「保護猫を助けたい」高校生の取り組み【村上美香のヒトコトつれづれ】
小学生の頃、近所の空き地で段ボールに捨てられていた子犬を見つけました。家に連れて帰ると、母から「あなたは子どもだから、何も世話ができないでしょう? 自分で飼えるまで待ちなさい」と言われ、泣く泣く元の場所へ戻しました。その後、空き地へ通い、友人たちと給食のパンなどを与えていましたが、ある日、段ボールごとなくなっていました。
そして大人になり、犬を飼うことがきっかけで保護犬猫の取材を始めました。人に見放された犬猫を見るたびに、あの段ボールの犬たちと「子どもには何もできない」と言われて諦めたことを思い出します。でも、「大人でなくてもできることがある」。そう思える活動がありました。
八代清流高校の生徒による保護猫譲渡会です。動物好きの高校生が集まって、「自分たちが主催する譲渡会を開きたい」と、譲渡会チームを結成。彼女たちは1年間、専門家に話を聞いたり、ボランティアで譲渡会に参加したりして、さまざまな角度から保護猫のことを学んだそうです。そして3月、動物愛護団体「八代ニャンズ助け隊」などの協力を経て、ついに譲渡会を開催。当日の準備もスケジュール立ても発信も、全部高校生たちの手作りです。
当日は譲渡会だけでなく、猫を飼うときに取りそろえるものや、TNR(不妊去勢手術)についてなどの展示もあり、学びの多い譲渡会になっていました。「かけがえのない命を1つでも救いたい」という思いと取り組み。彼女たちの行動力に感動し、大人としてサポートしたいと思いました。