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イベント情報

伝統を守りつつ進化する 今どき花の応援団

伝統を守りつつ進化する県内の4つの高校・大学の応援団を紹介

熊本県高校総体に続き、全国高校野球選手権熊本大会が開幕します。主役は選手だけではありません。観客席で演武する応援団にとっても晴れ舞台です。応援団はかつては男子ばかりでしたが、近年は女子団員も増加していることをご存じですか? 伝統を守りつつ進化する県内の4つの高校・大学の応援団を紹介します。

熊本学園大学学生自治会応援団 団長 南 翔也(しょうや)さん(4年)
熊本大学体育会応援団リーダー 団長 高野 真心(まなか)さん(4年)
済々黌高校応援団 団長 中山 愛那(あいな)さん(3年)
熊本工業高校学校応援団 団長 合澤 昊之(ひろゆき)さん(3年)

目次

明るく華やか これが令和流

各校の応援団は伝統を重んじながら、時代に合わせたスタイルを追求しています。共通するのは明るく、そして華やかな雰囲気。これが令和流の応援団です。

[50年超の歴史]熊本工業高校学校応援団

和気あいあいの雰囲気 女子団員もりりしく演武

熊本工業高校の応援団は部活動ではなく、生徒会活動です。団員は生徒の代表という位置付けで、普通の学校制服で活動するのが伝統。初めて女子が入団したのが2006年ごろで、09年に初の女子団長が誕生したそう。現在、女子は3人。和気あいあいの雰囲気は、まさに「今どき」です。部活動の大会で応援するほか、始・終業式では校歌斉唱をリードします。

同校では毎年4月、新入生と2・3年生との対面式があり、その後に応援団が新入生に校歌を指導するのも伝統です。団員の杉本芽衣さん(1年)は、「先輩たちが指導する姿を見て憧れて入りました」と笑顔で話してくれました。

注目!

身に着けることが伝統となっている学生帽、腕章、白手袋
現団員は男子2人、女子3人

[団長は67代目!]済々黌高校応援団

団員は3年生4人(うちマネージャー1人)、2年生2人。そして4月に1年生4人が入団しました
伝統を守り改革も推進 団員増えて10人で活動中

済々黌高校応援団も近年、女子部員が増えていて、さまざまな改革を進めています。けん引しているのは、第67代団長の中山愛那さんです。

中山さんは入学時に空手部に入りましたが、当時の応援団が団長1人だったことから、「伝統を終わらせてはいけない」と兼部での入団を決意。団員を増やすため、(1)他の部活動との掛け持ちOK(2)慣例だった1年中の学ラン着用を廃止(3)活動時の学ランを新調─など入団しやすい環境づくりに努めています。部員は現在10人。「一昔前のピリピリとした雰囲気が和やかなものになっています」と顧問の濵崎雅己教諭は話します。

注目!

右は2年前に新調した学ラン、左は代々受け継いできた学ラン
声出しの練習の様子

[1946年創部]熊本大学体育会 応援団リーダー部

熊本大応援団にはチアリーディング部「ブレイジーズ」もあり、一緒に練習したり、応援したりすることも
インスタグラム開設 団員獲得に向け情報発信

五高時代に創部の歴史ある熊本大学体育会応援団リーダー部。現在所属しているのは女子団長の高野真心さん一人です。入学式で応援団が披露した演武に魅了され、「自分もやってみたい」と入団したそう。1学年上の先輩、同級生、後輩がいなかったため、高野さんが3年時に一人体制に。それでもOBにサポートしてもらいながら練習を続け、式典や演武会で披露しています。

10種類超の演武と腕章・襟章を受け継ぎ、演武中は化粧NGといった伝統を守る一方、団員獲得に向け公式インスタグラム(「熊大応援団」で検索)を開設するなど新しいことにも挑戦中です。

注目!

歴史を感じさせる腕章は代々受け継がれてきたもの。ちなみに、キリッとした髪形にするのも伝統とのこと

[1963年創部]熊本学園大学 学生自治会応援団

毎週土曜にOBの指導を2時間ほど受けながら練習しているそう。部活動の壮行会でエールを送ったり、式典で演武を披露したりしています
伝統の長ラン姿 健在 楽しい雰囲気づくり進める

今年で創部60周年の熊本学園大学学生自治会応援団。リーダー部4人とチアダンス部16人からなり、団長の南翔也さんが全体をまとめます。ひときわ目を引くのが、“これぞ応援団”の長ラン姿。代々受け継がれているそうで、「着ると身が引き締まります」と話します。12種類超の演武は口伝で受け継がれ、団員以外は団旗を触ってはいけない、演武会でははかまとげたを着用する伝統も守り続けています。

一方、(1)毎日練習する(2)団長に付き人をつける(3)上下関係は厳しく─などの伝統は、団員確保や活動しやすさを考えて廃止に。「団の雰囲気は良く、楽しく取り組めています」と南さんは笑顔を見せます。

注目!

熊本学園大応援団の代名詞となっている長ランは、演武の時だけ着用。美しい刺しゅうと赤の裏地が、かっこいい!

大田黒 浩一さんに聞く「すばらしきかな、応援団」

藤崎台球場で野球の試合を応援する大田黒さん(当時)

タレントの大田黒浩一さん(66)は済々黌高校応援団OB。3年時は副団長を務めたそう。当時、団員は約30人。応援団に憧れる一般生徒も大勢いたのだとか。「練習は厳しいけれど、皆で気持ちを一つにして頑張っていたので楽しかった」と振り返ります。

その厳しさがうかがえるエピソードも。下級生が数キロ離れた立田山から学校に向かって声を出す練習があり、校舎屋上にいる先輩が両手で丸を作って「聞こえた」の合図を出すまで終わらなかったそう。「上級生になって屋上で聞きましたが、そもそも声なんて全く聞こえない距離でした(笑)」

応援団に入り人間的に成長できたそう。「へこたれない、途中で投げ出さない気持ちを培えた。大声を出す仕事が続いても喉を痛めないのは、応援団で鍛えられたおかげ」と目を細めます。

厳しかったけれど、楽しく充実の日々!

1976年、済々黌高校卒業。同校応援団OB。RKKラジオ「とんでるワイド大田黒浩一のきょうも元気!」(月〜金曜の朝9時から放送)に出演中。


今どき!団長白書

合唱団で腹式呼吸 鍛えています

中学では合唱部に所属。今も合唱団で活動しており、腹式呼吸には自信あり。テレビで甲子園の試合を見て、応援団に憧れて入団。趣味はゲーム。好きなアーティストは米津玄師。

熊本工業高校
学校応援団
合澤 昊之(ひろゆき)さん
3年

RADWIMPSのファンです

応援団に入ったことで、声が大きくなり、より積極的にあいさつをするようになったそう。好きなアーティストはRADWIMPSとショーン・メンデス。好きな食べ物は肉じゃが。猫好き。

済々黌高校応援団
中山 愛那(あいな)さん
3年

ヒップホップとバイクが大好き

心掛けているのは「見る人が頑張れるような応援」。高校では陸上部に所属。趣味はヒップホップを聴くこと、ラップバトルを見ること、バイクでツーリング。好きな食べ物は肉、魚。

熊本大学体育会
応援団リーダー部
高野 真心(まなか)さん
法学部4年

趣味はマカロンなどお菓子作り

人前で話すのが苦手だったが、応援団での経験で克服できたそう。お菓子作りが趣味で、ホットケーキやマカロンが得意。辛いものも好きで、香辛料を常に携帯する。

熊本学園大学
学生自治会応援団
南 翔也(しょうや)さん
商学部4年

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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この記事を書いた人

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