インフルエンザと同時流行も予想 新型コロナウイルスの早期検査を【メディカル百科】

─この冬、インフルエンザが流行する可能性があると聞きます。

ここ2～3年は新型コロナウイルス対策として感染症予防の徹底が行われたため、インフルエンザ陽性者は極端に減少していました。そのため、社会全体のインフルエンザへの抵抗力も落ちているといえます。最近は厳しい行動制限もないため、新型コロナウイルスとの同時流行も懸念されています。

─症状からインフルエンザと新型コロナウイルスの識別は可能ですか。

インフルエンザにかかると発熱や喉の痛み、咳、鼻水などが起こります。新型コロナウイルスの場合も同様の症状が現れるため、原因を特定するためにも検査が不可欠です。現在、インフルエンザ検査と新型コロナウイルス抗原検査を同時に行うことも可能です。鼻の粘膜を綿棒でこすって採取し、数十分後に検査結果が出ます。発熱などの症状がある方は、まずはかかりつけ医に電話で相談してください。かかりつけ医がない場合は県のホームページで診療・検査医療機関をご確認ください。

─これから人が集まるシーズン、感染対策で大切なことは。

小まめな手洗いや消毒、換気による予防が基本です。また、ワクチン接種も重症化を防ぐために有効です。ワクチンの効果が出るまで2週間ほどかかるため、流行前の接種をお勧めします。インフルエンザは子どもや高齢者、妊娠中の方、心臓などに持病がある方がかかると重症化する恐れがあります。家族や周りの人への感染を避けるためにも決して自己判断せず、検査で原因を特定し適切な治療を受けていただきたいです。