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いざという時に【医療従事者によるリレーエッセー】

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vol.113

私の所属する病院は、救急病院でもあります。一般診療の傍らで、救急患者の対応も行っています。ホットラインで毎日救急車を受けています。

「分かりますか。病院に着きましたよ」「手を握ってみてください」「一番痛いのはどこですか」ー。ストレッチャーで救急処置室に搬送しながら患者さんに声をかけ、ざっと全身の観察を行います。発症の経過は主に救急隊に、ご家族には基礎疾患と既往歴、お薬情報などをお尋ねします。

しばしば誤解されることですが、「なんにも伝えなくても、医師の診察でぴしゃり判断できる」わけではありません。皆さんのご協力が欠かせません。

「基礎疾患」とは、普段治療しているご病気のことです。糖尿病・高血圧・がんなど、何の病気でどこの医療機関にかかっているかをお尋ねします。

「既往歴」とは、今までにかかった病気や大きなケガのことです。いつ頃、何の病気で、どこでどんな治療をしたか(入院や手術など)をお聞きします。

「お薬情報」。これはお薬手帳が一番確実ですね。薬の情報が印刷されたシールをきちんと貼っていますか。

救急搬送時はご本人もご家族も慌てています。いつもなら思い出せることも、なかなか言葉になりません。そこで、日頃から準備をしておくことをお勧めします。紙に「基礎疾患」「既往歴」をメモして、「お薬手帳」に挟んでおきましょう。いざという時に安心ですよ。

東(あずま)病院 総合診療部長

東 和子さん

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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