咳・くしゃみの時の尿失禁手術治療の翌日から症状改善【メディカル百科】
産婦人科編
咳・くしゃみの時に尿がもれてしまうという女性は少なくないよう。デリケートな部分の悩みは受診をためらいがちですが、治療によって、多くの人が翌日から症状が改善されるといいます。専門医に詳しく聞きました。
─尿失禁とは。
尿失禁は一般に「尿もれ」という言葉で表現され、無意識のうちに尿がもれてしまう現象をいいます。女性の40%〜50%に尿失禁があるといわれていますから、意外に多く見られます。
─なぜ、女性に多いのですか。
もともと、女性の体は男性に比べて尿失禁を起こしやすい構造をしています。例えば、男性の尿道は20㎝と長く、かつ2カ所折れ曲がっています。それに対し、女性の尿道は3〜5㎝と短い上に、まっすぐです。また、男性の尿道の周りには、しっかりとした筋肉があって尿道を支えているのですが、女性の場合は、その筋肉が弱い傾向にあります。患者さんの中には、尿失禁のせいで、外出や旅行、スポーツを控える方もおられ、外出できないと気持ちも落ち込んでしまいます。
─治療について教えてください。
尿失禁は大きく、「切迫性尿失禁」と「腹圧性尿失禁」に分けられ、それぞれ治療法が異なります。切迫性尿失禁は、トイレに行きたいと思った時に、トイレに行き着くまでに我慢できずもれてしまうものです。この失禁では、内服薬の治療が中心になります。一方、腹圧性尿失禁は重い物を持ち上げた場合など、おなかに力が入った時や、咳やくしゃみをした時に尿がもれてしまうものです。この尿失禁には手術が有効です。
─どのような手術ですか。
中部尿道スリング手術と呼ばれるもので、尿道の下に細いテープを埋め込む手術になります。尿失禁の患者さんでは、尿道の周りの筋肉が弱くなっているため、このテープは弱くなった筋肉の補強材になります。
─手術の効果は。
手術の効果は劇的です。手術の翌日には、今まで困っていた尿失禁がピタリとなくなってしまうため、患者さんは最初、信じられないようですがとても喜ばれます。手術時間は30分程度で、手術の翌日には退院できるので、患者さんには負担が少なく、手術に伴うトラブルが少ないという点でも、この手術は優れています。
─尿失禁は手術で治るのですね。
この手術が有効なのは、咳やくしゃみをした時や、おなかに力が加わった時にもれるタイプの尿失禁に限られますが、約90%の患者さんに有効といわれています。いずれにしても、尿もれにお困りの方は、一度ご相談いただくのが良いと思います。
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