高専出身大学生だから見えた!大学生と高専生の違い!?【熊大生のイマドキヒマドキVol.69】

Taishi
高専から熊大に編入してきた工学部3年生。趣味は読書とNETFLIX鑑賞。


私は、本年度、高専から熊本大学に3年次編入しました。
これまでの大学生活を経て、自分が思っていた大学生のイメージというのが少しばかり変わりました。その一方で、大学生側は高専生にどんな印象を抱いているのか気になりました。
そこでこの記事では、「高専生から見た大学生とは?」、逆に、「大学生から見た高専生とは?」、「いや、そもそも高専って何なのか?」というテーマを通して、高専と編入について読者の皆さんに知ってもらえればいいなと思っています。
高専とは
高専(工業高等専門学校)は、中学校卒業後に5年間通う教育機関で、卒業時に準学士の学位を取得できます。
多くの人が高校に進学し、その後大学進学や就職を選択するのに対し、高専では高校と大学の内容を統合した専門教育を、より実践的に学ぶことが特徴です。
高専には機械系、電気情報系、化学系、建築学系などの学科が設置されており、技術者の育成を目的としています。設立の背景には、高度経済成長期における産業発展に伴う技術者の需要があり、国立高等専門学校機構を前身として創設されました。
一般に「工業高校の5年間版」と誤解されることもありますが、高専は教育の仕組みや内容が大きく異なります。高専では大学に近い専門教育が施され、教員の多くが博士号を取得している点も特徴です。1年次から高等教育レベルの専門科目を学び、実験や演習を充実した設備のもとで早期に開始します。
最終学年の5年生では、各学科の研究室に配属され、1年間の卒業研究を行います。卒業論文の作成と発表を経て、審査に合格すると卒業となります。
このように、高専は理論と実践を重視し、社会で即戦力となる技術者を育成する専門機関です。
編入とは
編入とは、主に短大生や高専生が卒業後に大学へ進学し、3年次から学ぶことを指します。編入すると、高専や短大で取得した単位は、編入先の大学の2年次までの科目へと単位変換されます。
理系の編入試験は、推薦入試を皮切りに5月中旬から8月下旬にかけて実施されます。試験期間は大学ごとに異なるため、複数の大学を受験することも可能です。
試験科目は千差万別ですが、大まかに分けると、①専門科目とTOEICを課すタイプ、―②物理・化学・数学・英語(またはTOEIC)を課すタイプ―の2つに分類できます。どの大学も面接は避けて通れません。
私の受けた試験では、専門科目の筆記試験と面接が課されました。しかし、募集要項には出題範囲の明確な記載がなく、過去問も存在せず、私はまるで霧のかかった雑木林を歩くような気持ちで受験勉強をしました。
どこに何があるのか分からない、進めば進むほど道が合っているのか不安になる、そんな状態でしたが、幸いにも運よく合格できました。
このように、編入試験は情報が圧倒的に不足しています。先輩のつてがなければ、方向性を見誤り、気づけば面かじいっぱいで三途の川に船を漕ぎ出していた、などということにもなりかねません。
もし編入を考えているなら、情報収集を怠らず、進むべき航路を見定めることが肝要です。
高専生(編入生)から見た大学生



高専にいた時と大学に入ってからで、大学生へのイメージ変わった?
そう同学科の友人A君に尋ねてみた。


実験の手際が良く、レポートも完璧に仕上げる、まさに高専叩き上げのA君。
僕の問いに、彼はニヤリと口角を上げ、右手の親指で下唇を押さえながらこう答えた。



キャピキャピだな、キャピキャピ……。要するに、「恋愛も遊びもマスターだぜ!」みたいな人ばかりかと思ってたんだよ。
でも実際は思っていたよりみんな真面目で、まあ恋人持ちは多いけど、ちゃんと勉強もしてる。なんか、まっとうに生きてる。そう感じたな……。眩しすぎる……。
そのどこか、はかなげな語り口に、僕はふと、防災行政無線の午後5時のチャイム、「夕焼け小焼け」を思い出した。
A君の他に、編入生の友人数名にも聞きましたが、みんな口裏合わせしたかのように同じ事を語りました。そして、僕も彼らと同じ意見です。
高専5年間、編入生の僕たちは、それなりに真面目に勉学に励んできたのですが、大学生の多くは、勉学のみならず、恋愛も遊びも充実していたのか……。
この文章を書いていると、またしても、どこかはかない気分が僕を包み込み始める。もうこれ以上書くには精神が持たない…………。次の話題に移ろう……。
大学生から見た高専生



大学生が想像する高専生ってどんな感じ?
大学生の友人・知人に聞いてみました!
そして、それぞれの意見に対して、自分の感想を述べてみました。



賢いからやる事ちゃんとやるけど学生の楽しみも存分にやり切ってる感じがする!



賢い……うれしい!人に寄るけど、要領が良い人は多い気がする。趣味とか特技持ってる人が多くて、突き詰めてる人多いかも!



良い意味で変わっている



同学科の優しいM君の意見です!頻繁に関わりのある人間からの意見は参考になります!確かに変わってる人は多い。でも話してみたら意外と良い人多いと思う!



女の子少ない。就職めっちゃ有利。テスト難しそう



女の子は少ない!けど、化学系と建築系の学科は男女比率1:1が多いかな。就職はめっちゃ有利なのは確かだね。テストは赤点60点だけどちゃんと勉強すれば大丈夫な科目が多いよ!



社会通念に疎い



グサッ…。この言葉を聞いた瞬間、私はいろいろな出来事が鮮明に脳内をよぎりました。この記事の執筆も予定より超過しています。申し訳ありません。



得意不得意の差が激しい



勉強だと文系科目が不得意な人は多いイメージ。でも他の事に関しては、高専生だからこれが苦手って事はないかな。
今回のインタビューを通して、意外とみなさん高専生への理解度が高い事が分かりました!
たしかに高専には、個性豊かな人は多いイメージがあります。女子が少ないと思われがちですが、それは学科によると思います!
また、高専は、文化祭や体育祭でコスプレをする人が多いです!




みなさん、クオリティーが高いですね!
まとめ:高専生(編入生)と大学生を取材してみて…
今回は、高専生と大学生の違いについて取材してみました。
高専から編入して1年弱、自分が思っていた大学生と実際の大学生との印象の差に少し驚かされました。
そして、大学生側もまた、「高専生への印象が変わった!」という人もいましたが、意外と想像していたイメージと被っていて驚きでした。
最近は、Youtubeなどで高専出身Youtuberが活躍するなど、高専の認知が広がっている事にも関係しているのかもしれません。
今回の記事を通して、高専について、そして編入について皆さんに知ってもらえたら何よりうれしいです!