在熊カメラマン2人が韓国で写真展! 熊本からクリエイターらも集結 日韓の文化交流、活発に

熊本のカメラマン2人が10月末から8日間、韓国・ソウルで写真展を開きました。
日韓クリエイターによる10年の交流の中から生まれた企画です。
ソウルと熊本の“距離”がさらに近づいた個展の様子と、交流のキーパーソンの声をお届けします。
(ライター・若)
言葉を超えて伝える力
ソウルで写真展を開いたのは、熊本在住のカメラマン、山口亜希子さん(42)とマエダモトツグ.さん(39)です。韓国のデザイナー、ハン・ヒソクさん(39)からの誘いに応じ、海を越えての個展に挑戦。初日のトークショーには、熊本をはじめ九州各地のデザイナーやカメラマン、ライターら約30人を含む日韓の45人が来場しました。
山口さんの個展「IVORY」は時間とともに変化する「記憶の色」がコンセプト。7カ国の旅先の人々の生活を切り取った300点を並べました。「子育てなどで旅に行く機会が減り、より遠い世界に憧れを抱くようになった」と思いを語ります。マエダさんは「COSMIC」をタイトルに、人物を宇宙に見立てた94点を展示。「それぞれの解釈で自由に見てほしい」と呼び掛けました。




参加したデザイナーの松村安希子さん(37)は「言葉を超えて伝える写真の力を再認識した」、韓国のデザイナーのユ・ヒョンソクさん(25)は「熊本から多くのクリエイターが来て準備を手伝っていた。その姿に感動した」と話していました。






会場の「REALATION SPACE」。経済の中心地・江南(カンナム)にある
創作を通して広がる人の輪
日韓クリエイター交流の中心となっているのは、今回の写真展を持ち掛けたハンさんと、熊本のクリエイティブディレクター佐藤かつあきさん(47)です。ハンさんは韓国や日本の有名企業のブランドロゴなどを手掛ける著名なデザイナーです。2人は約10年前にSNSで知り合い、2016年の熊本地震後にハンさんが来熊し、佐藤さんが地元のデザイナーを紹介。以来、相互に訪問を重ねて、交流の輪を広げていきました。
「同業者でソウルへ行く機会が増えた。食卓を囲み、同じ景色を見て、同じ空気を吸うことで親睦が深まった」と佐藤さん。ハンさんは「熊本など地方のデザインには、東京やソウルでは見られない個性があって面白い」と語ります。24年には福岡で日韓クリエイターによる展示会も開催。佐藤さんは「この活動を公的なものと連携させて、オフィシャルな国際交流にしていきたい」と夢を描きます。


熊本発! ソウルガイド誕生


個展に合わせて、熊本発のソウルガイド「ULTRA SEOUL」(全64P)が発刊されました。「ソウルで無名の写真家2人が個展を開くからには、日本から一人でも多くの人に見に来てもらいたい」。そんな思いから、佐藤さんと熊本のデザインユニット・アプアロットが中心となり、熊本をはじめとする25団体・個人のクリエイターが「ソウルLOVE」な原稿を持ち寄って制作しました。本にはソウルのおすすめスポットや飲食店、カルチャー情報がぎっしり。「韓国ってどんなところだろう」と思っている人の背中を押す内容です。


インフォメーション
山口さんはソウルでの写真展「IVORY」を再構成した個展を来年1月、熊本市中央区の「CONCEPT STORE.A」で開催します。マエダさんも「COSMIC」をベースにした個展を東京で開催予定。詳細はインスタグラムでチェックを。@acco0326(山口さん)、@mo102g(マエダさん)。
ライター・若の感想
熊本ーソウルは飛行機で約1時間半。この近さがクリエイター同士の気軽な交流を生み、新たな作品を生む熱源になっていると感じました。ソウルには都会的で先進的な街並みがある一方で、ノスタルジーを感じさせる一角もあり、ミックス感が魅力です。活気あふれる韓国に、出かけてみませんか。





















