絵本に触れる機会の少ない親子のために 軽ワゴン車で出張販売し魅力伝える【すてきびと】

図書館で司書として働く傍ら、絵本の移動販売を行っています。本棚を備え付けたライトグリーンの軽ワゴン車に約500冊の絵本を積み、月3回のペースでマルシェなどに出店。「絵本は、2000冊以上ある手持ちからイベントごとに来場者をイメージしながら選びます」。人気の絵本や、吉田さんが小さい頃に読んでいた作品などさまざまです。

以前は飲食店の2階を借りて絵本店を営んでいましたが、「絵本に興味がない人にも触れてほしい」と5年前、移動販売をスタート。出店していると、たまたま立ち寄り絵本を手にする親子連れも多いそう。「普段の生活が忙しくて図書館や書店に行く時間がない親子は多い。移動販売が絵本と出合うきっかけになれば」と話します。

クリスマスに、県内の児童養護施設の子どもたちに一人一冊、絵本を贈る活動も5年目。SNSで寄付を募り、これまで約1500冊を贈りました。「大人から絵本を読んでもらった温かい記憶は、かけがえのないものとなり成長の糧になります。今後もその機会をつくるお手伝いをしたい」と未来を語ります。