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肥後木綿を復活させTGCで披露 手仕事の温かさと価値を伝えたい【すてきびと】

金刺 宏子さん

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染織家
金刺 宏子さん

金刺 宏子さん
1960年、岡山県生まれ。父親の仕事の関係で大阪、兵庫で育つ。大阪大学人間科学部卒業後、2年間の就労を経て水俣へ。胎児性水俣病患者らと自給自足の生活を送る「水俣生活学校」で1年間過ごした後、水俣浮浪(はぐれ)雲工房に参加。和綿や和紙を糸にして布や紙布を制作。紙すき工芸家の夫と暮らす。

江戸時代に農村で織られていた藍染めの織物「肥後木綿」を、自ら育てた綿花で復活させました。普段着に使われていた素朴な縞(しま)模様や絣(かすり)柄の伝統工芸は、“土地からの服の産まれ方”をコンセプトとした古荘本店(熊本市)の新ブランド「ubusuna(うぶすな)」の服地の一部に取り入れられ、今春の東京ガールズコレクション(TGC)で披露されました。

環境問題に関心があり、24歳の時に水俣へ。日本古来の希少な和綿(わめん)の種を手にして以来、完全無農薬で栽培し続けています。その和綿を紡ぎ、草木染めを施して布を織る金刺さんは、「時間と労力はかかっても、かつての日本では当たり前の光景だった自然との共生にこそ価値があり、作品の魅力にもなっている」と考えています。

今回の制作では他の人が藍染めした糸を織りました。「人と仕事をすることは新しい関係が生まれ発展につながる」と金刺さん。どこか懐かしさを感じる肥後木綿から「人の営みが生む温かさと価値を感じ取ってもらえたらうれしい」と穏やかにほほ笑みます。

はじけた綿花を糸にし、機織り機で織って肥後木綿として再生させました

Information

問い合わせなどはメールで。mnmtcotton@yahoo.co.jp

記事内の情報は掲載当時のものです。記事の公開後に予告なく変更されることがあります。

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