おいしい!たのしい!熊本県民のための現地レポート 好好(ハオハオ)台湾
海外旅行先として人気の台湾。TSMC(台湾積体電路製造)の熊本進出に伴い、ますます関心が高まっています。そこで、最新情報をお伝えすべく、すぱいす取材班が現地へ。台湾在住の人気コーディネーター・青木由香さんの案内で、グルメを中心とした「好好」(=good)な台湾の魅力を探りました。
身近な海外 日本人好みの食が充実
3月下旬、取材班は「阿蘇くまもと空港旅客ターミナルビル開業記念」として運航された熊本と台北を結ぶチャーター便に乗って現地へ向かいました。
台湾は直行便を使えば約2時間半で到着する身近な海外です。時差は1時間。気候は1年を通して温暖で、これから本格的な夏を迎えます。
共働き家庭が多く、外食文化が発達しているのも特徴の一つ。中国南部・福建省の食文化がベースとされ、素材を生かした優しい味わいが、日本人の口に合いやすいといわれています。
台湾ナビゲート 青木由香さん
神奈川県生まれ台湾在住。日台のメディアへの執筆やコーディネートを通して大好きな台湾を紹介している。セレクトショップ『你好我好(ニーハオウォーハオ)』(台北市)店主。
私たちが行ってきました!
渡航歴10回以上の台湾好きライター・若(右)と台湾に憧れ続けていたすぱいす編集者・咲
何度も訪れたい! おなかも心も満たされる旅
地元民も大好き!台湾グルメ
地元の人がこぞって出かける家庭料理店からおもてなしにも使えるレストランまで、本当においしい台湾グルメをご紹介します。
※1元(台湾ドル)=約4.4円(2023年5月12日現在)
[やみつきになるのど越し抜群の麺]奇福扁食(チィフゥピェンシィ)
「扁食」とは、ワンタンのこと。ワンタン入りの麺料理は、汁なし、汁ありから選べます。ツルツルモチモチ食感の麺は「ずっとすすっていたい」ほど、やみつきに。
住/台北市中正區信義路二段243巷2號
[素材な野菜がグルメに大変身]人和園雲南菜(レンフーユエンユンナンツァイ)
雲南料理のレストラン「人和園雲南菜」。台湾では珍しく油っこくない料理が旅の疲れを癒やしてくれます。スナップエンドウのスープやエリンギの炒め物など、素朴な野菜のおいしさをぐっと引き出す優しい味わいに魅了されます。
住/台北市中山區中山北路二段112號2樓
[ご飯が進むおかずが豊富]六品小館(リョウピンシャオグワン)
上質な家庭料理を味わえる同店。甘辛いおかずに、ご飯が進みます。イチオシは生白菜の芯の中心部分だけを使用した、あえ物「涼拌白菜心」(小240元)です。白菜本来の甘味やシャキッとした食感が◎。
住/台北市金華街199巷3弄8號
[味わい深い黒いおにぎり]員林商店(ユエンリンシャンディエン)
真っ黒な塊の物体に後ずさりするなかれ。この正体は、台湾版おにぎり「黑飯糰」(40元)です。黒米を使うお店は台湾でも珍しく、かめばかむほどに増す味わいのとりこになります。
住:台北市大安區金山南路二段129號
[台湾版昭和レトロな店内が魅力]東一排骨總店(ドンイーパイクーゾォンディエン)
レトロな内装が、どこか日本の昭和を思わせます。看板メニューは、台湾弁当の定番「排骨飯」(170元)。揚げた豚肉に甘辛いタレが染み込み、ご飯との相性抜群です。
住/台北市中正區延平南路61號2樓
[TAIWAN MEMO1]タクシー移動は住所を伝えて
日本より比較的安価に利用できるタクシーは交通移動に便利。運転手に、大きな文字で書いた住所を見せると目的地まで連れて行ってくれますよ。
[TAIWAN MEMO2]夏でも羽織ものは必須
ホテルや交通機関、レストランでは、寒いと感じるほどクーラーがしっかり効いていることも。さっと着られる羽織ものは必須です。
活気あふれる朝ごはん
外食から一日がスタート
外食文化が根付く台湾では、朝ごはんの店が充実し、朝から活気にあふれています。食べておきたい料理をピックアップしました。
鹹豆漿/シエンドウジャン
桜エビやザーサイなどが入った豆乳スープ。酢を加えることで、おぼろ豆腐のようにゆるく固まります。優しい味わいで朝食にぴったり。
素食包子/スーシーパオズ
「素食包子」は、インゲンやキャベツなどの野菜の具で作った、野菜まん。肉が入っていないとは思えないほど味わい深いので、見つけたらぜひ食べてみて。
新旧が集まるホットエリア 迪化街(ディホワジェ)かいわい
乾物や漢方などの問屋が集まるにぎやかな街。レトロな建築を生かした新しいお店も登場しています。
[身に染みるおいしさ]原汁排骨湯高麗菜飯(ユエンヂーパイグータンガオリーツァイファン)
骨付き豚肉のスープ(90元)とキャベツ飯(小30元)の店。きちんと油の処理がされた、澄んだスープは五臓六腑(ろっぷ)に染み渡る味わい。
住/台北市大同區延平北路三段17巷2號
[台湾土産ならここ!]你好我好(ニーハオウォーハオ)
青木由香さんが選りすぐったピーナツ菓子やお茶、食材、生活道具などを集めたショップ。キュートなお土産を手に入れよう!
