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病状や年齢などに応じて選択 さまざまな「骨盤臓器脱」の治療法【メディカル百科】

慈恵病院
慈恵病院 理事長・院長 蓮田 健氏

目次

産婦人科編

あまり聞き慣れない女性の病気「骨盤臓器脱」。以前は、子宮脱や腟(ちつ)脱などと呼ばれていたそうです。治療法は病状に応じてさまざまだといいます。専門医に詳しく聞きました。

─骨盤臓器脱とは。

女性の骨盤にある、子宮、腟、ぼうこう、腸が下がってくる病気です。病気が軽い間は、「何か下がってくる感じがする」「陰部に違和感がある」という症状なのですが、進行すると、「股間に何か挟まった感じがする」「ピンポン玉みたいなものが出てきた」という症状になります。最も進行した状態を完全子宮脱と呼ぶことがありますが、この場合、股間に肉の塊がブラブラとぶら下がった状態になります。出てきた子宮や腟が股の間に挟まって、歩きにくくなったり、出てきた腟がこすれてヒリヒリしたり、出血することもあります。

─骨盤臓器脱は珍しい病気ですか。

骨盤臓器脱は一般にはほとんど知られていない病気ですが、以前、8000人以上の女性にアンケート調査をしたところ、60歳以上の女性の約6%に症状がありました。前述のような症状でお悩みの女性は意外と多いのです。

─治療法は。

骨盤臓器脱の治療法はさまざまです。2000年以上前には、患者さんの足に縄を巻いて逆さ吊りにして、出てきた子宮を引っ込めようとしたそうです。現代の治療法としては、ペッサリーと呼ばれる器具を腟の中に入れる方法と手術があります。ペッサリーの良い点は入院をせずに外来で治療できるところです。ただ、ペッサリーは定期的に入れ替えをする必要があるため、それが面倒だと感じる方もいます。

─手術はどのように行いますか。

手術にもいろいろな方法があり、これまで多く行われてきたのは、子宮を摘出して腟を縫い縮める方法です。最近ではメッシュと呼ばれる補強材を腟の裏に挿入したり、腹腔鏡と呼ばれる器械を使うやり方も行われています。入院中の患者さんの中には「隣室の患者さんは、私と同じ日に手術を受けたのに、私とは違う手術法だった」と尋ねる方もいらっしゃいますが、骨盤臓器脱では患者さんの病状や年齢、夫婦生活の有無などによって選択する手術が異なります。また、この病気が60代以上の方に多いことを考えると、その方の体力、持病の有無も治療方針を決める上で大事な要素です。一律に同じ手術というわけではありません。この病気では99%命に関わる危険はありません。しかし、症状があるものの誰にも相談できず、「年だから仕方ない」と諦めている方もおられます。治療で治りますので、積極的な受診をおすすめします。

医療法人 聖粒会 慈恵病院

住所熊本市西区島崎6-1-27
TEL096-355-6131
診療科目・内科
・内分泌内科
・消化器内科
・小児科
・麻酔科
・産婦人科(産科・婦人科)
・内視鏡婦人科
・糖尿病代謝内科
・乳腺外科
診療時間/産婦人科月~金曜/9時~11時30分・13時30分~17時(木曜は午前中のみ)、 土曜/9時~11時30分・13時30分~17時 ※産婦人科の急患の方は、いつでもご来院ください。
診療時間/内科月~土曜/9時~12時・13時30分~17時(木・土曜は午前中のみ)
診療時間/小児科月~土曜/9時~12時・13時30分~17時(木曜は午前中のみ)
診療時間/麻酔科金曜/13時30分~17時
面会時間平日14時~20時、日曜・祝日10時~20時
※麻酔科および妊婦健診は予約制です ※手術や分娩によっては診療時間が変更になる場合があります

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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