熊本の猫島・湯島で癒やしの島旅!人より多い猫たちと出会う秋の休日

熊本・上天草市の沖に浮かぶ湯島は、島民より猫の数が多い「猫島」として人気の癒やしスポット。
約250匹の人懐っこい猫たちが暮らすのどかな島では、猫たちとの出会いや、地元の海鮮グルメ、猫グッズを販売するお店など、秋の行楽シーズンにぴったりの癒やし旅に出かけませんか。湯島へのアクセスもご紹介します。
猫と出会える場所は湯島南側の海沿い
上天草市の江樋戸(えびと)港から船で約25分、猫島・湯島へ。港には「湯島猫神」の石像が立っており、猫島気分を盛り上げてくれます。この石像に隣接するフジ棚の木陰には、キジや茶トラなどさまざまな柄の猫たちが集まってお昼寝中。カメラを向けても、なでても、全く動じないほど人懐っこく、心が和みます。
こうした猫と出合える場所は南側の海沿いに数カ所あり、エリアごとにすんでいる猫たちも異なります。散策の途中、樹形がハート形のアコウの木の下では、額に毛筆で書いたような「八」の模様がある白地の猫「八(はち)」を発見し、触れ合うことができましたよ。


猫の名前や個性を知れば、楽しさ倍増


湯島の猫たちには、島民が付けた愛情たっぷりの名前があります。それぞれの個性や見分け方を知れば、島での散策がもっと楽しくなります。「湯島猫神」像の周辺で出合える猫を紹介します。


伝説のボス猫「ロース」の子孫。港界わいイチのぽっちゃりさんで、“メタボン”の別名も。
ぽっちゃり体形のキジ白のオス猫「ボン」は、伝説のボス猫「ロース」の子孫ですが、ご先祖の迫力はみじんもなく、癒やし系キャラです。名前の由来は、なんの特徴もない平凡の「ボン」からですが、どんどん丸くなる体から〝メタボン〟の別名もあります。


前脚をそろえると、ハート模様に。湯島イチのイケメンの座をオッドアイの「ミカド」に奪われた。
ボンと模様が似ている「ジュニア」は、前脚をそろえると、ハート柄が現れるのが特徴です。


頭の七三分け風の模様がチャームポイント。ドがつく”天然キャラ”との島民評で、わが道を行く。
体が真っ白な「ねぎ」は、頭の七三分け風の模様と〝天然ボケ〟な性格がチャームポイントの人気者です。


しっかり者でマイペース。兄の「くっきー」と2匹で元気いっぱいに遊んで、ライブカメラにも頻出。
個性豊かな猫がたくさん。すぱいすの特設ページ「猫島ありのまま」には、猫図鑑で、猫たちの名前の由来や見分け方、性格などを紹介しています。
ライブカメラや猫図鑑、ブログ… すぱいすウェブ「猫島ありのまま」開設
湯島の猫たちのことをもっと知ってほしい-。すぱいすウェブでは、湯島の猫たちの特設ページ「猫島ありのまま」を開設。石像近くに設置している定点ライブカメラでは、島猫たちの〝ありのまま〟を24時間配信しています。特設ページには猫図鑑に加え、ウェブ限定のブログもあり、さらに詳しく猫たちの物語も知ることができます。また公式インスタグラム「猫島ありのまま」(@kumanichi_neko shima)では、ライブカメラエリア以外の猫たちも動画で数多く登場します。


島グルメやカフェ、宿泊スポット
島グルメも、マダイやウニ、天然ワカメなど豊かな海産物のほか、幻の大根と呼ばれる「湯島大根」など季節ごとに充実。お昼は新鮮な海の幸を味わい、島に泊まれば朝日と夕日の絶景も待っています。
海女ちゃん食堂乙姫屋


新鮮な魚介類味わえる 漁師一家のお店
湯島の漁師一家が営むお食事処。素潜りや船釣りで取ったマダイ、ウニ(5〜8月)、サザエなどの新鮮な魚介類が味わえる人気のお店です。料理のメニューは、その日取れた食材中心で1650円から(要予約)。11月からは湯島大根のステーキが味わえます。湯島大根の漬物(480円)などのお土産や猫グッズも販売しています。
眺めが良い2階の席もあります




