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台湾の市場を散策!地元の味と季節を感じて【台湾ってこんなトコVol.12】

台湾をはじめ12カ国・地域から現地発のアジア経済ニュースを日本語で配信しているニュースメディア「NNA」。この連載では、NNA台湾の記者が台湾の暮らしや文化、習慣など、現地ならではの情報をお届けします。
(毎月1回更新)

目次

現地記者が台北の市場を紹介します!

旅行に出かけた際、その土地を知る方法の一つに、市場を見物することがあると言われます。

その土地の産品を知り、地元の味を楽しむことができるほか、お店の人とのやりとりが旅の良い思い出になることもあります。

連載の第12回は台北の市場を紹介し、すぱいすの読者の皆さんに現地の日常を感じてほしいと思います!

にぎやかな台北・中山エリアに近い双連朝市

まずご紹介するのは双連朝市です。

百貨店や若者向けの店が集まる台北・中山エリアに近く、日本人観光客の間でも知っている人が多いのではないでしょうか。

双連朝市は、台北捷運(台北MRT)双連駅のそばにあり、2番出口を出て左に曲がるとすぐ到着します。

双連朝市は、台北捷運双連駅の2番出口のすぐそばにあります=7月5日(NNA撮影)
双連朝市は、台北捷運双連駅の2番出口のすぐそばにあります=7月5日(NNA撮影)

台湾フルーツを満喫しよう

双連朝市は350メートルほどの通りの両脇に、野菜や果物、肉、魚、総菜、衣類、雑貨などを売る屋台がずらりと並びます。

双連朝市を歩くと、果物を販売している屋台が多いことに気付くと思います。

店にはそれぞれ特色があり、比較的高い等級の果物を専門に扱う店もあれば、小規模農家が栽培した、生産量が少ない珍しい品種の果物を販売している店もあります。

マンゴーとドラゴンフルーツは、どちらも夏に旬を迎える果物です=6月26日(NNA撮影)
マンゴーとドラゴンフルーツは、どちらも夏に旬を迎える果物です=6月26日(NNA撮影)
ドリアンを専門に販売する店=7月5日(NNA撮影)
ドリアンを専門に販売する店=7月5日(NNA撮影)

果物を販売する店が多いのは、双連朝市の中に「台北市文昌宮」という廟(びょう)があることと関係しているのかもしれません。

台北市文昌宮は学問の神様とされる文昌帝君を祭っています。受験シーズンになると、多くの人が参拝に訪れ果物などを供えます。

双連朝市にある台北市文昌宮=7月5日(NNA撮影)
双連朝市にある台北市文昌宮=7月5日(NNA撮影)

台湾の食材市場では、特に果物や野菜を購入する際、一つ一つ商品を手に取って選ぶ習慣があります。果物であれば、熟しているかどうか、葉物野菜であればみずみずしいかどうかなど、自分で選ぶことができます。

市場で食べまくる!

双連朝市には調理済みの食品や甘味、飲み物などを販売するお店もあります。

植物で漢方食材でもある「仙草(センソウ)」で作った黒いゼリーとお茶。仙草は暑気あたりや喉の渇きに効用があるとされます。ゼリーはミルクを入れて食べるのがおいしいです=7月5日(NNA撮影)
植物で漢方食材でもある「仙草(センソウ)」で作った黒いゼリーとお茶。仙草は暑気あたりや喉の渇きに効用があるとされます。ゼリーはミルクを入れて食べるのがおいしいです=7月5日(NNA撮影)
ココナツとサトウキビのジュースは夏定番の飲み物=7月5日(NNA撮影)
ココナツとサトウキビのジュースは夏定番の飲み物=7月5日(NNA撮影)
双連朝市では揚げ物も販売しています=7月5日(NNA撮影)
双連朝市では揚げ物も販売しています=7月5日(NNA撮影)
おやつとしてすぐに食べることができる「ゆでラッカセイ」=7月5日(NNA撮影)
おやつとしてすぐに食べることができる「ゆでラッカセイ」=7月5日(NNA撮影)

