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「無痛分娩」は本当に痛くないのか 事前に理解を深めて選択を【メディカル百科】

慈恵病院

目次

産婦人科編

妊婦さんにとって大きな助けとなる「無痛分娩」。無痛という言葉から、痛みがなく出産できるようなイメージですが、無痛分娩は本当に痛くないのか、専門医に詳しく聞きました。

慈恵病院 理事長・院長 蓮田 健氏
─無痛分娩とは。

麻酔や鎮痛剤を使用して陣痛の痛みを和らげながら行う分娩法です。無痛分娩で最もよく用いられているのが、硬膜外麻酔と呼ばれる麻酔法です。これは、腰や背中に細いチューブを挿入し、そのチューブに麻酔薬を注入する方法です。麻酔薬を注入すると、5~10分で陣痛が和らぎ始めます。下半身の感覚は鈍くなってきますが、上半身の感覚は普通で意識もはっきりしています。

─無痛分娩なら痛くないのですか。

自然分娩に比べて痛くないのは間違いありません。ただ、それが産婦さんにとって必ずしも満足できるものであるとは限りません。無痛分娩では、麻酔チューブが挿入されると試験的に麻酔薬を注入します。その後30分~1時間くらいは痛みがありませんが、麻酔が切れてくると痛みの感覚が戻ってきます。そこで、産婦さんが「痛くなってきたので麻酔薬を追加してください」と希望されれば、それに応じて麻酔薬を追加します。すると、その10分後くらいに再び痛みが和らいできます。無痛分娩では、このように痛い時間帯が発生し、これを繰り返しながら赤ちゃんが出てくるのを待つのです。

─全く痛くない状態にもできますか。

麻酔薬の量を多くすれば可能です。しかし、量を増やすと陣痛が弱くなり分娩が進行しにくくなるため、麻酔薬を少なくせざるを得ません。例えば、「赤ちゃんの頭が大きい、頭の向きが理想の方向からずれている」「陣痛促進剤を使ってもなお陣痛が弱い」「初産で子宮や腟が硬い」などの状況では分娩の進行が遅くなってしまう傾向にあります。

─経産婦と初産婦では違うのですか。

一般的には経産婦さんのほうが無痛分娩の満足度が高い傾向にあります。経産婦さんは分娩の進行が比較的順調なため、初産婦さんに比べて多めの麻酔薬を使えるからです。特に、上のお子さんが自然分娩だった方が無痛分娩を経験されると、麻酔の効果に驚かれることが少なくありません。逆に、分娩が急速に進んでしまい、麻酔の効果が追いつかない場合や、麻酔チューブの位置が左右どちらかに偏ってしまった場合には無痛分娩でも痛くなります。無痛分娩を選択するにあたっては、「こんなはずではなかった」ということにならないように、事前に理解を深めていただくのが良いと思います。

店舗情報

医療法人 聖粒会 慈恵病院

住所熊本市西区島崎6-1-27
TEL096-355-6131
診療科目・内科 ・内分泌内科 ・消化器内科 ・小児科 ・麻酔科 ・産婦人科(産科・婦人科)・内視鏡婦人科・糖尿病代謝内科・乳腺外科
診療時間/産婦人科月~金曜/9時~11時30分・13時30分~17時(木曜は午前中のみ)、 土曜/9時~11時30分・13時30分~17時 ※産婦人科の急患の方は、いつでもご来院ください。
診療時間/内科月~土曜/9時~12時・13時30分~17時(木・土曜は午前中のみ)
診療時間/小児科月~土曜/9時~12時・13時30分~17時(木曜は午前中のみ)
診療時間/麻酔科金曜/13時30分~17時
面会時間平日14時~20時、日曜・祝日10時~20時
備考※麻酔科および妊婦健診は予約制です  ※手術や分娩によっては診療時間が変更になる場合があります

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記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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