住/台北市迪化街一段14巷8號
[路地裏の隠れ家的カフェ]AKA Cafe(アカカフェ)
1920年代に建てられた洋館をリノベーションしたカフェ。建築家でもあるオーナーが日本の大正時代をイメージして造り上げた豪華でスタイリッシュな空間で優雅なひとときを。
住/台北市大同區民樂街66號後棟
迪化街でそろうお土産
(A)レトロで便利な日用品
日常使いできるオリジナル台湾ビールグラス(140元)やステンレスのレンゲ(5本セット・160元)。
(B)ローカル食材
揚げエシャロットやアミを塩水でゆでて干した「蝦皮」など、台湾料理に欠かせない食材が手に入ります。
(C)お土産用の袋
夜市などでよく見かけるピンク色のレジ袋をまとめ買いすると、お土産の小分け袋として役立ちます。包装資材店でゲットしてみて。
(D)色が豊富なかごバッグ
緑やピンクなど、鮮やかな色合いがキュートなかごバッグ(大230元程度)。大きいサイズは、手荷物が増えた時の収納として便利!
A/你好我好、B・C・D/迪化街かいわい
夕暮れから元気な夜市
懐かしさを感じる夜市は、台湾の人たちにとって食堂的な存在です。
ゲームも楽しめる 臨江街夜市(リンジァンジエイエスー)
[出来たてをパクリ]正好鮮肉小籠湯包(ヂェンハオシエンルゥオシャオロンタンバオ)
注文後に包んで蒸す、アツアツの小籠包を頰張れます。肉餡(あん)には名産の「三星葱」を使用。うま味たっぷりのスープが口の中にあふれます。
より詳しい記事はこちら
[行列必須のかき氷]御品元冰火湯圓(ユゥピンユエンビンフオタンユエン)
開店時に行列ができる甘味処。自家製甘酒のような「酒釀」と金木犀(キンモクセイ)シロップ、温かいゴマやピーナッツ団子がのったかき氷「酒釀綜合湯圓」(110元)が絶品です。
より詳しい記事はこちら
グルメが集まる 寧夏夜市(ニンシアーイエスー)
[野菜たっぷり]秋雲潤餅(チウユェンルンビン)
カレー味のキャベツ、台湾版たくあん、モヤシなどの野菜がたっぷり入った揚げない春巻き。カリカリ甘いピーナツ粉も入っていて、食感も楽しめます。
青木由香さんに聞きました ゆるっと優しい台湾の魅力
都会の台北でも田舎みたいな路地があり、高級デパートの脇では、素足にサンダルと、ラフな格好の人たちが屋台で麺をすすっている。電車に乗れば、年寄りや妊婦に競って席を譲る人たち。この親しみやすい都会、なんなのでしょう。
便利で新しいものが大好き、大ざっぱでおせっかい。そんな人たちでいっぱいの台湾は、これから夏にかけてスコールの季節。雨にひるむことなく、パワフルにバイクに乗る台湾人。皆さんも倣ってぜひサンダルで台湾へ! ぬれてもすぐ乾くから最高です。食べ物につられてやって来たら、ついでに台湾のゆるさを染みつけて帰りましょう。
今回ご紹介したお店、1軒1軒のより詳しい情報を随時発信!
台湾に関する新連載もスタート予定。