即レスとは?ビジネスシーンでの使い方やメリット・注意点を解説
即レスとは、メールやチャットに迅速に返信することを意味する言葉で、ビジネスシーンでも頻繁に用いられます。仕事における即レスには多くのメリットがありますが、すべてのシーンで適切というわけではなく、相手や状況によっては即レスが適さないこともあります。
この記事では、即レスの意味やメリット・デメリット、効果的な即レスのコツや注意点などを詳しく解説します。後半では恋愛における即レスの有効性についても触れているので、即レスについて理解を深めたい人はぜひ参考にしてください。
即レスとは
「即レス」とは「即座に(すぐに)」と「レスポンス(返事をする)」を組み合わせた言葉です。メールやチャット、SNSなどの連絡に「すぐ返信する」「返事がすごく早い」という意味で使われます。
ビジネスシーンでは即レスをすると上司やクライアントから好印象をもたれる傾向があることも特徴です。
なお、即レスの反対である「返事が遅い」は「遅レス(おそレス)」「亀レス」と表現されることがあります。
即レスは何分のこと?
「何分以内に返信すれば即レスといえるか」といった基準は個人により異なり、明確な定義はありません。しかし、年齢が若いほど即レスの時間は短い傾向があるといわれています。
「即レスかどうか」は返事を受け取った側が決めるものなので、たとえばクライアントとのやりとりで即レスを求められた際には、困るかもしれません。「1時間以内なのか」「1日以内なのか」などの疑問を感じた場合は、相手がどのような認識でいるか直接確認してみることをおすすめします。
また、連絡手段によっても即レスの期待値が異なる場合があります。たとえば、メールよりもチャットでの連絡のほうが、短い時間での返信が期待されることが多いです。
ビジネスシーンでの「即レス」の使用例文と言い換え表現
ここでは、ビジネスにおける「即レス」の使用例文を紹介します。相手や状況によっては丁寧な言葉に言い換えたほうがよいケースもあるので、言い換え表現も合わせて見ていきましょう。
例文1. 営業担当は即レスが基本です。
おもに上司から部下に対して「即レス」が大事であることを伝える際の表現です。以下のように言い換えることもできます。
- 営業担当は即答が基本です。
- 営業担当は即応が基本です。
即レスは「即答」や「即応」に言い換えることができます。即応は「直ちに応じること」を意味するため、返信だけでなく対応を急ぐことを含む場合に適しています。
例文2. 即レスありがとうございます。
自分の連絡に対して、相手から想像以上に速い返信がもらえたときに感謝を伝える表現です。しかし、目上の人など丁寧な表現が求められる場面では、以下のように言い換えることをおすすめします。
- 早速のご返信ありがとうございます。
- 迅速にご返信いただきありがとうございます。
「早速」はすぐに行動すること、「迅速」は処理や動作が非常に速いことを意味する言葉です。「ご返信」と合わせれば即レスと同じように使えるでしょう。
例文3. 即レスはできません。
相手からの連絡や質問に対して、すぐに返事ができないときの表現です。丁寧な表現にしたい場合は、以下のように言い換えるとよいでしょう。
- 誠に恐れ入りますが、本件に関しては即答はいたしかねます。
- 即座のご返信は難しい状況です。
「即座」は「すぐその場」を意味する言葉です。たとえば、顧客からの連絡に対してその場で返信できない場合などに使用できます。
ビジネスシーンにおける即レスのメリット
ビジネスシーンでのメールやチャットで即レスをすると、上司やクライアントなどの相手から好印象をもたれる傾向があります。しかし、即レスを心がけることは自分自身にも大きなメリットがあります。
具体的なメリットを見ていきましょう。
確認もれや返信漏れを防げる
メールやチャットで連絡があった際に即レスすると、確認漏れや返信漏れを防ぎやすくなります。情報のやり取りを後回しにしなければ、後になって「見落としていた」という事態を避けられるでしょう。
