MENU

イベント情報

台風から身を守る 5つの知恵

目次

9月は防災月間

台風は夏から秋にかけて最も多く発生します。台風から身を守るために知っておきたい知識と備えを紹介します。正しい知識を身に付けて、自分や大切な人を災害から守りましょう。

台風は予測可能 だから事前の備えが大事

突然、起こる地震と異なり、台風は事前に予測できる自然災害です。その特徴を知り、準備をしっかり行えば身を守ることができます。台風に備える「5つの知恵」を専門家に聞きました。

教えてくれた人

気象予報士・防災士 君島由希子さん
気象予報士・防災士
君島由希子さん

北九州市出身。日本気象協会九州支社(福岡市)に勤務。2005年から8年間、RKKラジオの番組内で気象コーナーに出演

台風の接近が増える秋 今日から備えを始めて

皆さんは、台風が一年中発生していることをご存じでしょうか。春や冬の台風は日本にはあまり来ることはありませんが、夏から秋にかけては太平洋高気圧の縁に沿って台風が北上し、偏西風に乗って日本に接近しやすくなります。台風の持つ特徴や、台風から身を守るための行動の中から、役立つ知恵をまとめてみました。次の台風がやってくる前に、ぜひ今日から準備を始めてください。

[知恵その1]台風にはいろんな性格がある

今回は風が強い「風台風」だなー

台風はもともと熱帯低気圧で、最大風速が17.2m以上に発達したものを指しますが、その性格は1つではありません。発生する時季や気圧配置の影響などで特徴が現れます。例えば、雨の被害が大きいのが「雨台風」で、風の被害が大きいのが「風台風」。「夏台風」は動きが遅く複雑な動きをする傾向があり、進路予想が困難です。「秋台風」は移動速度が速く、日本付近にある秋雨前線の活動を強めて大雨を降らせることがあります。

[情報]「大きさ」と「強さ」で表現される台風

台風の強さ・大きさ

天気予報で「大型で非常に強い台風」などと耳にしますが、台風は「大きさ」(大型・超大型)と「強さ」(強い・非常に強い・猛烈な)で表現されます。超大型では北海道から九州までが覆われるほどに匹敵します。「大きさ」「強さ」を表すキーワードを意識するようにしましょう。

[知識]「予報円」の大きさは台風の大きさと無関係

予報円≠台風の大きさ

天気図で台風の進路を示すのが「予報円」。この円の大きさは台風の大きさや強さとは関係ありません。「台風の中心が70%の確率で入ると予想される範囲」を示しているので、円が小さいと予報の信頼度が高く、大きいと進路予報の不確実性が大きいことを意味しています。

[知恵その2]「温帯低気圧」になっても油断しない

「台風が温帯低気圧に変わった」と聞くと、風速が弱まったと思うかもしれませんが、要注意です。これは、台風の構造が「熱帯低気圧」から「温帯低気圧」に変化したことを指す表現で、風速の変化とは関係ありません。変化した後、またエネルギーを得て再発達する可能性があります。2004年の台風18号は、北海道の西の海上で温帯低気圧に変わりましたが再び発達、最大瞬間風速50m以上の暴風で北海道を襲いました。温帯低気圧に変化しても大量の水蒸気を含んでいるので大雨をもたらすリスクがあります。完全に消滅するまで油断はできません。

[知恵その3]「正しく怖がる」ことが家族を救う

人間は災害などの非常時に「自分だけは大丈夫」「前も平気だった」などと考える「正常性バイアス」がかかると言われています。数十年に1度の気象現象が起こる昨今は、過去の経験が役立ちません。「災害は自分の身にも必ず降りかかる」と考え、正しく怖がりながら備える姿勢が大切です。

[確認]ハザードマップを活用する

ハザードマップ

台風によって大雨や暴風、高潮などの災害が発生する可能性があります。家の周辺で浸水の可能性がある場所や、土砂災害の危険性の高い場所、避難場所などをハザードマップで確認しておきましょう。避難経路を決めたら平時に家族で歩き、危険箇所がないか、避難所以外に避難できる場所がないかを確認したり、家族と連絡がつかない場合の待ち合わせ場所を決めたりしておきましょう。

[知恵その4]貼るだけじゃない 便利な「養生テープ」

数年前の台風時から、窓ガラスの飛散防止に養生テープを利用する人が増え、一時は品切れする店も続出しました。養生テープは使い道が多彩で、屋外にあるものの飛散防止や動かしにくいものの固定にも使えます。テープを折り畳み、重ねて厚みをもたせて足の裏に固定すれば簡易の靴ができます。また清潔なハンカチと組み合わせれば止血などの応急処置にも使えます。防災の万能品として、平時から備えておきましょう。

いざというときの万能品ね!

[知恵その5]避難所に行かない 避難方法もある

災害の危険があると判断されると、自治体から避難情報が出されます。「高齢者等避難」が発令されたら、避難に時間のかかる人は速やかに避難を開始してください。この際の「避難」とは、避難所に行くことだけを指すわけではありません。早めに安全な親戚・知人宅、ホテル・旅館などに避難するのも有効な方法です。複数の避難先を想定しておくといいでしょう。

普段から話し合っておこう

[避難]長靴よりスニーカーがお勧め

台風避難時の服装は、動きやすい長袖、長ズボン、底が厚めのスニーカーが適しています。水が入ると歩きにくい長靴は避けて。風で物が飛ばされてきた場合に備えてヘルメットや帽子をかぶりましょう。家を離れる前には電気のブレーカーを落とし、ガスの元栓を閉めます。戸締まりも忘れないようにしましょう。

避難所に行けないときは垂直避難

警戒レベルの目安

浸水時の歩行可能な水位の目安は「ひざ下まで」です。水位が低くても水の勢いで動けなくなる危険性もあります。家の周囲が浸水し始めたら無理に避難所へ移動せず、自宅や隣接建物の上階への垂直避難をしましょう。近くに崖がある家なら、崖から離れた部屋に移動してください。

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

熊本市を中心に31万部戸別配布のフリーペーパー「くまにち すぱいす」がお届けする、熊本の暮らしに役立つ生活情報サイトです。

目次