自分の歯を残すために大切なこと 総合的治療で健康な口腔環境の維持を【メディカル百科】

─「歯科医院には、不具合があるときにだけ行く」という人がいます。

確かに痛みがある時などは、その痛みを取るための治療が大切です。しかし「痛くなったら行く」を繰り返していたのでは、自分の歯を生涯残すことは難しいかもしれません。と言うのも、治療で痛みの部分は取り除けたとしても、原因はどこにあったのか、今後、症状が出ないようにするために、どのような対策を取ればいいのかを理解していないと、結局同じことの繰り返しになるからです。そのため当院では、インプラントなどの治療をする際も、必ず口腔内全てのトラブルを確認し、その原因を取り除く指導を行いながら治療を進めます。

─気になる箇所だけでなく、口腔内全体を診るということですね。

虫歯や歯周病があるのに、抜けた部分だけをインプラントにしても、結局は他の歯も同じことになりかねません。その場しのぎの治療ではなく、5年後、10年後に健康な口腔環境を維持できるかを考慮した、総合的治療を大切にしています。

─総合的治療とは。

まずは正確な診査と正しい診断です。それを基に、的確な治療、そして予後のケアまで含めたトータルな治療を進めます。総合的な治療を進めると、自分では気付きにくい習癖やかみ合わせなどからもアプローチできます。そのため、虫歯や歯周病を発症する前の“未病”段階で口腔環境をコントロールでき、結果として長く自分の歯を残せることにつながるというわけです。目の前の気になる箇所だけでなく、総合的治療で口腔全体の健康を手に入れましょう。