特にビジネスシーンでの返信漏れは、重要な機会の損失や誤解を招く原因となり得ます。しかし、即レスによりこれらのリスクを大幅に減少させることが期待できます。仕事を後回しにしがちな人やタスクを忘れがちな人こそ、即レスの効果を得られるでしょう。
タスクを管理しやすくなる
即レスは対応すべきタスクが積み上がることを防ぐ効果があるため、タスク管理しやすくなるのも大きなメリットです。
即レスは「自分が対応して返信する」だけなく、「タスクを担当者に割り振って返信する」場合もあります。そのため、自身が抱えるタスクの負担を軽減することにもつながります。
ほかの人に割り振ることで負担が減り、タスク管理がしやすくなるでしょう。
仕事がスムーズに進む
ビジネスシーンでは、問い合わせや仕事の依頼を「ボールを投げる」と表現することがあります。このボールのやり取りを即レスによって加速させることでプロジェクトの進行速度が早まります。
たとえば上司の許可が必要な場面では、即レスをしてもらえることで、すぐに次の作業に取り掛かることができます。
また、「即レスする相手には即レスで返す」という傾向もあるため、お互いが即レスすることで仕事がサクサク進むようになるでしょう。
チームワークが高まる
チームの仕事において、即レスを心がけることでタスク管理や情報共有がスムーズになり、結果としてチーム内での作業効率や生産性が高まります。
また、チーム内で発生した問題やトラブルに対して迅速に対応するためにも即レスが不可欠です。即レスによって、解決策を考えるための情報がすぐに集められれば、早急な問題解決が可能となるでしょう。
信頼関係の構築につながる
即レスによる迅速なコミュニケーションは、ビジネスパートナーとの信頼関係を構築するうえでも重要です。
ビジネスでは相手との良好な関係が重要となるため、コミュニケーションが不可欠です。即レスを通じてお互いの意見や期待を伝え合えれば、短い期間でも信頼関係は深まるでしょう。
相手にストレスを与えない
ビジネスにおける返事の遅れは、仕事やタスクの停滞を引き起こしたり、関係する人たちにストレスを与えたりすることがあります。そのため、相手からの連絡・質問に対して即レスをすることは、相手のストレス軽減にもつながります。
返信が遅れると不安を感じることがありますが、即レスによって相手に不要な心配をかけず、ストレスフリーなコミュニケーションを実現できるでしょう。
ビジネスシーンにおける即レスのデメリット
即レスにはメリットが多いですが、デメリットもあるので確認しておきましょう。
仕事の効率が下がる可能性もある
即レスは仕事の効率を高めるメリットがありますが、即レスを意識しすぎると逆効果となる可能性があります。相手への返信を優先するあまり自分のタスクが後回しになるためです。
また、常に即レスを意識してスマホを気にしていると、心が休まらず緊張状態に陥ることがあります。ときには「ここまで終わるまで連絡は確認しない」などのルールを決めて、集中力が切れない工夫をすることも大切です。
仕事を頼まれすぎる可能性がある
常に即レスをしていると、「いつでも対応してくれる人」と認識される可能性があります。多忙な状況のなかで即レスをすると「あの人ならすぐに対応できるはず」という期待を生み、結果として仕事の負担が増えることも考えられます。
このような誤解をもたれると時間管理や優先順位の設定が難しくなり、仕事がいっぱいいっぱいになることも。即レスは、なんでも了承・承諾することとは異なるので、対応が難しい場合は断ることも大切です。
即レスが苦手!ビジネスシーンでの即レスのコツ
つい返信を後回しにしがちな人やタスクを抱え込みがちな人など「即レスができるようになりたい」と考える人もいるでしょう。即レスは上司やクライアントにもよい印象をもたれやすいので、コツを抑えて実践すればキャリアアップのきっかけにもなるはずです。
ここでは、ビジネスにおける効果的な即レスのコツを紹介します。
結論が出なくても取り急ぎ返信する
