“お金の話の根っこ”ライフプラン 健康への投資にも目を向けてみて【知りたい!お金の話】
【今回のスタディー】「貯筋」のススメ
今回は、「お金の話」からは遠いように感じられるかもしれませんが、実はその根っこになるライフプランのお話をしたいと思います。
ここ数年、街なかにフィットネスジムが増えたような気がしませんか。大型施設を備えたクラブから、時間帯を気にせず短時間でも利用できる小型のジム、また医療機関が運営する施設まであり、さまざまなニーズに応じた選択肢が開かれてきているようです。
ところで、「令和3年簡易生命表」(厚生労働省)によると、日本人の平均寿命は男性81.47歳、女性87.57歳だそうです。よく耳にするこの”平均寿命”とは一体どんな数字なのか、あなたは正しく把握できていますか。「自分もそれぐらいの年齢で旅立つのか…」などと捉えられがちですが、実はそうではありません。平均寿命とは「0歳児の平均余命」で、その年に生まれた赤ちゃんが、平均してあと何年生きられるかを統計的に割り出した年齢です。
そして国は、0歳児だけでなく各年齢の平均余命についても詳細に公表しています。例えば60歳の平均余命は男性24.02歳、女性29.28歳で、70歳の平均余命は男性15.96歳、女性20.31歳。一定の年齢に達した人は平均寿命を上回って、より長く生きる可能性が高いことが分かります。
対して、気になるのが”健康寿命”という概念です。これは「健康上の問題で日常生活に制限のない期間の平均」を指しており、令和元年の厚生労働省の報告では、男性72.68歳、女性75.38歳とされています。平均寿命との差を見ると、日常生活に制限が生じる期間が10年前後にわたることになり、看過できない問題です。
この課題に私たちはいかに取り組みましょうか。医療・介護費用の貯金をしておくのも一考ですが、ここは大真面目に、運動して筋肉を増やす「貯筋」を推したいと思います。フィットネスジムはあくまで一例ですが、時間や行動、お金の各方面から健康への投資にも目を向けてみませんか。
予防は”高コスパ”の投資
私にはかつて、社会体育の指導員をしていた時期があります。このとき受けた研修で学んだのが「貯筋」という言葉です。筋肉は使えば使うほどたまり、何歳から鍛錬を始めても必ず発達するそう。逆に、筋力が衰えると転倒しやすくなり、骨折して入院ともなればさらに筋力が落ち、寝たきりから要介護へ、というのは介護の“あるある”です。
「国民生活基礎調査」(令和元年)によると、要介護になった原因の中で「骨折・転倒」(12.0%)は、「認知症」(24.3%)、「脳血管疾患」(19.2%)に次ぐ多さです。お金は、そうなってから…よりも、そうならないために使いたいものですよね。予防は、最もコストパフォーマンスが高い投資とみて間違いありません。
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