屋台が並ぶ通りから脇道に入ると、庶民的な小吃(スナック)を味わうことができます。お昼まで営業の店もあれば、夜まで開いている店もあります。

人気の「潤餅」店。潤餅とは、薄いクレープ状の生地で野菜、豆干(硬めの食感の豆腐)、少量の肉を包みます。ピーナツの粉末やパクチーなどで味を調えます。この店では一つ55台湾元(約270円)=7月5日(NNA撮影)
人気の「潤餅」店。潤餅とは、薄いクレープ状の生地で野菜、豆干(硬めの食感の豆腐)、少量の肉を包みます。ピーナツの粉末やパクチーなどで味を調えます。この店では一つ55台湾元(約270円)=7月5日(NNA撮影)

美食が集まる南門市場

次に皆さんに紹介したいのは、台北捷運中正紀念堂駅2番出口にある「南門市場」です。

南門市場は2023年に完成した真新しいビルの中に入っています=7月2日(NNA撮影)
南門市場は2023年に完成した真新しいビルの中に入っています=7月2日(NNA撮影)

新しい建物で営業する南門市場ですが、その歴史は1900年代初頭にさかのぼることができます。

45年ごろには台北最大規模の市場となり、戦後には台湾にやってきた外省人(中国大陸出身者)が故郷の食材を持ち込んだそうです。

2019年に建物の再建計画で一時的な営業場所に移転し、昨年10月に新しい建物に移って試験営業を開始。翌月にグランドオープンしました。野菜や肉などの食品や各種総菜、衣類などを販売しています。

心地よく買い物できる環境

夏真っ盛りで、暑い日が続く台湾ですが、南門市場では冷房が効いていて、涼しい環境で心地よく買い物ができます。

南門市場は三つのフロアに分かれていて、地下1階では野菜や果物、肉、魚類を、1階では各種調理済みの食品や点心、燻製(くんせい)食品、干物などを販売しています。南門市場で最も特色のあるフロアだと言えます。

中華肉まんである包子(バオズ)や、中にあんが入っていない蒸しパンの饅頭(マントウ)などを販売する1階の店=7月2日(NNA撮影)
中華肉まんである包子(バオズ)や、中にあんが入っていない蒸しパンの饅頭(マントウ)などを販売する1階の店=7月2日(NNA撮影)
コメを原料に作った蒸しケーキの「鬆コウ(コウ=米へんに羔)」。黒ゴマやキンモクセイ、アズキなどさまざまな味があり、ほんのりと甘い優しい味が特徴=7月2日(NNA撮影)
コメを原料に作った蒸しケーキの「鬆コウ(コウ=米へんに羔)」。黒ゴマやキンモクセイ、アズキなどさまざまな味があり、ほんのりと甘い優しい味が特徴=7月2日(NNA撮影)
「酒醸」はコメを原料とする発酵食品で、冬には湯円(あん入りのだんご)と卵を入れて煮て食べたら、体がぐっと温かくなります=7月2日(NNA撮影)
「酒醸」はコメを原料とする発酵食品で、冬には湯円(あん入りの団子)と卵を入れて煮て食べたら、体がぐっと温かくなります=7月2日(NNA撮影)

おいしい総菜もぜひ!

南門市場に来たら、総菜を食べないわけにはいきません。レストランのブッフェと同じように、さまざまなおかずを購入できるお店があります。熱々の中華ちまき(粽子)を購入できるお店も。

1階の総菜売り場。料理の重さを測って精算します=7月2日(NNA撮影)
1階の総菜売り場。料理の重さを測って精算します=7月2日(NNA撮影)
総菜コーナーで買ったお昼ご飯。上左から時計回りに、青マメとエビの炒め物、燻製の香りがする細切り干し豆腐のおかず、ユキナと干し豆腐の炒め物、ジャガイモのピリ辛炒め、肉団子、インゲンマメの中華風炒め。全てで257元(約1,270円)でした=7月2日(NNA撮影)
総菜コーナーで買ったお昼ご飯。上左から時計回りに、青マメとエビの炒め物、燻製の香りがする細切り干し豆腐のおかず、ユキナと干し豆腐の炒め物、ジャガイモのピリ辛炒め、肉団子、インゲンマメの中華風炒め。全てで257元(約1,270円)でした=7月2日(NNA撮影)
市場で販売している中華ちまきなど。写真左側に写っているのは、餅やサトイモのペーストをナツメで挟んだデザート「心太軟」。南門市場を訪れた多くの人が購入します=7月2日(NNA撮影)
市場で販売している中華ちまきなど。写真左側に写っているのは、餅やサトイモのペーストをナツメで挟んだデザート「心太軟」。南門市場を訪れた多くの人が購入します=7月2日(NNA撮影)