「即レス=結論を急ぐこと」ではありません。ときには、相手からの連絡に対してすぐに結論を出すことが難しいこともあるでしょう。メッセージを確認した旨を簡単に返信することが大切です。このような場合、「メッセージを受け取ったこと」だけでも返信すれば、相手に安心感を与えることができます。
ただし、返信したことだけに満足して検討や対応が遅くなっては意味がありません。返信と同時にタスク管理ツールなどに書き込み、対応日や期限を決めるところまで合わせて行っておきましょう。「◯日までに返答します」と期日も合わせて返信するとより効果的です。
優先順位を決めつつ、即レスできるものはすぐ返信する
すべてのメッセージや要求に即座に応えることが難しい場合、問い合わせを緊急度と重要性にもとづいて優先順位をつけましょう。優先順位をつけることで「どのメッセージに最初に対応するべきか」「どれを後回しにしてもいいか」が明確になります。
また、重要なメッセージより後に受信したものでも、即レスが可能なものはすぐに返信することもポイントです。そうすることで、本来即レスできる案件を先延ばしにしてタスクが積み上がることを防げます。
即レスする際に気をつけたい注意点
相手や状況によっては、即レスが適さない場面もあります。ここでは、即レスにおける注意点を紹介します。
適当な返信はしない
即レスを意識するあまり、適当な返信にならないように注意が必要です。誤解を招く情報や質問の意図と異なる回答をしてしまうと、結果的にやり取りの回数が増え相手に余計な手間をかけさせてしまうかもしれません。
正確な返信が即座にできない場合は無理に結論を急ぐのではなく、まずはメッセージを受け取ったことを伝えたうえで後日回答する旨を伝えましょう。
相手への敬意を忘れない
即レスをする際でも、常に相手への敬意を忘れてはいけません。関係性に応じて簡潔な返信が適切な場合もありますが、不適切な言葉遣いをすると相手を不快にさせてしまう可能性があります。言葉遣いやマナーを意識したうえで、迅速に返事を心がけましょう。
即レスが適切でないシーンもある
すべての状況で即レスが求められるわけではなく、即レスが適切でないシーンもあることの理解も重要です。たとえば即レスが苦手な人の場合「自分も早く反応しなければならない」と感じ、精神的な負担となるかもしれません。
また、よく考えて応えなければならない問題や繊細な対応が求められる場合での即レスは避けるべきです。たとえば、同僚や部下から深刻な相談の連絡を受け取った際に即レスを意識すると、考える時間をしっかり取らなかったことで、本質とズレた回答をしてしまうことにもなりかねません。
どのような場面でも即レスするのではなく、適切なバランスを見つけることが重要です。
恋愛における即レスの有効性は相手による
ビジネスにおける即レスには多くのメリットがありますが、恋愛での即レスは、相手の性格や関係性によってその効果が変わってきます。即レスがプレッシャーとなったり、やり取りを煩わしく感じたりする人もいるため、相手によっては逆効果となることもあるでしょう。
また、意中の相手に「ガツガツしている」と思われるのを避けるためや、返信が遅いことで自分を気にしてほしいという気持ちから、あえて返信を遅らせる「かけひき」を用いる人もいます。
恋愛においての即レスは、相手の反応を見ながらうまくバランスを取ることが大切です。
効果的な即レスで仕事の効率を上げていこう!
ビジネスシーンにおける即レスは、仕事をするうえで多くのメリットがあります。返信をすぐに行うことでタスクが効率的に片付き、スムーズに仕事を進められるでしょう。ただし、即レスを過度に意識しすぎると逆に作業効率が低下することもあるため、「返信をするタイミングを決めておく」などのバランスも重要です。
また、即レスをする前に「相手が即レスを望んでいるか」を見極めることも重要です。もし相手が即レスよりも熟考された回答を期待している場合は、その要望に応えるように心がけ、慎重に返信を行いましょう。