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「寄り添う」を目指して【医療従事者によるリレーエッセー】

私の両親は看護師として働いています。両親共に夜勤の時は一緒に過ごす時間が少なく、祖父母の家に預けられて寂しい思いをしたことが幼少期の記憶として残っています。そして私も今、看護師をしています。

春になると思い出すのは、熊本地震のことです。当時、看護系の大学に入学したばかりの私は家族と自宅にいました。地震が起きた時、私は不安と恐怖で自分が避難することに精いっぱいでした。しかし、両親は家族の安全を確認後、すぐに患者さんを心配して職場へ向かいました。当時はそばにいてほしいと思っていましたが、看護師になった今、両親があの時病院へ駆け付けた気持ちが分かるようになりました。

2021年春、看護師国家試験に合格して就職しました。コロナ禍の真っただ中、子どもを抱えて心配そうに受診される患者さん、救急車で搬入され発熱と息苦しさを訴える患者さんなどを迎えて、緊張と感染の不安で押しつぶされそうでした。

しかし、上司や先輩、同僚など周りの方々のサポートにより、私も一人の看護師としてコロナ禍を乗り越えることができました。あっという間で無我夢中の2年間でしたが、多くの患者さんとの関わりを経験し、両親のように「患者さんに寄り添うことができる看護師になりたい」と思うようになりました。

毎日、患者さんのために必要な看護を考えて仕事をしています。これからも、両親の背中を追い続け、看護師という仕事を通して成長していきたいと思っています。

熊本市医師会 熊本地域医療センター 看護師

松川 彩乃さん

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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