定して、家族がどう動くべきか話し合っておきましょう。
CHECK
災害時の一人一人の行動計画を時系列にまとめる「マイタイムライン」を活用するのもオススメ。熊本県のホームページから作成できます。
食料はローリングストックで
食料の備蓄は特別な物でなくても、普段、飲食している食材や加工品を少し多めに買っておき、使った分だけ買い足していくローリングストックをするだけでOK。また、お気に入りのお菓子やおもちゃなどを子どもと一緒に選んで非常持ち出し袋に入れておくと、災害時の不安解消にもつながります。賞味期限など定期的なチェックも忘れずに!
地域の人と顔見知りになっておく
災害時は家族以外の人との助け合いも必要となってきます。日頃から近所の人にあいさつをしたり、地域の行事や防災訓練へ参加したりして、地域の人たちと顔見知りになっておきましょう。いざというときの大きな力になります。