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Vol.49 奥深い能楽の世界【熊大生のイマドキヒマドキ?】

奥深い能楽の世界

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熊本の旬な情報を発信しているKumarismのメンバーが、大学生ならではの偏った目線でモノコトを熱く語ります!

Yuki

熊本生まれ熊本育ちの文学部2年生。生粋のテレビっ子。夢はラジオパーソナリティー。

私は大学入学後に能楽同好会に入り、実際に能をやりながらその奥深さを感じています。
 
私が能を始めたきっかけは友達からの紹介でした。藤崎宮での観能を通して、お面と舞だけではない鼓や能管なども用いた独特な世界に興味を持つようになり、能に打ち込むことに決めました。就活の自己PRの際に「大学で力を入れたこと」として、バックコーラスである謡(うたい)を一節披露できればと思っています。

能とは

国語の教科書で能を初めて知った人もいるかもしれませんが、実は能楽は現存する世界最古のミュージカルといわれているんです。コーラス役の謡、BGM役のはやしなどさまざまなパートに分かれて構成されています。物語には鬼・神様・姫様などが登場し、祈りや願い、人間ドラマなどをテーマにした物語が繰り広げられます。
 
熊本にも藤崎宮や水前寺成趣園に能楽堂があります。水前寺成趣園や熊本城では初春や真夏の夜に薪能が披露されたり、藤崎宮では毎年秋の例大祭の神幸行列と同じ日に仕舞(演目の舞の一部)が奉納されたりします。

春季例大祭で部長が鶴亀の仕舞を舞いました

能の稽古を実際にやってみて

未経験だった私は、舞はまず基本でありながら一番難しい「運び」という歩き方から始めて、謡は初心者教本の一番目に載っている「鶴亀」という演目から練習を始めました。謡は祝詞(のりと)のような雰囲気のある独特な謡い方をします。
 
このように稽古をして思い出したのは、狂言をやっておられた古文の先生が説話の本文を独特な口調で読み上げている場面でした。この読み方こそまさに、能の地謡で要求される発声方法だったのです。この発声方法自体が難しく、その上、ずっと正座なので、足が痺れて仕方がありませんでした。しかし私は元々中学で吹奏楽、高校で合唱をやっていたので、吹奏楽の練習の過程で習得した「腹式呼吸」や、合唱をやっている中で身に付けた「背筋を伸ばして歌うこと」などは能でも生かすことができました。

金春松融会について

私は「金春松融会」という団体にお世話になりながら能を練習したり披露したりしています。 
 
熊本は能とのつながりが強く、それは豊臣秀吉の時代にまでさかのぼります。能にのめり込んでいた秀吉の家臣、中村政長も能楽師・金春安照のもと修行をし、政長自身も能を教えられるようになりました。その後、肥後大名・加藤清正に招かれ熊本で活躍するようになり、さらに次の肥後大名・細川家とその家臣、松井家にまで能楽が伝わっていったそうです。
 
金春松融会は松井家の能の一部を引き継いでおり藤崎宮や出水神社への奉納を長年続けています。稽古は毎月第2・4土曜9時半から12時まで出水神社能楽堂で行っています。興味がある方はぜひ来てみてください!

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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この記事を書いた人

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