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口約束だけでも契約成立 一方的な解約は原則不可【知りたい!お金の話】

知りたい!お金の話 今回教えてくれるのは佐藤ななみさん

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【今回のスタディー】「契約」の基本

春ですね。新社会人の皆さんは、初めての給与を受け取ったばかりではないでしょうか。先輩社会人の方々も含め、一生続いていくお金との付き合いを見据えたとき、しっかり把握しておきたいのが、「契約」に関する基本的なルールです。どこか大仰な響きさえ感じてしまうかもしれないこの言葉ですが、契約は日常のあちこちでごく自然に発生しています。

民法では、契約は、一方の申し込みに対して、相手方が承諾した時点で成立するものとされています。その際、書面を交わすことは必須ではなく、口頭でも成立します。例えば、あなたが買い物をする場合、商品を持ってレジに向かい(購入申し込み)、店員さんが受けた(承諾)時点で売買契約が成立します。あとはお店が商品を引き渡し、あなたが代金を支払うことで当該契約が履行されるという流れです。

契約には、このほかにもたくさんの種類があります。会社に勤める際には「雇用契約」、外部の人に業務を依頼する場合は「請負契約」や「委任契約」を交わします。アパートなどを借りる際の契約を「賃貸借契約」と呼び、お金を借りる、つまりローンを利用する際の契約を、正式には「金銭消費貸借契約」と言います。

契約がいったん成立すると、原則として一方的に破棄することはできません。解約するには、相手方の合意を取り付ける必要があり、合意なく履行しない場合は損害賠償が発生する可能性もある責任の重い行為です。

ただし、公序良俗に反する契約や、責任能力のない人が行った契約は「無効」とされ、錯誤・脅迫・詐欺による契約、未成年者が親権者の同意を得ずに結んだ契約については「取り消し」が可能とされています。また、相手方が契約を守らない場合などは「解除」も認められており、特定の商取引については、一定期間内であれば、無条件に契約を撤回できる「クーリングオフ」の制度が定められていることも知っておきましょう。

クレジット契約の基本

消費生活において、「知らない」では済まされないのがクレジット契約の仕組みです。クレジットとは「信用」という意味で、文字通り利用者の信用に基づいて商品などの代金を立て替え払いしてもらい、後に立て替え金を返還するという契約の下成立しています。

クレジット契約には、カードを利用する「包括クレジット」のほか、取引ごとに契約を結ぶ「個別クレジット」という方法があります。

いずれの場合も、分割払いでクレジットを利用すれば、代金とは別に手数料がかかり、高額になることもしばしば。手数料を最終的にいくら負担することになるのかを把握した上で、計画的に利用する姿勢が重要です。

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

知りたい!お金の話 今回教えてくれるのは佐藤ななみさん

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この記事を書いた人

ライフプランを柱に、家計管理・住宅資金・保険・資産形成に関する講座やコンサルティングを展開。NPO法人ら・し・さ理事として、終活やエンディングノートの普及・啓発活動にも取り組む。

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