キャリアアップのためにできること 後編
キャリアアップの捉え方やプランの立て方などを学んだ前編。後編では、自分の理想とする姿に向けキャリアアップを果たした人に話を聞きました。また熊本県が実施している支援についても紹介します。
アクションを起こし次の目標の足掛かりに
前編では、キャリアアップを実現するため、将来的に自分がどうありたいのか理想とする姿(目標)を思い浮かべ、その目標までの具体的な行動計画を立てることが重要だと学びました。
目標に近づくためには自らアクションを起こすことが大切。思いも寄らない成果を得たり、キャリアブレーク(一時休息)を取ることで、新たな気付きや進むべき道が見えてきたりすることがあります。
今回紹介するのは、これらを実践した2人。キャリアは人生においてダウンしたり、途切れたりすることはありません。それぞれのアクションは次の目標の足掛かりとなり、確実にキャリアアップにつながっています。
私たちの実践例
どのような行動がキャリアアップにつながったのでしょうか。ヒントが見つかるかもしれません。
case1/社内でキャリアアップ
課題を可視化し共有、改善図り昇進
2年半前、野菜や果物を冷凍加工する今の会社に転職。生産ラインの作業と指導を担当しています。私は前職の管理業務で培った現場での組織マネジメント力を生かし、会社の目標である「生産量の増加」を達成することを自分の目標に設定しました。
以前働いていた会社ではスタッフの入れ替わりが激しく、スキルの継承が難しかった経験を踏まえ、目標達成には働きやすい環境が大切と考えました。そこで私はスタッフと積極的にコミュニケーションを取って課題を洗い出し、やる気がアップするような声掛けを始めました。また、朝礼では一日の生産目標を共有、午後の作業前に他に工夫できる部分がないか、スタッフに相談・提案する姿勢で試行錯誤を重ねました。同じ規格の製品を作るため、正しい規格を写真で示すなど改善を続けた結果、現在では一日の生産量が3倍に増加。達成した時はみんなで喜び、充実感でいっぱいでした。
これまでの取り組みが認められ、4月には主任に昇格。次の目標は品質管理や営農指導を経験することです。得られた経験は生産ラインに生かしたいと考えています。
case2/キャリアブレークで新たな目標
退職後の学びをきっかけにリスタート
前職では、営業、人事、経営などマネジメント全般に関わる仕事を任されていました。とにかく数字に追われる日々。心身共にギリギリのところで仕事をしていました。限界に達し、いったん仕事を辞める選択をしたのが4年前です。
その後、通い始めたプログラミング教室では、以前の職歴や肩書は何も通用しませんでした。さまざまな境遇の仲間とチームを組み、地域の課題を解決したことで、単なるIT技術の習得ではなく、課題を解決する力を付けることの重要性に気付き、これを仕事にできたらと思い始めました。
その頃、氷河期世代の就労を支援する県の事業を受講。担当のキャリアコンサルタントとの出会いが、女性の再就職や自立を支援し課題解決を図る今の会社に入社するきっかけになりました。入社から1年半たち、人材を育成する八代支店の運営を任されています。課題解決ができる人材を育てるという目標に一歩近づけました。
人生のリスタートに年齢は関係ありません。アクションを起こすことで、キャリアはつながっていくと実感しています。
就職氷河期世代の就労をバックアップ
熊本県では、2019年に全国に先駆けて「都道府県プラットフォーム」を設立し、バブル崩壊後の就職氷河期世代といわれる人々を対象に、社会的、職業的な自立につなげる支援を行っています。
対象はおおむね35歳から54歳の人。就労経験が少ない人や育児などで離職した人を支援するため、キャリアコンサルタントによる就労相談、スキルアップにつながるe-ラーニング講座など、働く意欲のある人を後押ししています。
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1.資格(FP、簿記、ビジネス能力、宅建など)
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3.全社共通(アンガーマネジメント、情報セキュリティなど)
4.営業/接客(営業力、電話応対、クレーム対応など)
5.経理/財務(企業経理、決算書など)
※これまでに3118人(2022年3月累計)が受講しています
就労相談からマッチングまで
同事業では、キャリアコンサルタントによるオンラインの就労相談から、就職希望者を企業に紹介するマッチングまで幅広く支援しています。