知ってる?守ってる? 自転車の交通ルール
自転車に乗る時の基本的な交通ルールを理解していますか。ルール違反をすると事故につながることもあります。入学シーズンを前に親子でしっかり学びましょう。
クイズ
イラストの中で自転車のルール違反はいくつあるかな?
県警交通企画課
今村 利恵 巡査部長
安全運転で事故を防ごう
交通ルールを定める道路交通法が改正され、自転車のルールが一部変わります。命を守るために知っておくべき自転車のルールについて県警交通企画課の妻道正樹警部補に聞きました。
「出合い頭」「交差点」の事故に注意
熊本県警によると、人身事故全体に占める自転車事故の割合はここ数年、増加傾向にあり(下グラフ)、その約半数は「一時不停止」や「信号無視」など自転車側に何らかのルール違反があったとみられています。
県内の自転車事故の発生状況は、総件数487件(令和3年)。このうち「出合い頭」が全体の46・8%、発生場所は「市街地交差点」が58.9%を占めてトップで、この2つに注意が必要です。
また、ヘルメット着用の努力義務は現在、「保護者が子どもに着用させること」ですが、道路交通法の改正で今年の4月からは「全ての自転車利用者の着
用」が努力義務となります。大人も子どもも着用を心掛けましょう。(※熊本市では昨年10月から努力義務化されています)
万が一、自転車事故を起こしたら、現場で警察に通報することが義務です。その場から立ち去るとひき逃げの疑いとなる場合があり、相手側から治療費や修理費などの補償が得られないこともあります。
子どもを自転車事故から守るためにも、家庭で地域の道路に潜む危険を事前に確認したり、事故を起こした場合の対応を学んだりしましょう。
教えてくれたのは
県警交通企画課
妻道(つまみち) 正樹 警部補
表紙の答え:ルール違反5つ
(1)ながら運転(スマホ)
(2)車道の右側通行
(3)2台並んで走行
(4)信号無視
(5)傘さし運転
ルール01
自転車は道路の左側を通行
自転車は、道路(車道)の左側の端に寄って通行しなければなりません。横に並ばず縦に1列で通行しましょう。車道の右側を走行すると、前方から来た自転車、自動車、バイクと正面衝突の危険があります。自転車は法律上、自動車やバイクと同じ「車両」となります。右側を通行すること(=逆走)がいかに危険かを理解してください。
ルール02
「止まれ」の場所では必ず停止
自転車は、自動車やバイクと同様に「止まれ」の一時停止の標識がある交差点で止まらなければなりません。また、左右の見通しの悪い交差点に入ろうとする時は徐行しなければならないというルールもありますが、知らない人が意外と多いです。熊本県内の自転車事故の多くが交差点で発生しています。左右をよく確認しましょう。
ルール03
ヘルメット着用は努力義務
道路交通法の改正で、今年の4月から全ての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務となります。警察庁によると、自転車乗用中に起きた死亡事故の約6割が頭部損傷によるもので、ヘルメット非着用時の致死率は着用時と比べて約2.2倍※です。頭部を守ることは交通事故の被害軽減につながります。ヘルメットを着けることが当たり前になるよう習慣付けましょう。
※平成29年から令和3年までの合計
自分好みのヘルメットを身に着けて自転車をより楽しく安全に!
ヘルメットは事故から身を守る役割があります。『カガワの自転車』(熊本市)の中川敬真(けいしん)さんに安全性やデザイン性を重視した子ども用ヘルメットを3つ紹介してもらいました。
※いずれもサイズ調整機能付き、税込み価格
※写真は全てブリヂストン製
お問い合わせ
カガワの自転車 並木坂店
ルール04
暗い時はライトを点灯
夜間に自転車で走行する時は、ライトをつけなければなりません。点灯すると進行方向の状況を確認できるだけでなく、他の車両に自分の存在を知らせることができます。特に体が小さい子どもの姿は自動車・バイクから確認しにくいものです。尾灯や反射板を付けると、より安心です。
ここも注意!
車道通行が原則
自転車は車道通行が原則です。やむを得ず歩道を走行する場合は、車道寄りを徐行し、歩行者の通行を妨げないように心掛けてください。
自転車は1列で走行
自転車が2台並んで走ることはルール違反です。他の車両や歩行者の通行の妨げになるだけでなく、並進する自転車同士がぶつかるなどの危険があります。
「ながら運転」はダメ
スマートフォンやヘッドホンを使用しながらの運転は、注意力が散漫になり危険です。目と耳で周囲の様子や音をしっかり確認できる状態で運転しましょう。
傘ではなく雨がっぱ
雨の日は雨がっぱを使いましょう。傘をさして運転すると、バランスを崩しやすくなります。傘が車や歩行者とぶつかったり、風で傘があおられて転倒したりすることもあります。
信号をよく確認
「自転車専用」「歩行者・自転車専用」の信号機がある場合は、その信号機に従いましょう。車道走行時は車両用信号、歩道走行時は歩行者用信号に従ってください。
リスクに備える自転車保険選びのポイント
熊本県では自転車保険への加入が義務化されています
自転車保険にはさまざまなタイプがあります。損害保険プランナーの魚住真司さん(熊日総合保険)は「事故に遭ったときに保険会社が相手方と交渉してくれる示談交渉サービス付きを選ぶのがおすすめ」と話します。
全国では過去に、自転車で走行していた男子小学生(11歳)が女性と衝突して女性が寝たきりとなり、小学生の母親が9521万円の支払いを命じられた事例もあります。まずは下表のような保険・共済に加入しているか、もしくは「個人賠償責任保険」が付帯されているのかを確認しましょう。損保代理店などに相談・確認すると補償の不足や加入の重複を防げます。
自転車保険の種類は?
TSマーク
自転車安全整備士による点検・整備を受けた自転車に貼るシールです。点検日から1年以内は賠償責任が補償されます。
※補償限度額は緑色・赤色1億円、青色1000万円
自転車保険
自身のけがに備える損害保険と相手への損害賠償に備える個人賠償責任保険がセットになった保険です。月々の掛け金は数百円からあります。
個人賠償 責任保険
自動車保険や火災保険、傷害保険の特約で付けられる保険で、本人だけでなく家族も対象となるタイプもあります。
その他、クレジットカードの付帯保険や会社の団体保険、PTA保険、学生総合保険の特約などもあります。
熊日総合保険
TEL | 096-371-3600 |