年金を受け取れないなどのリスクが発生 一定条件で納付が免除・猶予される制度も【知りたい!お金の話】

【今回のスタディー】国民年金保険料の滞納
多くの人は65歳以降、年金生活に入ります。ところが、老後のために貯蓄をする方が大切と考え、年金の保険料を滞納している人もいるようです。国民年金の保険料を支払うのは国民の義務であり、納めないことによるデメリットは大きいです。主に次の三つの不利益が生じます。
まず、滞納期間の分は将来の年金額に反映されず、受給額が減ることです。また、納付期間と受給資格期間(免除期間)の合計が10年に満たないと、老後に受給できる年金額は発生しません。65歳までに資格期間が10年に満たない場合、最長70歳まで国民年金に任意加入すれば、最低限の年金は受け取れるようになります。
二つ目に、「障害年金」や「遺族年金」を受け取れなくなります。国民年金制度には、老齢年金だけでなく、自分が、けがや病気などで障害認定を受けた際に受け取れる障害年金と、自分が死亡したときに遺族が受け取れる遺族年金があります。これらは、国民年金の保険料を納めることで受給できる年金です。
そして三つ目が、iDeCoに加入できなくなることです。国民年金の保険料納付を未納や免除(全額・一部)または猶予されている第1号被保険者は、iDeCoに入れません。ただし、過去に未納や免除があった場合でも、現時点で支払っていれば加入することができます。
経済的な理由で納付がどうしても難しい場合は、申請により、保険料の免除制度や納付猶予制度を利用できます。いずれかを利用すると、資格期間の10年にカウントされます。ただ、納付猶予は年金額には反映されません。一方、いずれかの制度を受けた期間中に、病気・けがで障害や死亡といった不測の事態が発生し、一定の要件に該当する場合は、障害年金や遺族年金を受け取ることができます。
保険料の免除と猶予の年金受給への影響
| 受給資格期間への算入 | 年金額への反映 | 障害基礎年金、遺族基礎年金の受給 | |
|---|---|---|---|
| 納付 | あり | あり | あり |
| 免除 | あり | あり※ | あり |
| 猶予 | あり | なし | あり |
| 未納 | なし | なし | なし |
| 受給資格期間への算入 |
|---|
| 納付 あり |
| 免除 あり |
| 猶予 あり |
| 未納 なし |
| 年金額への反映 |
|---|
| 納付 あり |
| 免除 あり※ |
| 猶予 なし |
| 未納 なし |
| 障害基礎年金、遺族基礎年金の受給 |
|---|
| 納付 あり |
| 免除 あり |
| 猶予 あり |
| 未納 なし |
国民年金保険料の免除・猶予制度
免除制度は、本人・世帯主・配偶者の前年所得が一定額以下など、保険料を納めることが経済的に困難な場合、申請が承認されると保険料の納付が免除されるものです。免除額には、
- 全額
- 4分の3
- 半額
- 4分の1
―の4種類があり、前年所得の額によって決まります。
一方、猶予制度は、50歳未満で本人・配偶者の前年所得が一定額以下の場合、申請により保険料の納付が猶予されます。国民年金の保険料は通常、納付期限から2年を過ぎると納められなくなりますが、申請が承認され、保険料の納付が猶予されると、10年以内の保険料をさかのぼって納める(追納)ことができます。免除された場合も同様に追納できます。
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