フードコートも併設

2階ではフードコートや衣料品店などが営業しています。フードコートには10店舗余りの飲食店があり、行列ができる人気店も。

2階のフードコート。平日のお昼に訪れると大勢の人が食事をしていました=7月2日(NNA撮影)
2階のフードコート。平日のお昼に訪れると大勢の人が食事をしていました=7月2日(NNA撮影)

「台北花市」をぶらり、台湾の四季を感じる

最後に皆さんに紹介したいのが、台北市内湖区にある「台北花市」です。台湾で最大の花き類の卸売・小売市場です。

台北花市は郊外にあり、公共交通機関で行くには少し不便。台北捷運松山駅まで行き、そこからタクシーで行くことをお勧めします。タクシー代はおよそ150元(約740円)以内です。

台北花市はA棟とB棟の二つがあります。A棟の1階では切り花の小売り・卸売りをしています。2階では花器などの資材を販売。B棟は鉢植えの花を扱っていて、建物の2階は連絡橋でつながっています。

切り花を販売している台北花市A棟の外観=6月28日(NNA撮影)
切り花を販売している台北花市A棟の外観=6月28日(NNA撮影)

台北花市の営業時間は午前4時~正午。日曜日が定休日で、不定休もあります。台北花市を運営する「台北花卉産銷股フン有限公司(フン=にんべんに分)」のウェブサイトで1年間の休業日を確認できます。

営業日は午前3~4時に卸売りの取引が始まるそう。花市の中で営業する店は開店の準備も急いで行い、明るくなったら生花店の関係者や一般の消費者が購入のため訪れるといいます。

台湾では冠婚葬祭などの際に花を消費することが多く、台北花市でもバラやキキョウ、ラン、キク、ユリといった、冠婚葬祭の場面でよく使われる花を多く見かけました。

台湾で冠婚葬祭に適した花がそろっています=6月29日(NNA撮影)
台湾で冠婚葬祭に適した花がそろっています=6月29日(NNA撮影)
季節の花が目を楽しませてくれます=6月29日(NNA撮影)
季節の花が目を楽しませてくれます=6月29日(NNA撮影)

もちろん、季節の花も少なくありません。6月末に訪ねた際には、アジサイやヒマワリなどの花を楽しむことができました。

ランの切り花も販売しています。1本50~80元(約250~400)でした=6月29日(NNA撮影)
ランの切り花も販売しています。1本50~80元(約250~400円)でした=6月29日(NNA撮影)
ドライフラワーやプリーザブドフラワーを専門に販売しているお店もあります=6月29日(NNA撮影)
ドライフラワーやプリーザブドフラワーを専門に販売しているお店もあります=6月29日(NNA撮影)

アジサイなどの花は1本から購入することができます。見物に訪れた人でも大きな負担なく持ち帰ることができます。

A棟の2階では造花や花瓶、リボンなどを売っています=6月29日(NNA撮影)

通りを1本隔てたB棟では鉢植えの花を販売。ここでも美しいランを楽しむことができました
A棟の2階では造花や花瓶、リボンなどを売っています=6月29日(NNA撮影)

通りを1本隔てたB棟では鉢植えの花を販売。ここでも美しいランを楽しむことができました。

B棟で販売していた鉢植えの花=6月29日(NNA撮影)
B棟で販売していた鉢植えの花=6月29日(NNA撮影)
ランは台湾の冠婚葬祭の場面でよく見る花です=6月29日(NNA撮影)
ランは台湾の冠婚葬祭の場面でよく見る花です=6月29日(NNA撮影)

以上が今回の台湾の市場特集です。皆さんに台湾の日常をより一層知ってもらえるとうれしいです。次回、台湾を訪れた際には市場を歩いてみてはいかがでしょうか。

もっと台湾を知りたい方に!現地発ビジネス情報 NNA POWER ASIA 台湾 株式会社NNA

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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この記事を書いた人

NNA台湾編集部に勤める30代の台湾人女性。大学時代に交換留学生として日本に約1年間滞在して以来、日本が恋しく年に2回のペースで各地を訪ねています。旅やアート作品などを通じて、自身の感性が磨かれるものごとを見つけるのが好き。

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