海女ちゃん食堂乙姫屋
住所 | 上天草市大矢野町湯島509 |
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TEL | 080-604-4292 |
営業時間 | 11:00~15:30 |
休業日 | 火曜(臨時休あり) |
ねころびカフェ


猫グッズや多彩なアクセサリー並ぶ
木の温かみを感じさせる店内。猫との共生に取り組む「湯島猫部」プロデュースのキーホルダーやステッカーなど猫グッズが並びます。海岸に流れ着くシーグラスなどを使ったアクセサリーも豊富。「島のいろんな情報を聞ける観光拠点として利用して」とスタッフの松村雄宣さん。






ねころびカフェ
住所 | 上天草市大矢野町湯島627 |
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TEL | 0964-56-4200 |
営業時間 | 10:30~15:30(変更あり)※営業日は土・日曜、祝日 |
詳細は | @neko.ritou.yushima |
アコウ樹


日常品がそろう島内唯一の売店
猫が集まるフジ棚近くにある島内唯一の売店。店内は野菜、お肉、豆腐、牛乳、卵、調味料などの日用品がずらりと並び、店主の渡辺真美さんは買い物客とおしゃべりが弾むことも多いそうです。猫の世話もしており、「島にすんでいる者同士、仲良しですよ」。猫の餌(100円)も販売しています。
アコウ樹
住所 | 上天草市大矢野町湯島4073 |
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TEL | 0964-56-4255 |
営業時間 | 8:30~17:30 |
休業日 | 不定 |
旅館日の出荘


海の幸と農産物でおもてなし
高台にあるロケーションの良い宿。計13部屋(和室)があり、建物の下には海水浴場が広がります。宿を切り盛りしているのは森常文さん・節子さん夫妻。漁業と農業もしており、新鮮な魚介類と野菜が味わえます。「10〜12月はタイのシーズン。11月ごろからは湯島大根も提供します」と節子さん。
旅館日の出荘
住所 | 上天草市大矢野町湯島913 |
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TEL | 0964-56-4075 |
営業時間 | チェックイン15時、チェックアウト12時 |
休業日 | 不定 |
料金 | 1泊2食付き 平日1万3200円、土曜・祝日前1万4300円 |
「人と猫との共生」へ 地道な地域猫活動
人口約200人の島に約250匹の猫が暮らす湯島。「猫島」として多くの観光客に癒やしを与える裏側で、島民らは「人と猫との共生」を掲げて、地道な地域猫活動に取り組んでいます。
その中心を担うのが、地域おこし協力隊として2019年に来島したキャットケアスペシャリストの林愛子さん(47)です。熊本市出身で、5年間の協力隊の任期満了後も島に暮らし続け「湯島猫部」を立ち上げて、島内外の仲間たちと活動に奮闘しています。


島の猫たち一匹一匹に名前を付けて名簿で管理、日々の餌やりや健康観察、病気を防ぐワクチン接種などを徹底。これ以上猫が増えすぎて共存が難しくならないよう、島外の動物病院で避妊・去勢手術も進めています。
林さんは「猫の管理を続けるのは人間の責任」と語ります。活動は有志からの寄付やグッズ販売などで支えられています。ピーク時には1800人がいた人口は猫の数より少なくなってしまいましたが、人も猫も健やかに暮らせる島を目指す挑戦が続いています。


アクセス
熊市内からは熊本県 湯島へのアクセスは、上天草市の江樋戸(えびと)港から出ている連絡船を利用してください。
熊本バスターミナルからは、快速バスで「道の駅上天草さんぱーる」までバスで行き、そこから徒歩または車で江樋戸港へ。連絡船で約25分で湯島に到着。連絡船は1日5往復便が出ているので、事前に時刻表を確認してください。
江樋戸(えびと)〜湯島航路
- 大人(中学生以上) 800円(片道)
- 子ども(小学生) 400円(片道)


便 | 江樋戸発 | 湯島発 |
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1 | 8時15分 | 7時30分 |
2 | 10時00分 | 9時00分 |
3 | 13時15分 | 12時00分 |
4 | 15時00分 | 14時00分 |
5 | 17時30分 | 16時00分 |